プロジェクトマネジメントとは、主にシステム開発などのプロジェクトを成功へ導くために予算や人材、スケジュールなどを管理することをいいます。
プロジェクトの責任者としてこれらの要素を管理・サポートするのがプロジェクトマネージャ(PM)で、ITエンジニアとして活躍している人が次のステップとして目指すことが多い職種です。
プロジェクトマネージャになるにあたって特別な資格は必要ありませんが、資格を取得することによって自分自身のスキルをアピールしやすくなるなど、さまざまなメリットがあります。
当記事では、プロジェクトマネジメントに役立つ資格試験や取得のメリット、注意点などを解説します。
プロジェクトマネジメントのポイントも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
プロジェクトマネジメントとは
プロジェクトとは、特定の目的や新しいビジネスなどを成功へ導くためにおこなう一連の取り組みのことです。
プロジェクトを成功させるために人材や予算、スケジュール、成果物の品質を管理し、期限内に成果をあげられるようにコントロールすることをプロジェクトマネジメントといいます。
プロジェクトマネジメントは、限られた資源を有効活用し、効率的にプロジェクトを進行するために重要な役割を果たします。
プロジェクトマネジメントに必要なスキルは多岐にわたることが特徴です。
実務経験や専門知識が求められることはもちろん、コミュニケーション力やリーダーシップ、交渉力、調整力などが必要です。
プロジェクトマネジメントに関わる資格試験
プロジェクトマネジメントのスキルを証明できる資格として、以下の4つを紹介します。
- プロジェクトマネージャ試験(PM)
- P2M試験
- PMOスペシャリスト認定資格
- PMP
主要な項目を一覧にして解説します。
プロジェクトマネジメントに関わる資格試験1
プロジェクトマネージャ試験(PM)
プロジェクトマネージャ試験(PM)は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催し、経済産業省が認定する情報処理技術者試験(国家試験)の一つです。
システム化構想に基づいてプロジェクト計画を作成する能力や、システム開発におけるプロジェクトマネジメント全般のスキル・知識が問われます。
特に、120分の論述問題はプロジェクトマネジメントに関する幅広い経験が問われ、難易度が高いことが特徴です。
なお、プロジェクトマネージャ試験(PM)の前段階としては、基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の受験がおすすめです。
名称 |
プロジェクトマネージャ試験(PM) |
---|---|
出題形式 | 多肢選択式、記述式、論述式 |
区分 |
国家資格 |
難易度 | 2023年秋期の合格率は、13.5%でした。 合格率は12〜15%前後で推移しており、難易度の高い試験です。 記述式や論述式問題ではプロジェクトマネジメントに関する深い思考力が求められます。 |
受験料 (税込) |
7,500 円 |
勉強時間 の目安 |
200時間以上 |
プロジェクトマネジメントに関わる資格試験2
P2M試験
P2M試験は、特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が主催する民間資格です。
「P2M」とは、プログラムマネジメントおよびプロジェクトマネジメントを意味する略語です。
プログラムマネジメントとは、複数のプロジェクトを管理することを意味し、プログラムマネジメントはプロジェクトマネジメントの上位概念と捉えられます。
P2M資格は以下の5種類に分類され、それぞれ受験資格に違いがあります。
- PMC資格試験(プロジェクトマネジメント・コーディネータ)
- PMSプログラム試験(プロジェクトマネジメント・スペシャリスト)
- PMS資格試験(プロジェクトマネジメント・スペシャリスト)
- PMR資格試験(プログラムマネジャー・レジスタード)
- PMA資格試験(プログラムマネジメント・アーキテクト)※現時点で未実施
名称 |
P2M試験 |
---|---|
出題形式 |
PMC資格試験:四肢択一式 PMSプログラム試験:四肢択一式 PMS資格試験 :四肢択一式 PMR資格試験:論文、面接、ワークショップ |
区分 | 民間資格 |
難易度 |
各試験の合格率は、以下の通りです。 PMC資格試験:63.4%(2023年度) PMSプログラム試験:53.6%(2024年2月) PMS資格試験 :58.6%(2024年2月) PMR資格試験:66.7%(2022年度) 試験によって合格率は違いますが、おおよそ50〜70%の合格率で推移しており、しっかり対策して臨めば十分に合格できる資格試験です。 |
受験料 (税込) |
