ビジネス現場で使われる「マイルストーン」の意味とは？混同されやすい言葉も一緒にわかりやすく解説！

マイルストーンとは、「プロジェクトを完遂するための中間目標地点」や「各工程の区切り」などを意味し、プロジェクト管理やシステム開発などの現場で欠かせない概念です。

近年、さまざまなビジネス用語が使用されるようになり、意味をしっかり理解せず使ってしまっているケースが多くあります。
特に、マイルストーンは他の用語と意味や使い方を混同しやすい言葉です。

本記事では、マイルストーンの意味や重要性、混同しやすい言葉の意味などについてわかりやすく解説します。
参考にしてみてください。

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マイルストーン（milestone）の意味とは

マイルストーン（milestone）とは、マイル（mile＝距離）ストーン（stone＝石）という英語を語源とした言葉です。
もともとは、ローマ帝国が主要な街道に1ローマ・マイル（1000歩）ごとに標識として石を設置したことが始まりといわれています。

やがてその石が、鉄道や道路において起点から中間地点の距離を表すための標石（一里塚・里程標のようなもの）として使われるようになり、「物事の過程で起こる画期的な出来事」を意味するようになりました。

ビジネス用語としてマイルストーンとは

ビジネス用語として「マイルストーン（milestone）」が使用される場合、「プロジェクトを完遂するための中間目標地点」や「各工程の区切り」などを意味します。

大規模なプロジェクトやシステム開発の場合、スタートからゴールまでの期間が長く、場合によっては年単位で時間を要する場合があります。
ゴールだけを目指して進行していると、途中で計画通りに進まなかったり、トラブルが起きたりということがあり得ます。

そこで、重要な節目（企画書や要件定義、試作品の完成、テスト、リリースなど）にマイルストーンを設置します。
マイルストーンごとに進捗や結果を確認することで、たとえトラブルや遅延があっても次の工程で挽回できるのです。

マイルストーンと混同しやすい言葉

長期のプロジェクトの進捗管理に欠かせないマイルストーンですが、他にも同様の場面で使われるビジネス用語があります。
意味を取り違えてしまうと誤解を招く恐れがあるため、注意が必要です。

マイルストーンと混同されがちな言葉は、以下の8つです。

• スケジュール
• タスク
• フェーズ
• ガントチャート
• ロードマップ
• クリティカル・パス
• メルクマール
• ベンチマーク

詳しい意味やマイルストーンとの違いについて解説します。

スケジュール

スケジュールとは、業務やプロジェクトにおける「全体の期間や計画」のことを指します。
これに対してマイルストーンは、「作業やタスクの区切り」の意味を持ちます。

プロジェクトを開始する際は、スタートからゴールまでの工程を示したスケジュール表を作成してスケジュール管理するのが一般的です。
このスケジュール表をもとにプロジェクトを進行しますが、長期に及ぶプロジェクトの場合、計画との乖離が起きると、ゴールまでにその乖離が大きくなり、取り返しがつかない事態に陥ることがあります。

これを回避するために設定するのが、マイルストーンです。
マイルストーンは、スケジュール全体の中間地点を意味します。
マイルストーンを設定することで、各工程にどのくらいのリソースが必要なのかが明確になり、スケジュールの立案や管理がしやすくなります。

タスク

タスクとマイルストーンも混同されやすい言葉の一つです。
タスクとは、仕事を小さな単位に細分化した一つひとつの作業のことです。

プロジェクトは、複数のタスクの積み重ねで構成されています。
これに対してマイルストーンは、複数のタスクを積み上げて到達する目標地点のことです。
いつまでにどのタスクを完了させるべきかを明らかにし、タスクの進捗管理をしやすくするのがマイルストーンの役割です。

フェーズ

フェーズとは、プロジェクトの過程にある段階のことを指す言葉です。
プロジェクトには、立案、計画、実行、監視・コントロール、終結、などのフェーズ（段階）があります。
マイルストーンと違い、中間目標のような意味はフェーズにはありません。

マイルストーンとフェーズが混同されやすいのは、フェーズごとにマイルストーンのような中間目標があると考えてしまう人が多いからです。
たしかに、フェーズが移行する節目にマイルストーンを設定する場合もありますが、マイルストーンは中間発表やテスト、リリースなどの重要なイベント・通過点に設定するものです。
必ずしもフェーズの節目に設定するわけではありません。

