この記事の概要
正味作業とは、付加価値のある仕事のことを指します。
業務に必要な作業は正味作業と非正味作業に分けられ、非正味作業は大きく「付帯作業」と「ムダな作業」に分類されます。
業務のムダを取り除き正味作業の割合を高めることには、多くのメリットがあります。
具体的なメリットは、以下の三つです。
- 生産性の向上
- 安全性の向上
- 教育コストの削減
正味作業の割合を高める方法としては、トヨタ生産方式(TPS)の「ムダ取り改善」が効果的です。
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目次
正味作業とは
正味作業とは、付加価値を生み出す本質的な作業のことです。
例えば、ものづくりの現場の正味作業とは、製品やサービスに直接的な価値を付加する作業のことを指します。
部品の加工や組立、塗装など、最終的な品質や機能に影響を与える工程が正味作業に該当します。
正味作業を考える際に重要なのは、単なる手順の実行だけに目を向けるのではなく、探求の視点でとらえることです。
「なぜこの作業を行うのか」「どの工程が価値を生んでいるのか」を探求することによってムダな動きや非効率が明らかになります。
一方で、運搬や待機、段取り替え、検品などは必要ではあるものの製品そのものの価値を高める作業ではありません。
これらの作業は、「付帯作業」や「ムダな作業」と呼ばれます。
正味作業のなかにもムダは存在しますが、非正味作業のムダを優先して改善していくことが大切です。
すべての作業時間のうち、正味作業の割合を高めることが生産性向上やコスト削減につながっていきます。
工程改善やレイアウトの見直し、自動化などを通じて、正味作業以外の時間をいかに削減するかが、業務改善の大きなテーマとなるでしょう。
また、正味作業の割合を高める取り組みを行う際は、法令や規則を守る「遵法」の観点も重要です。
業務改善によって短時間で作業が完結できるようになったとしても、法令違反となる手順で作業を行えば、企業の信頼低下につながります。
そのため、正味作業は単に付加価値を生むだけでなく、遵法を前提とした適正なプロセスのなかで実施される必要があります。
「付帯作業」と「ムダな作業」とは
業務に必要な作業は正味作業と非正味作業に分けられ、非正味作業は大きく「付帯作業」と「ムダな作業」に分類されます。
付帯作業とは、付加価値は生み出さないものの、業務の工程で必ず発生する作業のことです。
「商品を取りに行く」「資材を補充する」「梱包する」といった作業が該当します。
オフィスワークの場合、「必要な資料を探す」「会議の準備をする」などの作業が該当するでしょう。
ムダな作業とは、業務を遂行するうえでまったく必要のない作業のことです。
「無目的に歩く」「紛失物を探す」などの作業が該当します。
オフィスワークのムダな作業とは、「不要な会議」や「ミスによる資料の作り直し」などがあります。
トヨタ生産方式における「正味作業」の考え方

正味作業の割合を高める方法としては、トヨタ生産方式の「ムダ取り改善」があります。
ムダ取り改善の第一歩は、すべての作業を「正味作業」と「非正味作業」に分類することです。
正味作業とされる工程のなかにも、改善の余地が残っている場合がありますが、直接的な付加価値を生み出さない非正味作業のムダを取り除くことを優先します。
一般的に、すべての作業時間に占める正味作業時間の割合は高くなく、10%以下とされるケースもあります。
そのため、非正味作業に該当する時間を正味作業に充てられれば、生産性が大きく向上する可能性があるのです。
トヨタ生産方式における「ムダ取り改善」では、一見問題ないように見える「潜在的なムダ」も取り除きます。
「潜在的なムダ」とは、具体的には以下の7つを指します。
- つくり過ぎのムダ
- 手待ちのムダ
- 運搬のムダ
- 加工のムダ
- 在庫のムダ
- 動作のムダ
- 不良・手直しのムダ
これら7つのムダは独立して存在しているのではなく、「つくり過ぎのムダ」の発生によって「在庫のムダ」が生じるなど、相互に関連しています。
トヨタ生産方式を導入する際の注意点
トヨタ生産方式は、ムダを徹底的に排除する手法だからこそ、想定外のトラブルが発生した際に柔軟な対応がしにくいという弱点があります。
