業務改善をおこなううえで、業務棚卸は欠かせないものです。
働き方改革の推進などの影響もあり、業務内容を見直し、無駄を削減して業務効率化を実現させることは多くの企業にとって重要な課題の一つとなっています。
この記事では、業務棚卸の背景やメリット、進め方について詳しく紹介しますので、業務改善を進める際の参考にしてください。
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目次
業務棚卸とは
業務棚卸とは、社内の業務を洗い出し、整理して見える化する手法で、主に業務改善のためにおこなわれます。
業務棚卸によって全ての業務内容を可視化することで、改善に繋がるためにどのように取り組むのか検討することができます。
棚卸をおこなう際は、企業全体や部門・部署ごとや、従業員一人ひとりなど、さまざまな粒度でおこないます。
業務内容だけではなく、作業にかかる時間やコストなどもまとめて一覧表にすることで、現状を把握でき、発生しているムリ・ムダ・ムラを見つけて改善していくことができます。
業務棚卸の背景と必要性
なぜ近年、業務棚卸が注目されているのでしょうか。
その背景と、業務棚卸の必要性について解説します。
働き方改革の推進
2019年に施行された働き方改革の推進や、働き方関連法の施行の影響もあり、業務効率化や労働生産性の向上が企業にとって大きな課題となっています。
働き方改革では、長時間労働の是正や、年次有給休暇取得の義務化が定められており、全体的な労働時間が減少することから、業務効率化が求められます。
また、少子高齢化で労働人口が減少するなか、無駄な作業を割り出し削減し労働時間を減らすことは、経営していくうえで必須といえます。
そのための改善活動の第一歩として、業務棚卸によって業務内容や作業時間などを見える化することが求められているのです。
生活様式の変化
感染症の拡大防止などの影響もあり、ICTを活用し、場所や時間を有効に活用できる柔軟な働き方であるテレワークが、新たな生活様式として広く普及しました。
テレワークは、感染症の拡大以外にも、仕事と育児・介護との両立などに役立つほか、従業員のワークライフバランスの実現にも有効な働き方です。
しかし、オフィスではない場所で働くことから、従業員の業務内容を詳しく把握しておかないと、思わぬトラブルを招いたり、生産性が低下してしまったりといったリスクがあります。
業務棚卸をおこなうことで、各業務の関連性や、作業時間などを把握でき、従業員の状況に合わせた管理が実現できます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)化の推進
ビジネスにIT技術を活用するDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進も、多くの企業が抱える課題の一つです。
DX化とは、業務のペーパーレス化やICTの活用、デジタル化を進めることを指します。
ビジネスチャットツールやRPA、AIなどを導入して業務効率化を図りたいと考えている企業も多いのではないでしょうか。
うまく進めることができれば、作業効率を高めることが期待できるほか、内部統制や属人化の防止に繋がります。
すべてをいきなりDX化することは難しいので、どの業務をデジタル化するのが一番効率的なのかを判断しなければいけませんが、判断材料として業務棚卸で洗い出した情報が役に立ちます。
業務棚卸のメリット
業務棚卸のメリットは以下のとおりです。
- 業務の属人化を防ぐことができる
- 業務の無駄を可視化できる
- 人員リソースを有効活用できる
- 従業員の作業時間を把握できる
詳しく見ていきましょう。
業務の属人化を防ぐことができる
業務の属人化は企業にとって早急に解決しなければいけない課題の一つです。
属人化が進み、特定の従業員にしかできない業務があると、その従業員の退職や休職によって業務が滞ってしまう可能性があります。
業務棚卸で業務の洗い出しをおこない整理することで、属人化が発生している業務を発見することができます。
そして、属人化してしまっている業務のマニュアル化を進めれば、業務の標準化を実現できます。
従業員によって作業量に偏りが出ることを防ぐことができ、RPAなどを用いて業務の自動化などを推進するときにも役立つでしょう。