ガントチャート

ガントチャートとは、縦軸にタスクの作業内容や担当者、開始日・終了日などを置き、横軸に期間（日付）をとったグラフのことです。
進捗状況など、プロジェクト達成までの工程を視覚的に認識できるため、プロジェクトの進捗管理に欠かせない手法といえます。

ガントチャートとマイルストーンが混同されやすい理由は、ガントチャートにマイルストーンを用いることが多いからでしょう。
ガントチャート上にマイルストーンを置くことで、「いつまでに通過すべきか」という期日が可視化され、チーム全体で明確に認識できます。
つまり、マイルストーンはガントチャートで示したスケジュールを確実に実行するための「手段」ととらえられます。

ロードマップ

ロードマップ（roadmap）は、目標までの道のりや道筋をまとめたものです。
プロジェクトの方向性を定めるもので、プロジェクトを成功に導くための工程表として、多くの企業が導入しています。
スタートからゴールまでのスケジュールや段階を俯瞰して見ることができるため、長期のプロジェクトの場合でも全体像を把握できます。

一方で、マイルストーンは節目となる通過点に置かれる標石（目印）です。
つまり、マイルストーンは特定の時点を示すのに対し、ロードマップは点と点を結んだ全体の道筋のことを指します。
ロードマップ上に、マイルストーンを設置することもあります。

クリティカル・パス

クリティカル・パスとは、全工程を最短時間で完了するための重要な作業経路のことです。
これに対してマイルストーンは、その作業経路上の中間地点を示します。

プロジェクトで目標達成するためには、タスクやプロセスの可視化が不可欠です。
「次のプロセスへ進みたいけれど、終わっていないタスクがあって進めない」というケースが発生すると、進捗に遅れが生じてしまうことがあります。

そのようなときに役立つのが、クリティカル・パスです。
プロジェクトの完遂に必須の作業経路を理解することで、タスクの優先順位が明確になります。

そして、クリティカル・パス上にマイルストーンを複数設置し、「納期に間に合うかどうか」「予定通りに進んでいるかどうか」を確認することが、目標達成のために重要です。

メルクマール（merkmal）

マイルストーン（milestone）とメルクマール（merkmal）は似た意味を持つ言葉で、しばしば混同されて使われることがあります。
メルクマールはドイツ語で、「目標達成までの道のり」「中間目標」「ゴール」の意味で使用されており、マイルストーンと同義に扱われることがあります。

マイルストーンが重要な通過点に設置されることに対し、メルクマールもまた、計画通りにプロジェクトが進んでいるか判断するためのポイントに設置されます。
一般的に、マイルストーンは、主に期日までに到達しているかどうかを確認するために使いますが、メルクマールは、その時点での目標を達成できているかを確認するものです。

しかし、マイルストーンごとに進捗などの確認・見直しをすることは有効な手段とされており、メルクマールとマイルストーンは、言葉の成り立ちは違えど、同じ意味で使われることも多い言葉です。

なお、メルクマールは法律や経済、医療の分野でもよく用いられますが、法律や経済の分野では、状況を判断するための基準として意味を持ちます。
医療分野では、主に治療効果に対する評価の指標として活用されています。

ベンチマーク

ベンチマークには「指標」や「基準」という意味があります。
もともとは測量の際に、高低差や建築物の高さを測る基準点をあらわす言葉でした。

ビジネスシーンでベンチマークの言葉が用いられる場合、主に品質的な基準点を意味します。
製品の品質を向上させていくためには、各段階で適切なベンチマークを設定し、評価するステップが必要です。

これに対してマイルストーンは、プロジェクトなどの一連の流れのなかに設定する基準点を意味します。

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ビジネスシーンにおけるマイルストーンの重要性

マイルストーンの設定は必須ではありません。
しかし、プロジェクト管理などにおいてマイルストーンを設定することは、多くのメリットをもたらします。

ビジネスシーンにおいてマイルストーンが重要な理由は、以下の4つです。

• 進捗管理が容易になる
• メンバーのモチベーションが維持しやすくなる
• リスク管理の強化につながる
• 品質の向上につながる

それぞれについて詳しく解説します。

進捗管理が容易になる

マイルストーンを設定して工程を区切ることで、プロジェクトの進捗状況をメンバー全員が把握しやすくなり、進捗管理が容易になります。

プロジェクトの規模が大きくなるほど、「誰がどのタスクをどこまで取り組むのか」が不明確になりやすく、進捗状況が把握しづらくなります。
マイルストーンを設定することで、「いつまでに何を完了させるべきか」が明確になり、到達状況も把握しやすくなるため、タスクの抜け漏れや遅延を防止できるのです。