部品の在庫を最小限に抑えるため、何らかのトラブルが発生すると納期の遅延に直結しやすいのです。
また、トヨタ生産方式の導入は業務が平準化されていることが前提となるため、すべてのものづくりの現場に適した手法とはいえない側面があります。
在庫を多く抱えないスタイルのため、多品種少量生産や需要の変動が大きな製品の生産現場では、効率の悪化を招く恐れがあるでしょう。
これに加えてトヨタ生産方式の高い品質管理水準は、下請け企業への負担が大きいともいわれています。
特に中小企業にとって、頻繁な納品や小ロット生産は効率が悪く、コストの増大を招きかねません。
以上のように、トヨタ生産方式にも注意点が存在するため、自社の状況と照らし合わせて導入の可否を見極めることが大切です。
正味作業の割合を高めるメリット
正味作業とは、製品やサービスに直接価値を付加する作業であり、従業員や組織の能力が最も有効に発揮される作業を指します。
正味作業の割合を高めることには、多くのメリットがあります。
具体的なメリットは、以下の三つです。
- 生産性の向上
- 安全性の向上
- 教育コストの削減
それぞれについて詳しく解説します。
生産性の向上
ムダが取り除かれるとすべての従業員が同じ手順で作業を行えるようになり、ムダな動きや工程が削減されます。
これにより、作業効率が向上して従来よりも少ない作業時間で質の高いアウトプットが出せるようになります。
顧客に対して提供できる製品やサービスの量と質が向上すれば、顧客の要求を満たすことができ、企業の成長につながっていくでしょう。
安全性の向上
ムダが取り除かれることで、特にものづくりの現場の安全性が向上します。
ムダを取り除く過程で作業が標準化され、担当者ごとの作業のムラがなくなり、ケガや事故につながる動きを防止できるのです。
職場の安全性向上は従業員のモチベーション向上にもつながっていくでしょう。
教育コストの削減
ムダがなくなり効率的な作業手順が現場で定着すれば、教育コストを削減できます。
新入社員の早期即戦力化が可能になるでしょう。
教育コストが削減できれば、現場で指導にあたる従業員の負担軽減にもなります。
教育コストの削減は、結果として従業員が付加価値を生み出す正味時間に割く時間を増やすことにつながります。
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正味作業を増やし「付帯作業」「ムダな作業」を減らす手順

正味作業を増やし「付帯作業」「ムダな作業」を減らす具体的な手順は、以下のとおりです。
- 現状の業務を洗い出し、三つの作業に分類する
- 「ムダな作業」を排除する
- 「付帯作業」を減らす仕組みを作る
- 「正味作業」のスピードと質を高める
それぞれのステップについて詳しく解説します。
手順1.現状の業務を洗い出し、三つの作業に分類する
まずは改善が必要な業務を洗い出し、「正味作業」「付帯作業」「ムダな作業」の三つに分類します。
業務を洗い出す際はできるだけ現場の従業員から業務内容についてヒアリングし、具体的に洗い出すことが大切です。
担当者や具体的な工程、所要時間、使用しているツールなどを細かくリストアップし、業務全体の流れを可視化することがポイントです。
洗い出された業務を三つの作業に分類することで、付帯作業やムダな作業に想像以上に時間が割かれていることがわかるでしょう。
手順2.「ムダな作業」を排除する
業務を三つの作業に分類できたら、まずはムダな作業を排除します。
ムダな作業とは、「待ち時間」や「無目的な移動」など、なくなっても業務に何の支障もない作業のことを指します。
ある作業をムダな作業に分類すべきか判断に迷う場合は、作業の目的を確認しましょう。
目的が曖昧な作業はなくしても問題ない場合があります。
手順3.「付帯作業」を減らす仕組みを作る
付帯作業に割かれる時間を減らすためには、仕組み作りが大切なポイントとなります。
業務のデジタル化やシステムの導入は効果的な手法でしょう。
例えば、資材の投入や点検、手書きの日報などをデジタル化できれば、付帯作業の時間を大幅に縮減できます。
ただし、デジタル化やシステムの導入には一定のコストがかかります。