業務の無駄を可視化できる
業務棚卸をおこない現状把握することで、重要度の低い作業に工数が費やされていたり、従業員ごとに作業量や作業時間に偏りがあったりといったムリ・ムダ・ムラを見える化することができます。
見える化によって明確になった課題について、業務フローの見直しや作業内容の変更・削減、外注業者へのアウトソーシングをおこなうなどの具体的な改善活動が可能になり、生産性の向上に繋がります。
人員リソースを有効活用できる
業務棚卸によって、社内の人員リソースを把握でき、有効活用できます。
業務によって足りない人材や、十分人材が足りている業務が明確になるため、人材配置の判断基準になります。
繁忙期・閑散期がわかっていれば、急な人員不足に対するリスクマネジメントにも役立ちます。
リソースの再配置を適切におこなえるため、効率化を測ることができます。
また、人材育成や採用にも活用することが可能です。
従業員の作業時間を把握できる
従業員一人ひとりの業務棚卸をおこなうことで、個人の業務量や作業時間を把握できます。
普段からプロジェクト管理をおこなっていれば、プロジェクト全体の工数については把握できますが、個人がどれほどのタスクを抱えていて、そこにどれだけの作業時間がかかっているのかは、なかなか見えないのが現状です。
棚卸によって個々が抱える業務と作業時間が見えてきます。
中にはプロジェクトに関わるもの以外の作業も含まれているかもしれません。
そういった個人が抱える作業と作業時間を割り出すことで、無駄な作業をなくしたり、長時間労働を是正したりといったことにつなげることができます。
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業務棚卸の進め方
以上のことから業務棚卸には多くのメリットがあることがわかりました。
では、どのような手順で棚卸をおこなえばよいのか解説します。
業務棚卸の進め方1
目的と範囲の決定
まずは、業務棚卸の目的を決定します。
自社の抱える課題を理解し、業務棚卸によって何を実現したいのか明確にします。
目的は「残業時間の削減」や「コスト削減」など具体的に設定しておくとよいでしょう。
目的を設定せずに業務棚卸を実行しても、思うような成果が得られないことが多いため、注意が必要です。
そして、目的に沿ってどの部分の棚卸をおこなうのかを決めましょう。
いきなり社内全体の大規模な棚卸をおこなうとなると、上手く進まず、十分な効果が得られないということもありえます。
まずは優先順位を決め、小さな範囲から始めていくとよいでしょう。
業務棚卸の進め方2
業務内容の調査と分析
目的や棚卸の範囲が決定したら、従業員へヒアリングをおこない、業務内容を把握します。
ヒアリングによって業務内容を書き出す際に、記載する業務の一覧表のフォーマットを作成しておきましょう。
一覧表には以下のような内容を記載します。
- 業務内容(分類、業務名など)
- 担当者
- 発生頻度
- 作業時間
- 難易度
項目ごとに記入することで、調査する人員によって内容が抜けることを防げます。
そして得られたデータを分析し、作業時間や重要度などを整理します。
フォーマットを作成する時点でExcelなどの表計算ソフトを用いておくと、その後の分析がしやすくなるので、おすすめです。
属人化している業務の割り出しや、一部の人に負荷が偏っていないか、重要度と緊急度についてなど、目的に合わせた分析をおこないましょう。
業務棚卸の進め方3
業務内容をリスト化する
調査・分析で得られたデータをリスト化します。
リスト化することで、議論の際もスムーズで、今後の対策を打ち出しやすくなります。
このとき、粒度のちがう業務が一緒に並ぶことがないように注意しましょう。
業務棚卸の進め方4
業務改善の実施
棚卸が完了したら、その後は得られたデータを元に業務改善を実行します。
始めに設定した目的を達成するために何をするべきなのか議論し、検討します。
いきなりたくさんの施策をおこなおうとすると、現場の混乱を招くため、目的に対して効果が高いと思われるものや、コストをかけなくてもすぐに始められることから始めるなど、優先順位を決定して実施していくとよいでしょう。
業務棚卸の進め方5
