プロジェクトの進行過程では、納期の遅延や失敗やトラブルの発生など、計画通り順調に進行しないことが多くあります。
プロジェクトの目的を達成するためには、こうした問題に適切に対応し、解決していくことが求められます。
問題解決にあたっては、問題が起こった背景や原因を分析して課題として把握し、適切に管理していくことが大切です。
プロジェクトの成功に欠かせない課題管理ですが、実際にどのような方法で管理していけばよいかわからない人も多いのではないでしょうか。
当記事では、プロジェクト管理における課題の定義や課題解決の手法、プロジェクト管理を効率的におこなうポイントなどを解説します。
管理ツールも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
プロジェクト管理における課題とは
プロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOKは、「問題となっているか、または係争中の要点や事柄あるいは、未解決か審議中、もしくは反対の見解や合意できないものがある要点や事柄」を課題と定義しています。
(参考:A Guide to the Project Management Body of Knowledge (PMBOK Guide))
つまり、未解決の状態にある問題が「課題」です。
プロジェクトの推進にあたっては、計画通りに進捗しないことも多くあり、数々の問題に直面することがあります。
問題に対してその場限りの対応を繰り返すのは非効率です。
そのため、問題が発生した際は背景や原因を分析し、今後同じような問題が発生しないような対策を徹底する必要があります。
問題との違い
問題とは、プロジェクト進行過程に発生する事象そのものを指します。
たとえば、「成果物の納品が2日間遅れている」場合、「2日間の遅延」が問題にあたります。
「本来の進捗と現状とのギャップ」と言い換えることも可能です。
タスクとの違い
課題や問題と混合されやすい言葉に「タスク」があります。
タスクとは、課題を解決し、目的を達成するためにやるべきことを細分化し、期限と担当を割り当てた一つひとつの作業のことを指します。
「新入社員に対する教育研修の充実」を課題とした場合のタスクは「新入社員が受講する研修を決める」、「来月までに研修を受講してもらう」、「受講後に内容の振り返りをする」などとなります。
リスクとの違い
リスクも課題と同じように捉えられることがありますが、先の例で述べると、「成果物の納品遅延が発生するおそれ」がリスクにあたります。
つまりリスクとは、問題が起きる前の段階のことと定義されます。
プロジェクトを計画通り順調に推進し成功へ導くには、問題が起きる前のリスク管理が大切であることはいうまでもありません。
プロジェクト管理で直面することが多い課題
プロジェクト管理で直面することが多い課題は、以下の6つです。
- コミュニケーションの不足
- ゴールが明確化されていない
- スケジュールの遅延
- 適材適所の人員配置
- 工数管理
- リスク管理
それぞれの詳細を解説します。
コミュニケーションの不足
コミュニケーション不足は、プロジェクトにおいて最も直面しやすい課題といっても過言ではありません。
チームのメンバーや関係者とのコミュニケーションが円滑に取れないと進捗が共有されず、スケジュールの遅延が発生したり失敗やトラブルが発生したりするリスクが高くなります。
プロジェクトの規模が大きくなるほど関係者の数が増えるため、コミュニケーション不足に陥りやすくなります。
チーム内はもちろんのこと、社内外の関係者との連携を蜜に取ることがプロジェクトを計画通り円滑に推進するポイントとなります。
ゴールが明確化されていない
プロジェクトは、達成したいゴールを定めてから着手します。
具体的には、QCD(品質・コスト・納期)の要素を意識した具体的な数値目標を示してから着手するのが一般的です。
しかし、クライアントや関係者との認識の共有が不十分であったり、クライアント自身が自社の現状や直面している課題を正確に把握していなかったりすると、ゴールが明確化されない状態でプロジェクトが進行してしまうケースがあります。
スケジュールの遅延
事前に綿密な計画を立てても、プロジェクトは計画通りに進行しないことも多くあります。クライアントの都合で納期を変更するなど、相手の都合に合わせて当初のスケジュールを変更する場合もあるでしょう。
そのため、計画通りにいかないことを想定し、余裕をもったスケジュールにする必要があります。
また、日々のスケジュール管理においてはメンバーや関係者が常に全体の進捗を確認できるような仕組みを取り入れることが大切です。