まずはコストをかけずに付帯作業の削減に取り組みたい場合は、職場のレイアウト変更やルールの見直しなどに着手するとよいでしょう。
手順4.「正味作業」のスピードと質を高める
最後に、「正味作業」のスピードと質を高める取り組みを実施します。
ムダな作業や付帯作業を取り除くだけでは、企業の競争力は向上しません。
企業が長期的に成長していくためには、より付加価値の高い製品やサービスを提供していく必要があります。
正味作業のなかにも、細かな「付加価値を生まない動き」が隠れています。
作業に必要な道具や資料の配置を工夫したり、片手で作業していた工程を両手で作業できるようにしたりするだけでも、作業の効率はアップします。
また、スピードを上げてもミスが多くては意味がありません。
「後工程に不良を流さない」仕組みを作ることが大切です。
作業の標準化を進めることで、正味作業の質を高めていけるでしょう。
正味作業の割合を高める取り組みを実施する際のポイント

正味作業の割合を増やす取り組みは、トヨタ自動車をはじめとする多くのものづくりの現場で行われています。
ものづくりに限らず、オフィスワークにおいても「付帯作業」や「ムダな作業」の削減は生産性向上の観点から重要なポイントとなります。
正味作業の割合を高める取り組みを実施する際のポイントは、以下の四つです。
- 優先順位を決めてから取り組む
- 現場の声に耳を傾ける
- PDCAを回して長期的な視点で取り組む
- 管理ツールを導入する
それぞれについて詳しく解説します。
優先順位を決めてから取り組む
スピード感をもって改善に取り組むことは大切ですが、一気に改革を進めようとすると現場との間に軋轢が生じたり、無理をし過ぎてトラブルが起きたりするリスクが高くなります。
優先順位を決めてから取り組むことが大切です。
優先順位を決める際は、以下の点を重視するとよいでしょう。
- 職場の安全に関わる業務
- 顧客への付加価値の提供に直結する業務
- 実行のしやすさ
改善によって高い成果が期待できても、取り組みの難易度が高く、着手までに時間がかかる場合もあるでしょう。
そのような場合は、まずは簡単に取り組めることからスタートするのもよい方法です。
現場の声に耳を傾ける
業務の手法を変える際は、現場の声に耳を傾ける姿勢が大切です。
業務改善を現場で定着させるためには、従業員一人ひとりの理解と協力が不可欠なためです。
現場で作業にあたる従業員のなかには、既存の手法を変えることに抵抗がある人もいるでしょう。
現場の声をヒアリングし、それを反映させながら進めていくことで従業員の意識が変化し、一丸となって改善に取り組めるようになるでしょう。
PDCAを回して長期的な視点で取り組む
業務改善は一度取り組んだら終わりではありません。
改善の効果を定量的に分析し、改善を繰り返すことが大切です。
なかには、改善の成果を実感するまでに時間がかかる業務もあるでしょう。
成果が見えないことを理由に放置してしまうと、再び同じ課題に悩まされることになってしまいます。
短期的な成果だけを目指すのではなく、長期的な目線で取り組むことが大切です。
管理ツールを導入する
正味作業を増やし、「付帯作業」「ムダな作業」を減らすためには、すべての業務を洗い出し、全体像を見える化するプロセスが必要です。
手作業で見える化に取り組むことも可能ですが、業務内容が複雑であればあるほど、業務の洗い出し作業に時間がかかってしまいます。
管理ツールを導入すれば、簡単に業務の流れを可視化できます。
さらに、タスク単位で作業時間を記録できるツールを選べば、何にどのくらいの時間がかかっているかが明確になり、改善すべきポイントの把握が容易になるでしょう。
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Jootoを導入して正味作業の割合を最大化しよう

正味作業の最大化を目指すなら、タスク・プロジェクト管理ツール「Jooto」の導入がおすすめです。
Jootoはドラッグ&ドロップ中心の直感的な操作で利用できるタスク・プロジェクト管理ツールです。
デジタルに苦手意識がある方でもすぐに使いこなせます。
Jootoにはボタン一つでガントチャートを作成できる機能が備わっており、「誰が・何を・いつまでにやるか」が一目で把握できます。
