プロジェクトにおける品質管理は、プロジェクト成功の鍵を握る重要な工程です。
しかしプロジェクトにおける品質管理の目的とはなにか、正確に答えられるという方は少ないのではないでしょうか。
当記事では、プロジェクトにおける品質管理について解説します。
あわせてプロジェクトにおける品質管理の重要性やプロセス、押さえておきたいポイントなども解説するので、品質管理についての理解を深めたいという方はぜひご一読ください。
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目次
プロジェクトにおける品質管理とはなにか
プロジェクトにおける品質管理とはなにかを明らかにする場合、以下の2点について理解を深めることが大切です。
- プロジェクト管理に必要な知識体系「PMBOK」
- 品質管理とはQMSの構築を担う重要な工程
プロジェクト管理の大枠の流れを把握し、品質管理の重要性を確認しましょう。
ここでは、2点について解説します。
プロジェクト管理に必要な知識体系「PMBOK」
プロジェクトにおける品質管理とは、PMBOK(ピンボック)と呼ばれるプロジェクト管理の知識体系のひとつです。
プロジェクトにおける品質管理について理解を深めたい場合、まずはPMBOKについて学ぶ必要があります。
PMBOKとは、「Project Management Body Of Know」の略称で、プロジェクトマネジメントを行う上で必要な知識体系をまとめたものです。
PMBOKは「5段階の管理プロセス」「10種類の知識エリア」「3つのパート分け」の3つに分類されます。
3つに分かれる知識体系の表を確認し、大枠を理解しましょう。
【5段階の管理プロセス】
段階 | プロセス | 詳細 |
---|---|---|
1 | プロジェクト 立ち上げ | プロジェクトの目的・予算などを定義し利害関係者(ステークホルダー)を特定する |
2 | プロジェクトの計画 | プロジェクトのタスクや必要な人員など、具体的な計画を立てる |
3 | タスクの実行 | プロジェクトの計画に基づきタスクを実行する |
4 | 作業の監視・管理 | タスクの進捗状況を確認し計画と乖離があれば調整する |
5 | プロジェクトの集結 | 4つのプロセスが完了しているか確認し、今回のプロジェクトが次のプロジェクトに活かせるようにデータを保管する |
プロジェクトの成功を目指す際には、5段階の管理プロセスを踏むことが大切です。
プロジェクトの立ち上げ・計画業務を細部まで決めておくと、プロジェクトの目的を見失わず効率的に進められるでしょう。
【10種類の知識エリア】
種類 | 詳細 |
---|---|
スコープ管理 | プロジェクトに必要な作業内容や製品などを決める |
コスト管理 | プロジェクトにかかる原価・予算などの費用面を管理する |
資源管理 | プロジェクトに必要な人材配置や資源を管理する |
調達管理 | 外部に委託する作業や、仕入れ品などを管理する |
スケジュール管理 | プロジェクトのスケジュールを管理し、進捗状況に応じて修正を行う |
コミュニケーション管理 | プロジェクトに関わるメンバーのコミュニケーションを円滑にし、失敗を防ぐ |
リスク管理 | 今後起こりうるトラブルを予測し事前に対策を立てておく |
品質管理 | プロジェクトの製品の品質の管理、パフォーマンスの改善を行う |
ステークホルダー管理 | プロジェクトメンバー・関係者はもちろん顧客に対して情報を伝達または管理する |
統合管理 | 9種類の知識を統合させ管理する |
10種類の管理をバランスよく取り組むことで、顧客のニーズに応えることはもちろん、リスク回避が可能になります。
【3つのパート分け】
- 入力:設計書などを入力する
- ツールと技法:入力された設計書をもとに製品を作る
- 出力:完成した成果物(製品)を出す
PMBOKはプロジェクトを進める上で参考にすべき知識体系です。
プロジェクトを効率的に進めたい場合は、PMBOKを参考に実施するとよいでしょう。
品質管理とはQMSの構築を担う重要な工程
プロジェクトにおける品質管理とは、顧客となる「クライアント」の要求する水準に向け計画を立て、品質の改善を行う工程です。
品質管理は、繰り返し分析・改善を行い、クライアントの満足度を高めていきます。
例えばクライアントがお店にオーダーメイドで依頼したスーツの丈の長さが短かった場合、クライアントのニーズに合っていないということになります。
サイズの合わないスーツを作った場合、クライアントの再来店は難しいでしょう。
クライアントとの信頼関係を失わないためにも、品質管理を行う必要があります。
品質管理はクライアントの満足度を高めることはもちろん、リスクを未然に回避することが可能です。
つまり、プロジェクトにおける品質管理は、目の前のプロジェクトだけでなく今後の企業の利益にもつながる重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
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プロジェクトにおける品質管理のプロセス

プロジェクトの品質管理には、大きく分けて4つの工程があります。
品質管理の工程は以下の通りです。
- 品質方針を決める
- 品質計画を作成する
- 品質保証をする
- 品質観察・記録をする
ここでは、プロジェクトにおける品質管理の4つの工程について解説します。
品質方針を決める
品質方針とは、クライアントの求める「品質水準」を明確にし、プロジェクトの品質を一定に保つための方針を決める工程です。
プロジェクトにおける品質管理では、はじめにクライアントと品質方針の擦り合わせを行います。
クライアントはどのような要求を持っているかを事前に確認し、製品のイメージを明確にさせることでクライアントと同じ完成形を描きながら製品を制作できるメリットがあります。
例えば製品の色に関して指定があったとします。
赤色ひとつとっても紅葉色や唐紅色などさまざまな種類があるため、「赤色」というキーワードだけでは一体どの赤色をイメージしているかを把握することは難しいです。
