プロジェクトのタスクを管理する際に、「タスクが依存関係にある」という言葉を聞くことはありませんか?
タスクの依存関係を把握することは、プロジェクト計画立案の基礎と言っても過言ではありません。
この記事では、タスクの依存関係とは何なのかを、依存関係を理解するために知っておくべき用語や依存関係の代表的なパターン、タスク管理の仕方や注意点などを踏まえて解説していきます。
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目次
タスクの依存関係とは
タスク管理における依存関係とは、とあるタスクの進捗が別のタスクの進捗に依存していることを指します。
つまり、任意のタスクを特定の順序で進めなければタスクを終了することができない関係性のことです。
たとえば、企業のホームページをリニューアルするプロジェクトが始まったとします。
新たなホームページを全世界に公開することがプロジェクトの最終的なタスクですが、その前に会社のCEOなどによる承認が必要です。
このとき、「ホームページの公開」というタスクを実行することは「CEOの承認を得る」というタスクに依存しているといえるでしょう。
つまりプロジェクトをスムーズに進行・管理していくには、タスクの依存関係を把握し、タスク同士がどのように作用しあっているのかを考える必要があります。
プロジェクトマネジメントを担う方は、タスクの依存関係をしっかり把握してからプロジェクトの計画を立てましょう。
タスクの依存関係に関連する専門用語
タスクの依存関係を理解・把握する際によく使われる専門用語に、下記の4つがあります。
- 制約条件
- クリティカル・パス
- 作業シーケンス
- ブロッカー
これらを理解しておくことで、タスクの依存関係をより正確に把握できるようになるでしょう。
順番にご説明します。
制約条件
制約条件とは、プロジェクトの進行に伴い、厳守する必要がある条件のことです。
一般的には下記の3つがあります。
- コスト:プロジェクトを完了させるためにかかるお金
- 時間:プロジェクトを完了させるためにかかる時間
- スコープ:プロジェクトを完了させるために割ける人的リソース
これらの制約条件によっては、タスクの依存関係が変化したり逆転したりする場合があります。
プロジェクトの開始前に、プロジェクトやタスクの制約条件をしっかり確認しておきましょう。
クリティカル・パス
クリティカル・パス(Crithical Path:和訳すると「重大な経路」)とは、プロジェクトの全工程を最短時間で完了させるために重要な作業経路のことを指します。
具体的には、プロジェクトの一連の工程を結んだとき、最も時間のかかる経路です。
プロジェクト完遂のために最も時間を割かなければならないクリティカル・パスの遅延は、プロジェクト全体の遅延に直結します。
そのため、早い段階でクリティカル・パスを把握し、遅延対策を練るとよいでしょう。
作業シーケンス
作業シーケンスとは、タスク間の依存関係を表したタスクリストのことです。
シーケンス(和訳すると「順序」)という言葉が示す通り、タスク同士が独立しているのか、それとも並行して行えるタスクなのかがわかるので、クリティカル・パスの決定に活用できます。
作業シーケンスを有効活用し、無理のないプロジェクト進行のスケジュールを組みましょう。
ブロッカー
ブロッカーとは、プロジェクトの完了を妨げる障害を指します。
ブロッカーにはチームメンバーの突然の離脱などの内的問題だけではなく、発注先の業者の進行が遅れているなどの外的問題も含まれます。
事前にブロッカーをすべて想定して対策を練ることは現実的に難しいでしょう。
ブロッカーによる突然の事態にも対応できるバッファの期間などをあらかじめ設けておき、柔軟に対応できる体制を整えておくなどして対策しましょう。
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プロジェクトにおける依存関係の種類
依存関係は、複数タスクで構成されているプロジェクト全体にも通ずる概念です。
プロジェクト間の依存関係を理解しておくと、タスクもより把握しやすくなります。
プロジェクト管理における依存関係の種類には、代表的なものが4つあります。
- 論理的依存関係
- リソース的依存関係
- チーム間依存関係
- 優先的依存関係
- 外部的依存関係
順番に紹介します。
論理的依存関係
「論理的依存関係」は、しばしば「因果関係のある依存関係」とも呼ばれます。
プロジェクトを完了させるために必要な部分を指し、最も一般的な依存関係の種類です。
たとえば、プロジェクトAを進行するにあたり「上司に進行開始の承認を得る」というステップを踏む必要があります。
上司の承認を得ることはプロジェクトAの開始、ないしは完了に必要な事項であり、論理的依存関係にあると言えるでしょう。
リソース的依存関係
「リソース的依存関係」とは、プロジェクト進行に必要なリソース(主にヒト・モノ・カネ)が限られている状況を指します。