業務の全体像を見える化できるため、付帯作業やムダな作業を見つけやすく、効果的に改善に取り組むことができるでしょう。
タスクごとにファイルやコメントを残すことができるため、必要なときに必要な情報にすばやくアクセスできます。
職場の正味作業比率を高める第一歩として、ぜひJootoの導入をご検討ください。
タスクごとの時間が計測できる「Jooto Timer」
Jootoでは、タスクごとの作業時間を正確に計測・記録できるブラウザ拡張機能「Jooto Timer」が2025年4月から提供開始されました。
「Jooto Timer」を使うことで、下記ができるようになります。
- タスク単位の作業時間を記録することができる
- 作業の履歴を自動的に保存できる
- 累計作業時間を自動計算してくれる
- タスクが完了したときに作業レポートをコメントで自動投稿できる
- 作業時間の実績を自動記録できる
- 作業履歴をCSVでエクスポートし、レポート作成などに活用できる
Jootoでタスクの洗い出し・スケジュール立案を行い、JootoTimerを活用して作業時間を管理することで、適切に時間管理されたスムーズなプロジェクト進行を実現できるでしょう。
ツールを使ってタスクや時間の管理を効率的に行っていきたい、という方はぜひJootoの導入をご検討ください。
よくある質問
正味作業に関するよくある質問をまとめました。
正味作業とは、付加価値を生み出す本質的な作業のことです。
正味作業を考える際に重要なのは、単なる手順の実行だけに目を向けるのではなく、探求の視点でとらえることです。
「なぜこの作業を行うのか」「どの工程が価値を生んでいるのか」を探求することによってムダな動きや非効率が明らかになります。
付帯作業とは、付加価値は生み出さないものの、業務の工程で必ず発生する作業のことです。
「商品を取りに行く」「資材を補充する」「梱包する」といった作業が該当します。
ムダな作業とは、業務を遂行するうえでまったく必要のない作業のことです。
「無目的に歩く」「紛失物を探す」などが該当します。
正味作業の割合を高めるメリットは、以下の三つです。
・生産性の向上
・安全性の向上
・教育コストの削減
正味作業の割合を高める具体的な手順は、以下のとおりです。
現状の業務を洗い出し、三つの作業に分類する
1.「ムダな作業」を排除する
2.「付帯作業」を減らす仕組みを作る
3.「正味作業」のスピードと質を高める
正味作業の割合を高める取り組みを実施する際のポイントは、以下の4つです。
・優先順位を決めてから取り組む
・現場の声に耳を傾ける
・PDCAを回して長期的な視点で取り組む
・管理ツールを導入する
ムダ取り改善とは、作業を「正味作業」と「非正味作業」に分け、非正味作業のムダを取り除く改善のことです。
ムダを取り除くことで効率化がはかられ、正味作業に充てられる時間が多くなります。
結果として生産性向上へとつながっていきます。
正味作業の改善は、会社の利益増大につながります。
直接的な価値を生み出す正味作業を改善すると、同じ人員や時間でより多くの価値を生み出せるようになります。
さらに、ムダな作業が減るため、人件費や時間コストが圧縮され、結果として利益の増大につながっていきます。
企画書の作成や営業先での顧客への提案、データの分析などが該当します。
一方で、資料を探す時間や不要な会議、承認待ちの待機時間などは非正味作業に分類されます。
正味作業の改善と遵法はセットでとらえる必要があります。
効率を重視するあまり安全装置を外したり、必要な工程を飛ばしたりすることは、法令違反や重大事故につながります。
正味作業の最大化は、ルールと安全を守った範囲内で行わなければなりません。
7つのムダとは、以下のとおりです。
・つくり過ぎのムダ
・手待ちのムダ
・運搬のムダ
・加工のムダ
・在庫のムダ
・動作のムダ
・不良・手直しのムダ
これら7つのムダは独立して存在しているのではなく、「つくり過ぎのムダ」の発生によって「在庫のムダ」が生じるなど、相互に関連しています。



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