PMC資格試験:17,050円 PMSプログラム試験:22,550円 PMS資格試験 :39,270円 PMR資格試験:220,000円 |
勉強時間の目安 |
15時間~45時間程度(試験によって異なる) |
参考:特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)HP
プロジェクトマネジメントに関わる資格試験3
PMOスペシャリスト認定資格
PMOスペシャリスト認定資格は、一般社団法人日本PMO協会(NPMO)が主催する民間資格です。
PMOとは、日本語で「プロジェクトマネジメントオフィス」または「プログラムマネジメントオフィス」と呼ばれ、組織内の複数のプロジェクトを横断して支援する事務局や組織のことを指します。
PMOスペシャリスト認定資格は、PMOに必要なスキルおよび専門性を認定するための資格試験です。
ランクアップ制度により、★1~★3にわかれています(★3については現在策定中)。
なお、受験資格としてNPMO認定教材で学習を修了させる必要があり、受験資格を得るためにeラーニングを受講すると、別途費用が発生します。
名称 |
PMOスペシャリスト認定資格 |
---|---|
出題形式 |
PMOスペシャリスト(★):択一式 PMOスペシャリスト(★★):記述式 |
区分 |
民間資格 |
難易度 | 合格率は、★1 は非公開、★2 は44%です。 実践的なスキルが問われるため、しっかり準備して臨む必要があります。 |
受験料(税込) | 一般:14,300円 NPMO会員:9,900円 |
勉強時間の目安 | 25時間程度 |
プロジェクトマネジメントに関わる資格試験4
PMP
PMPは、プロジェクトマネジメントの世界標準「PMBOK」に基づく国際資格で、米国のPMIが認定する資格です。
PMBOKとは、プロジェクトマネジメントに求められる知識を体系的にまとめた参考書のようなものです。
受験資格は厳しく、高等学校卒業者は5年以上、四年制大学卒業者は3年以上、かつ申請時から8年以内のプロジェクトマネジメントの実務経験が必要です。
PMPの取得により、プロジェクトマネジメントに関する幅広い知識と理解を有していることを証明できます。
名称 |
PMP |
---|---|
出題形式 | 四肢択一式 |
区分 | 国際資格 |
難易度 | 合格率は非公開ですが、60%程度とみられています。 出題範囲が広いため、計画的な勉強が求められます。 |
受験料 | 一般受験者:555ドル PMI会員:405ドル |
勉強時間の目安 | 100時間~200時間程度 |
参考:PMI日本支部HP
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プロジェクトマネジメントに役立つ資格試験
キャリアアップを目指す人が注目したい資格として、以下の3つを紹介します。
- ITストラテジスト試験
- 基本情報技術者試験
- ITコーディネータ試験
主要な項目を一覧にして解説します。
プロジェクトマネジメントに役立つ資格試験1
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催し、経済産業省が認定する情報処理技術者試験(国家試験)の一つです。
IT分野の幅広い知識と、経営戦略に基づいたIT戦略の策定や、最新のビジネス動向の分析結果を踏まえた実践的なスキルが要求されます。
対象者は、高度IT人材として活躍している人です。
ITストラテジスト試験に合格することにより、IT技術を経営改革やビジネスに活かせるスキルを有していることを証明できます。
名称 |
ITストラテジスト試験 |
---|---|
出題形式 | 多肢選択式、記述式、論述式 |
区分 | 国家資格 |
難易度 | 2023年度春期の合格率は、15.5%でした。 合格率は例年14〜15%前後で推移しており、簡単には合格できない試験です。 |
受験料(税込) | 7,500 円 |
勉強時間の目安 | 200時間程度 |
プロジェクトマネジメントに役立つ資格試験2
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催し、経済産業省が認定する情報処理技術者試験(国家試験)の一つで、ITエンジニアの登竜門といえる試験です。
次のステップとしては、応用情報技術者試験があります。
名称 |
基本情報技術者試験 |
---|---|
出題形式 | 四肢択一式、多肢選択式 |
区分 | 国家資格 |
難易度 | 2024年4月に実施された試験の合格率は、40.7%でした。 従来は20〜30%の合格率でしたが、2020年に試験方式がCBT方式に変更されて以降、合格率が高い傾向にあります。 |
受験料 (税込) |
7,500 円 |
勉強時間の目安 | 200時間程度 |
プロジェクトマネジメントに役立つ資格試験3
ITコーディネータ試験
ITコーディネータ試験は経済産業省の推進資格であり、特定非営利活動法人ITコーディネータ協会が運営する資格試験です。