マイルストーンが順調に消化されていることで、プロジェクトが計画通りに進んでいることを確認できます。

メンバーのモチベーションが維持しやすくなる

中間目標を設定することで目標が達成されるたびに達成感が得られ、メンバーの士気が向上しやすくなります。
中長期のプロジェクトはゴールまでの道のりが複雑で長いため、最後までモチベーションを維持し続けることが難しいケースがあります。

中間目標を定めることでメンバー全員が「いま何をすべきか」が明確になるため、最後まで目標を見失わずに進めるのです。
小さな目標達成を積み重ねていくことは、メンバーの充実感にもつながっていくでしょう。

リスク管理の強化につながる

マイルストーンの設定は、プロジェクトの遅延につながるリスクの早期発見に役立ちます。
マイルストーンに到達するごとに進捗確認が行われるため、潜在的な問題や遅延のリスクを迅速にキャッチし、対処できるようになるのです。

プロジェクトが計画通りに進捗しない場合、何らかの原因があるはずです。
「スケジュール自体に無理があった」「人的リソースの不足」「ステークホルダーとのコミュニケーション不足」など、さまざまな要因が考えられます。
プロジェクトをスケジュール通りに進めるためには、マイルストーンごとにそれらのリスクにこまめに対処していくことが重要です。

品質の向上につながる

マイルストーンは、プロジェクト品質の維持・向上にも役立ちます。
マイルストーンの設定は、単にゴールまでの道のりを区切るだけでなく、各工程の区切りで品質チェックを行う意味合いもあります。

こまめな品質チェックによって問題点を早期に発見し、必要に応じて軌道修正していけるでしょう。
各工程における品質水準を達成してから次のステップへと進むことで、最終的な成果物の品質が向上していきます。

マイルストーン（milestone）を管理するには？

マイルストーンを設定し、適切に管理していくことがプロジェクトの成功へとつながります。

マイルストーンを管理する具体的な方法は、以下の2つです。

• テンプレートを活用する
• ITツールを導入する

それぞれについて詳しく解説します。

テンプレートを活用する

マイルストーンの管理には、テンプレートの使用がおすすめです。

マイルストーンの設置ポイントを可視化し、誰が見ても明確にするためには、ロードマップやガントチャートなどの表上に設置するとよいでしょう。
マイルストーンの位置と進捗が見える化されることで、管理しやすくなります。

しかし、それらの表を一から作成するのは時間と手間がかかります。
マイルストーンを設置する箇所が決定しても、表を作るために時間を要してしまい、「肝心のプロジェクトのスタートが遅延する」ということにもなりかねません。

そこで、便利なテンプレートを活用すれば表を作る時間を短縮でき、業務を効率化できます。

ITツールを導入する

マイルストーンの管理には、ITツールの導入が便利です。
ITツールは情報の共有や、タスク・スケジュール管理に役立ちます。

プロジェクトは、予定通りに進まないケースも少なくありません。
マイルストーンを設定することで、各マイルストーンごとに進捗を見直すことが可能になります。

遅延などのトラブルが発生したときは、チームで協力して遅れを取り戻す必要があります。しかし、情報共有がうまくいかなければ、遅延の発生に気付くのが遅くなり、チームで協力してリカバリーしようとしてもうまく連携できません。

ITツールを活用することで、すみやかにチーム全体で情報を共有でき、遅延の早期発見に役立つでしょう。
ITツールの導入は、マイルストーンの効果を最大限に引き出すことにもつながるのです。

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Jootoでは、個人がタスクカードに必要事項を入力していくだけで、ガントチャートが自動で作成できます。
ガントチャートで進捗状況が可視化されるため、メンバーに確認しなくても誰がどのタスクに取りかかっているのか一目で把握可能です。

マイルストーンの書き方がわからないという人でも、マイルストーンのリストを作成するだけでガントチャートに反映・表示されるため、簡単にマイルストーンの管理ができます。
変更や修正が発生した場合も、タスクカードを修正すればすぐにガントチャートへ反映されるため、情報共有もスムーズです。

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各タスクの進捗状況を「完了」「未完了」「保留」「中止」の４つのステータスに分けられるようになりました。
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よくある質問

マイルストーンについてよくある質問をまとめました。