たとえばプロジェクトAの進捗がプロジェクトBにかかる費用の余剰分で執行しなければならない場合、プロジェクトAの進捗はプロジェクトBの進捗に依存していると言えるでしょう。
チーム間依存関係
「チーム間依存関係」とは、プロジェクトを進行していくチーム同士が依存関係にある状態を指します。
プロジェクトは大きくなるにつれて、作業がチームごとに振り分けられていくのが一般的です。
たとえば、ゲームの制作会社などではプランニング、シナリオ、キャラクターや世界観のコンテンツデザイン、ユーザーインターフェース、品質チェックなど、さまざまなチームが集まってゲーム開発プロジェクトに取り組みます。
そんなとき、シナリオチームの成果物(=ゲームシナリオ)が完成した時点でキャラクターや世界観のデザインチームが動き出せる、というような状況があります。
このような場合、チーム間で依存関係があると言えるでしょう。
優先的依存関係
「裁量的依存関係」とも言い換えられるこの関係は、プロジェクト完了のために必ずしも必要でない部分のことを指します。
先述した論理的依存関係とは対極にある関係性と言えるでしょう。
たとえば製造業において、完成品を納品した後、余分な完成品を見本品として発注会社に渡すとします。
この見本品を渡すというステップは完成品の出来上がりを双方で確認するためなどの意味がありますが、「発注されたものを納品する」というプロジェクトを完了させるにあたり必ずしも必要であるとは言えません。
外部的依存関係
外部的依存関係とは、プロジェクトマネージャーやチームメンバーがコントロールできない外部要因にタスクが依存する関係です。
プロジェクト同士の依存関係とは基本的にチームがコントロールできる内部的依存関係が主流ですが、まれに外部的依存関係も発生します。
たとえば交通渋滞のために材料の輸送に遅延が発生してしまい、製造の開始が遅れるなどの場合があります。
このとき、交通渋滞という外部要因に、製造を開始するというタスクが依存しているといえるでしょう。
このように、プロジェクトがどのように関係しているのかを把握しておくことでプロジェクト管理がよりスムーズになります。
次項から、いよいよタスクの依存関係について解説します。
タスクにおける依存関係のパターン
前項ではプロジェクト管理における依存関係をご紹介しました。
本項では、プロジェクト計画の構成要素であるタスクの依存関係のパターンについてご説明します。
プロジェクト計画におけるタスクの依存関係には4つのパターンがあります。
- 完了→開始(FtS:Finish to Start)
- 完了→完了(FtF:Finish to Finish)
- 開始→開始(StS:Start to Start)
- 開始→完了(StF:Start to Finish)
順番にご紹介します。
1. 完了→開始(FtS:Finish to Start)
先行タスクが完了すると、後続タスクが開始できる関係性です。
ウォーターフォール型のプロジェクト管理でよく見られる種類で、最も一般的なタスクの依存関係と言えるでしょう。
先行タスクに後続タスクのスケジュールが握られている状態なので、先行タスクの遅延を防ぐことが重要です。
2. 完了→完了(FtF:Finish to Finish)
先行タスクが完了すると、後続タスクも完了できる関係性です。
メインとなるタスク(親タスク)と、それに紐づくサブタスク(子タスク)の関係が良い例です。
サブタスクが完了しないとメインタスクも完了できません。
まれに、メインタスクが完了する前にサブタスクを完了させなければならないという場合もあります。
たとえば、製品をリリースするというメインタスクを完了させる前に、製品の最終チェックというサブタスクを完了させなければならないといった状況です。
3. 開始→開始(StS:Start to Start)
先行タスクを開始すると、後続タスクを開始できる関係性です。
たとえば製造業の場合、材料が納入され始めたら製造を開始できますよね。
複数のタスクが並列で進行していくため、各タスクの担当者間できちんと進捗状況を共有することが大切です。
4. 開始→完了(StF:Start to Finish)
先行タスクを開始すると、後続タスクが完了できる関係性です。
これはオーバーラップが必要な状況で重要です。
たとえば仕事の引き継ぎなどで後任者がタスクを始めると、前任者がタスクを終えられるといった例です。
このように、タスクの依存関係には種類があります。
タスクの依存関係がどの種類に当てはまるのかを見極めてから着手する順番を決定することが大切です。
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依存関係にあるタスクの管理方法
前項では、依存関係の概要についてご説明しました。
本項では、実際に依存関係にあるタスクをどう管理していくべきかを下記の4つのステップでご紹介します。
- タスクをすべて洗い出す
- タスクの依存関係を把握する
- プロジェクト進行の潜在リスクを明確にする