カラーの認識を合わせたい際には、カラーサンプルなどを用意し細かい色の指定を行う必要があります。
品質方針を決める段階をおろそかにした場合、プロジェクトの途中で計画を変更するなどのリスクが伴う恐れがあるため注意が必要です。
このように、クライアントと細かい部分の擦り合わせを実施することで、認識の差異をなくしクライアントの満足度の高い製品を作れるでしょう。
品質計画を作成する
品質方針が決定次第、方針を元に品質計画を作成します。
品質計画とは、製品が完成するまでに実施するテストや検査などの日程・回数を計画し、スケジュールに落とし込む工程です。
品質管理を行う際に必要なタスクを洗い出し、計画書に落とし込むことでタスク漏れのリスクを防げます。
計画書を作成する場合、プロジェクト開始からクライアントと擦り合わせた「品質基準」に行き着くまでの期間を逆算して、スケジュールに落とし込むことが重要です。
製品が完成するまでは、テストやチェックを何度も繰り返します。
スケジュールを組む際にはテストやチェック日を組み込むことはもちろん、計画通りにいかない場合も加味して余裕を持ったスケジュール計画を作成しましょう。
品質の保証をする
品質保証とは、成果物がクライアントの要求に応える品質になっているかをチェックする工程です。
さまざまなシーンを想定してテストを行い、一定の水準の範囲内でバグや破損などがないかを確認します。
テストやレビューで品質を確認し、満たしていない場合はその都度原因を調査し改善しましょう。
品質保証の工程を実施することで、製品の受け渡し後に起こりうるアクシデントや、クレームを未然に防げます。
品質保証を繰り返し行い、ようやくクライアントの品質基準に沿った製品が完成します。
品質観察・記録をする
品質観察・記録とはプロジェクトを開始し成果物を生み出すまでの一連の作業を監視・記録する工程です。
品質観察・記録は品質保証の工程と並行して実施します。
プロジェクトの一連の流れを監視・記録することで、成果物に問題があった場合の原因調査に役立つことはもちろん、次回のプロジェクトの際にも役立つ資料として残しておけるメリットがあります。
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プロジェクトの品質管理で押さえておきたいポイント

プロジェクトの品質管理をする際には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
ポイントをきちんと押さえて取り組むことで、よりクライアントの満足度の高い製品を生み出せるでしょう。
プロジェクトの品質管理をする上で押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- 受け入れテストを実施する
- QC道具でデータ分析する
- QC・TOCの基準を意識する
- こまめに進捗管理を行う
ここでは、4つのポイントについて解説します。
受け入れテストを実施する
製品は開発側だけが作るものではありません。
クライアントの要求する品質に達してはじめて成果物ができるという意識を持ちましょう。
品質管理を実施する際には、クライアントを交えた場での受け入れテストを行います。
受け入れテストはクライアントに製品を納品する前の最終チェックとなる重要な工程です。
受け入れテストを行う目的として、納品後に起こりうるトラブルを未然に防げる点が挙げられます。
受け入れテストを実施し、開発側とクライアント側の双方が満足する品質になっているかを確認しましょう。
QC道具でデータ分析する
品質管理にはQC(Quality Control)道具と呼ばれる7つのツール・手法があります。
品質管理の分析を行う場合、以下のQC7つ道具を使い行いましょう。
【QC7つ道具】
名称 | 用途 |
---|---|
ヒストグラム | データのばらつきがないかどうか区分ごとに分けて表示する |
チェックリスト | 別名チェックシートとも呼ばれており、項目ごとにチェックリストを作成し、点検漏れを防ぐ |
散布図 | 2つのデータを並べ、双方の関係性を明瞭にする |
グラフ | 円や棒などのグラフを用いて時系列の変化を把握する |
フィッシュボーンチャート | 別名特性要因図と呼ばれており、結果とそれに至るまでの要因を視覚的に図式にまとめ分かりやすくする |
パレート図 | 棒と折れ線などのグラフを組み合わせ、重要度の高いものから分かりやすく並べる |
管理図 | 折れ線グラフに曲線を交え、工程の進みや品質のばらつきをチェックする |
7つの道具を積極的に活用し、データを記録・分析することでクライアントの要求する品質を保てるでしょう。
TQCの基準を意識する
品質管理を成功させるにはTQCの基準を意識しましょう。
TQCとは「Total Quality Control」の略称であり、企業に所属する製造部門のメンバーだけでなく、すべての従業員が一貫して高い意識を持って行う品質管理活動を指します。
TQCを意識することで、販売員などの実際に製造していない従業員がアフターサービスをする際にも、一貫した品質管理が可能になります。
プロジェクトの成功は企業に利益を生み出すだけでなく、従業員のモチベーションアップにもつながるメリットがあります。
全従業員一丸となって品質管理を実施することで、企業の成長につながるでしょう。
こまめに進捗管理を行う
プロジェクトには期限があり、決められた期間内にクライアントに製品を納品しなくてはなりません。
厳しいスケジュールに追われながら作業を実施すると、品質に対する意識がおろそかになり、品質がおちてしまう可能性があるため注意が必要です。
スケジュールを組む際には、ある程度余裕を持たせ品質管理に対して集中できる環境を作りましょう。
余裕をもった工程計画を作成し、こまめに進捗管理を行うことで作業が遅れている場合も臨機応変に対応可能です。
また、進捗管理を実施する際には、洗い出したタスクを優先度順に並び替え可視化します。
こまめに進捗管理を行い、進捗が遅れているところにはサポートに入るなどして、チーム全体の状況を把握し効率的にタスクを片付けましょう。
タスク・プロジェクト管理を
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