適材適所の人員配置
人的リソースをどう割り振るかは、プロジェクトの成功を左右するポイントの一つです。
一つのプロジェクトを実行するにあたっては様々なタスクが発生し、それぞれをメンバーの特性に合わせて割り振る必要があります。
そのため、プロジェクトマネージャ(PM)やPMOは、各要員のスキルや経験についての理解を深めておく必要があります。
効率的なプロジェクトの推進には適材適所の人員配置が不可欠です。
工数管理
工数とは、タスクを完了させるために必要な作業量のことです。
工数は、作業人数に作業時間を乗じて計算します。
たとえば、あるアンケートの集計作業を2人に割り振ると3時間かかる場合、工数は2人×3時間で6時間となります。
プロジェクトマネジメントにあたっては、各タスクの工数をできるだけ正確に見積もることが大切です。
正確な工数の見積もりは、適切なスケジュール管理や人材配置にもつながります。
リスク管理
リスク管理とは、現在発生している問題ではなく、これから直面するかもしれない問題に目を向けて管理することです。
リスク管理が不足していると、スケジュールの遅延や失敗、トラブルが発生しやすくなります。
プロジェクトの進行中は目の前のタスクに集中してしまい、リスク管理の優先順位が下がりがちです。
できるだけ事前に予想できるリスクを洗い出し、対策を立てておくことが大切です。
また、メンバー間で密にコミュニケーションを取って常に進捗を把握しておくことも、リスクマネジメントを成功させるためのポイントです。
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プロジェクト管理における課題解決手法
プロジェクト管理の課題解決の手法は、以下の2つです。
- 問題が起こった原因を分析する
- 課題管理表を作成する
それぞれの詳細を解説します。
問題が起こった原因を分析する
課題解決のためには、まずは問題が起こった原因を分析します。
原因の分析方法としては、以下の2つの方法が効果的です。
- なぜなぜ分析
- フレームワークを使った分析
それぞれの詳細を解説します。
1. なぜなぜ分析
なぜなぜ分析とは、トヨタ自動車でおこなわれている問題の真因を分析し、解決策へつなげる手法のことです。
「なぜこの問題が発生したのか」の問いを何度も繰り返すことで、問題の原因を論理的に掘り下げ真因を探っていきます。
幅広い業界で活用され、高い効果が証明されている手法です。
なぜなぜ分析は、問題解決だけでなく再発防止も含めて目的としています。
「なぜ?」を繰り返すことで問題が起こった背景や因果関係がクリアになり、真因を突き止めるだけでなく、再発防止策を立てることも容易になります。
2. フレームワークを使った分析
効率的に問題の分析をおこなうには、フレームワークの活用が効果的です。
フレームワークを活用すればロジカルに物事を捉えられるため、顕在化していない原因を発見したり、円滑な課題解決につなげたりすることができます。
原因分析に効果的なフレームワークとしては、ロジックツリーやSWOT分析などがあります。
課題管理表を作成する
問題の原因を分析し、課題が明確になったら課題管理表を作成して課題を管理します。
課題管理表とは、課題の記録と共有を目的に作成された文書のことです。
課題の概要、詳細、完了条件、優先順位、期限、ステータス、担当者などを一覧にし、チーム内や関係者に共有します。
課題管理表を作成するメリットは、現在直面している課題への対応を確実に実行できる点です。
対応の進捗を把握し、チーム内の連携強化や個々のメンバーの負担軽減につながる効果があります。
各課題は「進行中」「完了」といったステータスで管理し、定期的に更新し、課題の進捗遷移が把握できるようにする必要があります。
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プロジェクト管理を効率的におこなうポイント
プロジェクト管理を効率的におこなうためのポイントは、以下の5つです。
- ゴールを明確化する
- WBSを作成する
- ガントチャートを作成する
- PMOを配置する
- 管理ツールを導入する
それぞれの詳細を解説します。
ゴールを明確化する
PMBOKによると、プロジェクトのゴールを達成するためにはQCD(品質・コスト・納期)の要素が大切であるとされています。
プロジェクトの最終的なゴールは、限られたQCDのなかで最大限の成果を出すこととも捉えられます。
プロジェクト開始前にクライアントとミーティングし、ゴールを擦り合わせることが大切です。