効果検証
業務棚卸は一度やれば終わりではありません。
改善のための取り組みが効果を上げているのかしっかりと検証し、PDCAサイクルを回していくことが大切です。
そのためには、定期的に棚卸を実施し、その都度、課題を発見し解決していきましょう。
業務棚卸のポイント
業務棚卸を成功させるためのポイントをまとめましたので、参考にしてください。
業務棚卸のポイント1
粒度を揃える
棚卸をおこない、リスト化したとき、粒度の違う業務を横並びにしてしまうと、本来の作業量を見誤ることにつながるため、注意が必要です。
はじめに、業務に対して大分類・中分類・小分類といったカテゴリを決めておくと、調査した人員によって判断が異なるということを防止できます。
業務棚卸のポイント2
フレームワークを活用する
業務棚卸や業務改善を実施する際、有効な手段といわれているのがフレームワークの活用です。
特によく用いられるフレームワークは下記のとおりです。
・ECRS(イクルス)
ECRS(イクルス)は、Eliminate(排除)・Combine(結合)・Rearrange(再配置)・Simplify(単純化)の頭文字を取った言葉で、業務改善をの検討・実施についての順序と視点を示したものです。
ECRS(イクルス)はシンプルでありながら、改善の効果が大きいといわれています。
・BPMN(ビジネスプロセスモデリング)
「Business Process Modeling Notation」の略称で、業務フローを見える化して、業務改善のポイントを明確にするためのフレームワークです。
フローチャートを用いて、複雑化した業務プロセスを図式化してわかりやすくするもので、国際標準で表記法が決められています。
組織全体での共通認識を作りやすくなり、業務改善がスムーズにおこなえるようになります。
業務棚卸のポイント3
コミュニケーションの課題に注目する
業務内容だけではなく、従業員同士のコミュニケーションに問題がないかを見逃さないようにしましょう。
意思疎通がうまくいっていないと、作業の重複・漏れ・抜けなどが発生します。
特に、多くの人が関わる業務や、別の部門と共同でおこなう業務などは、コミュニケーションに問題があると滞りが発生してしまいがちです。
逆に言えば、コミュニケーションを改善するだけで、業務をスムーズに進めることができる可能性があるということです。
特に決裁などに関しては無駄が発生していることも多いため、内部統制を図るためにも、コミュニケーションの課題については注目しておきましょう。
業務棚卸のポイント4
業務改善にはツールを活用する
棚卸によって、無駄や効率の悪い作業が見える化されたら、解決にむけて業務管理をおこなう必要があります。
そのためにはツールの活用が便利です。
ツールを使って、今誰が何をしているのかや、現在の進捗状況などを見える化することで、適切な業務管理をおこなうことができます。
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業務改善に役立つ「Jooto」を活用しよう
業務棚卸ができたら、次は業務改善に取り組む必要があります。
そのためには、徹底した業務管理をおこなわなければなりませんが、そこでオススメしたいのが「Jooto」です。
Jootoはシンプルで使いやすい、かんばん方式のタスク・プロジェクト管理ツールです。
基本操作はドラッグ&ドロップだけと、直感的に使えるシンプルなデザインが魅力で、誰でもすぐに使えるようになるため、教育コストがかかりません。
Jootoを活用することで、誰がどんなタスクを抱えていて、進捗状況はどうなっているのか一目でわかります。
ガントチャート機能も搭載されていて、タスクを入力するだけで、ガントチャートが自動的に作成されます。
これにより、進捗状況をリアルタイムで確認することも可能です。
また、タスクごとにコメントを残せるので、チャットとしても使うことができます。
そのタスクについてのみのやり取りが可能になり、ファイル添付によって情報共有も容易になることから、Jootoでコミュニケーションの課題を一気に解決することも可能です。
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