ITサービスを企業の経営に活かすために必要な能力が問われます。
名称 |
ITコーディネータ試験 |
---|---|
出題形式 | 多肢選択式 |
区分 | 民間資格 |
難易度 | 2022年(第44回)の受験者数に対する合格率は、65.7%でした。 合格率は高めの傾向が続いており、対策すれば十分合格可能な試験でしょう。 |
受験料(税込) | 19,800円 |
勉強時間の目安 | 50時間以上 |
プロジェクトマネジメントに関する資格取得のメリット
プロジェクトマネジメントに関する資格取得のメリットは、以下の3つです。
- スキルを客観的に証明できる
- 体系的なスキルが身につく
- 年収アップやキャリアアップが期待できる
それぞれの詳細を解説します。
スキルを客観的に証明できる
プロジェクトマネジメントの実務経験が豊富な人でも、スキル自体を客観的に証明するのは難しい側面があります。
自分ではプロジェクトマネージャとしてのスキルが十分だと考えていても、相手が求めるレベルと乖離があるかもしれません。
資格取得は、試験に合格できるレベルの知識やスキルがあることの証明になります。
体系的なスキルが身につく
プロジェクトマネジメントに求められるスキルは幅広く、一般的には以下のようなスキルが必要です。
- システム開発の専門知識
- コミュニケーションスキル
- ディレクションスキル
- マネジメントスキル
- 論理的思考力や問題解決力
資格取得の勉強を通じて、上記のスキルを偏りなく身につけられます。
年収アップやキャリアアップが期待できる
資格の取得によって社内で資格手当が支給されたり、昇進につながったりと、年収アップが実現する可能性があります。
資格取得は社内の評価だけでなく社外における評価も高められるため、別の企業に転職を希望する場合も有利に働くでしょう。
資格取得にあたっての注意点
資格取得にはさまざまなメリットがあることを解説しましたが、注意点もあります。
- 実務に直結するとは限らない
- 独学では合格が難しい場合がある
それぞれの詳細を解説します。
実務に直結するとは限らない
資格取得を通して体系的な知識を身につけられますが、それが実務に直結するとは限りません。
特に、知識問題が中心の試験の場合は、別に実践的な経験を積む必要があるでしょう。
資格を実務に活かせるかどうかは、人によって差があることを理解しておく必要があります。
独学では合格が難しい場合がある
資格によっては、独学での勉強が困難な場合もあります。
特に、合格率の低いプロジェクトマネージャ試験やITストラテジスト試験に独学で挑戦する場合は充分な時間の確保が必要です。
必要に応じて通信講座やeラーニングの受講、スクールの活用をおすすめします。
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プロジェクトマネジメントのポイント
プロジェクトを主導するプロジェクトマネージャに求められる役割は多岐にわたります。
プロジェクトマネジメントのポイントは、以下の4つです。
- 目的を明確にする
- チーム内のコミュニケーションを大切にする
- リーダーシップを発揮する
- 管理ツールを導入する
それぞれについて詳しく解説します。
目的を明確にする
プロジェクトを通して何を実現したいのか、最終的なゴールを明確にする必要があります。目的が明確化されることにより、プロジェクトの方向性も明らかになるでしょう。
目的を明確にしたうえで必要な人材や資材、予算などを分配することで、効率的なマネジメントが実現します。
チーム内のコミュニケーションを大切にする
プロジェクトを成功へ導くためには、チームのメンバーの協力が欠かせません。
一般的にプロジェクトチームは、さまざまなキャリアやスキルをもった人で構成されます。
そのため、相互理解を深めるために積極的にコミュニケーションをとり、プロジェクトの進捗状況や課題、目標などを適宜共有する必要があります。
リーダーシップを発揮する
チームを統括するプロジェクトマネージャには、リーダーシップの発揮が求められます。
プロジェクトの進行過程では、想定外の出来事が発生したり、トラブル対応に追われたりすることもあります。
プロジェクトマネージャがリーダーシップを発揮して、チームのモチベーションが低下しないよう行動することが大切です。
管理ツールを導入する
一つのプロジェクトを遂行するには多くのステップがあり、規模が大きくなるほどかかわる人の数も多くなります。
プロジェクトマネージャが本来業務であるマネジメントに集中できるようにするためには、管理ツールの導入がおすすめです。
管理ツールを導入すれば、タスクの進捗状況やプロジェクト全体の進捗の把握が容易になり、プロジェクトマネジメントを効率化できます。
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