ゴールはQCDを意識したできるだけ具体的な数値目標とし、認識の齟齬が生じないようにします。
WBSを作成する
WBSとは、プロジェクトのタスクを洗い出し、作業を細分・構造化することによってマネジメントする手法のことです。
進捗管理や作業を割り当てる際に役立ちます。
WBSは、「作業を洗い出し、順番を決め、構造化する」の3つのプロセスで作成します。
WBSによって細分化されたタスクにプロセスの要素を加えたものが、後述のガントチャートです。
ガントチャートを作成する
ガントチャートとは、プロジェクトの進捗を視覚的に把握するための表のことです。
縦軸にタスクや担当者、横軸に日時を記載し、一目でプロジェクト全体を把握できることが特徴です。
ガントチャートはWBSとセットで作成されることが多く、WBSによって明確化されたタスクに期限や役割を書き足していきます。
タスクの見える化や情報共有の効率化を目的に活用されています。
PMOを配置する
一般的にプロジェクトはプロジェクトマネージャ(PM)が主体となって進められますが、規模の大きなプロジェクトの進捗管理や品質管理をプロジェクトマネージャが一人で担うには限界があります。
そこで、プロジェクトマネージャのサポート役としてPMOを配置します。
PMOの役割は多岐に渡りますが、プロジェクトマネージャのサポートやプロジェクトの進捗管理・品質管理が主な任務です。
PMOを配置するメリットは、以下の3つです。
- プロジェクトマネージャの負担を軽減できる
- 意思決定の精度が向上する
- 客観的な視点でプロジェクトに携われる
それぞれの詳細を解説します。
PMOを配置するメリット1.
プロジェクトマネージャ(PM)の負担を軽減できる
プロジェクトにおけるプロジェクトマネージャの負担は大きく、規模が大きくなるほど細かいケアが不十分になる傾向があります。
PMOがプロジェクトマネージャだけではカバーできない部分をサポートすることで、プロジェクトマネージャがマネジメントに集中できるようになります。
また、プロジェクトの推進にあたってはスケジュールの遅延やトラブルの発生が避けられません。
PMOがリスクマネジメントや発生したトラブルへの対処をおこなうことで、プロジェクトマネージャの負担を大きく軽減できます。
PMOを配置するメリット2.
意思決定の精度が向上する
プロジェクトマネージャ(PM)の重要な役割は、プロジェクトの責任者として意思決定することです。
しかし、プロジェクトマネージャが日々の進捗管理やトラブル対応に追われて余裕がないと、適切な意思決定が困難な状況に陥ります。
そこでPMOがサポート役となり、プロジェクトマネージャだけではケアしきれない情報の収集や整理、分析をおこなって精査した情報をプロジェクトマネージャに提供します。
その結果、プロジェクトマネージャが迅速かつ適切な意思決定をしやすくなります。
PMOを配置するメリット3.
客観的な視点でプロジェクトに携われる
プロジェクトチームは組織を横断して組まれることも多く、メンバーの役職や組織間の力関係がプロジェクトの円滑な推進を妨げることもあります。
PMOは第三者的な立場として客観的な視点でプロジェクトに携わるため、特有の内部事情に影響されにくい利点があります。
PMOは、組織間の調整が必要な場合にもプロジェクトを俯瞰して公正な判断をくだすことができます。
管理ツールを導入する
プロジェクト管理を効率的におこなうには管理ツールを導入し、システム化するのも有効な手段です。
一つのプロジェクトを達成するには多くの関係者が関わり、工数も膨大なものになります。Excelなどを活用して管理する方法もありますが、更新状況がリアルタイムで把握できなかったり、情報共有の漏れが発生しやすかったりといったデメリットがあります。
管理ツールには、システム上でメンバー同士がコミュニケーションできる機能やタスク管理機能、ガントチャートの作成機能などが装備されており、効率的なプロジェクトの推進をサポートします。
Jootoでプロジェクト管理における課題を解決しよう
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プロジェクト管理の効率化に欠かせないガントチャートも、Jootoを活用すればタスクの期限を入力するだけで簡単に完成します。
期限に変更が生じた場合はタスクに自動的に反映されるため、情報の更新漏れの心配もありません。
また、タスクの開始日や締切日がある場合、リマインダーを設定することで事前通知が届くのでタスク漏れや、遅れを防ぐことが可能です。
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