- 密なコミュニケーションで調整する
1. タスクをすべて洗い出す
まずはプロジェクト進行の中で発生しうるタスクをすべて洗い出しましょう。
このときの注意点は、決してプロジェクトマネージャーなどの管理者が1人でタスクを洗い出すのではなく、チームメンバーを含めた複数人のメンバーで一緒に作業をおこなうことです。
1人で洗い出すとどうしても視点が固定されてしまい、見落としが多くなりがちです。
タスク管理ツールなどを活用しながら丁寧に作業しましょう。
2. タスクの依存関係を把握・構築する
タスクをすべて洗い出せたら、プロジェクトの最初から最後まで、どのタスクをどのような順序で完了させる必要があるかを明確にしてスケジューリングします。
アナログ手法であれば、書き出したタスクを線や矢印で結びつけるなどの手法があります。
しかし、近年はガントチャートやかんばんボードなどの可視化ツールを使用するのが主流です。
どのような流れでプロジェクトを遂行していくのか、どのタスクが依存関係にあるのかを把握し、チームメンバーにタスクを割り当てることが大切になります。
また、そのタスクを完了させるためにどれくらいの期間が必要か、期限はいつかも含めて示すようにしてください。
タスク完了までにかかる期間が明確になることでクリティカル・パスを把握することができます。
どうしてもクライアントの希望に沿わない無理なスケジュールになる場合は、完了期日の延期も含めて検討する必要があるでしょう。
3. プロジェクト進行の潜在リスクを明確にする
プロジェクト進行中に起こりうる潜在リスクをなるべく多く洗い出しましょう。
ブロッカーになりうる要素は何があるか、プロジェクトチーム全体でブレインストーミングやディスカッションをおこない、下記のような項目について話し合うことをオススメします。
- チームメンバー同士で仕事量の偏りがないか
- キャパシティー以上にタスクや作業が重なるボトルネックポイントはないか
- デベロッパーなど、外部の協力会社が担当するタスクはあるか
- スケジュールの遅延が発生したときに対応できるバッファはあるか
潜在リスクの中には突発的なものもあり、プロジェクト開始前にすべて洗い出すことは現実的には難しいでしょう。
しかし、依存関係やそこに潜むリスクを明確にし整理しておくことで、スケジュール通りにタスクが終えられているかを確認することが可能です。
4. 密なコミュニケーションで調整する
プロジェクトをスムーズに進めるには、チーム内での密なコミュニケーションが欠かせません。
プロジェクトマネージャーに限らず、チームメンバーはタスクの遅延を把握したら即座にチーム全体にフィードバックし、状況を報告するようにしましょう。
それに合わせ、プロジェクトマネージャーの指示に従い、各自がスケジュール調整・更新することが重要です。
タスクの依存関係を把握するときの注意点
タスクの依存関係を把握・管理するにあたり、注意すべき点もあります。
本項では、タスク管理する際に陥りがちな注意点をまとめました。
1. タスク漏れ
タスク漏れは、WBSやガントチャートなどのプロジェクト計画表を作成する際に致命的なミスにつながります。
後日タスク漏れに気付いて担当者に催促したとしても修正ができず、取り返しがつかない場合も多いです。
タスクの洗い出しには時間と手間をかけるように心がけてください。
2. 依存関係の配置ミス
すべてのタスクを洗い出したとしても、依存関係の順序を間違うと無駄な待ち時間が発生したり、無理なスケジュール進行になったりしてしまいます。
ご紹介した依存関係のパターンにあてはめながら、正確な順序でタスクを配置していきましょう。
3. クリティカル・パスの誤認
正確な順序でタスクを配置した際に、クリティカル・パスを正しく把握する必要があります。
クリティカル・パスはプロジェクト計画の中でも最も重要な経路なので、この経路に問題が発生するとプロジェクトの下流工程に影響が出ることは、先項でもお話ししたとおりです。
クリティカル・パスを見誤ることのないよう、タスクの依存関係を意識しながら正確に結びつけられるようになりましょう。
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・未着手/進行中/完了などのタスクのステータスを一目で把握可能
タスク内にコメントや添付ファイルが追加できるので、プロジェクト遅延に直結しうるコミュニケーション齟齬を防ぐことができる。
・ガントチャートとして表示機能搭載。視覚的にタスクの依存関係を把握・かんたんに変更可能
日付だけでなく分単位で開始・締切日時を設定でき、直感的にタスクを操作・移動してスケジュール調整可能。
・通知設定も自由にカスタマイズでき、プロジェクトの進捗をリアルタイムで把握可能
・パソコンだけではなくモバイルアプリも用意されているので、アクセシビリティも抜群
セキュリティもIP制限に対応。
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