Excel(エクセル)を使ったガントチャートの作り方を具体的にご紹介します。
プロジェクトで目的を達成するためには、進捗状況などを視覚的に表現したグラフである、ガントチャートによる進捗状況の管理が欠かせません。
どのようにガントチャートを作成しようか、悩んでいる方のためにExcel(エクセル)によるガントチャートの作成方法を詳しくご説明いたします。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
ガントチャートとは
ガントチャート(Gantt Chart)とは、アメリカ人の機械工学者であり経営コンサルタントでもあったヘンリー・ガントによって考案された、縦軸に作業内容や担当者、開始日・終了日などを置き、横軸に期間(日付)をとって進捗状況などを視覚的に表現したバーチャート(棒グラフ)のことです。
プロジェクトを階層的に整理する手法であるWBS(作業分解構成図:Work Breakdown Structure)の一部として使われることが多く、作業工程や進捗を管理するのに役立ちます。
ガント氏は、管理者が進捗状況を即座に把握できることを目的として、ガントチャートを設計したといわれています
ガントチャートを使うとプロジェクトの全体像を可視化でき、進捗状況などを一目で把握しやすくなるため、効率よくタスク・プロジェクト管理を行えるようになります。
スケジュールに遅れが生じたときなどにもすぐに対応できることもあり、プロジェクトマネジメントには欠かせないものとなっています。
Excelのほか、Googleスプレッドシートもガントチャートの作成によく使用されます。
Excelでガントチャートを作成するメリット
Excelでガントチャートを作成する一番のメリットはやはり、Excelはビジネスで一般的に広く使われており、操作に慣れている人も多いということでしょう。
すでに、Microsoft officeを導入していてExcelのライセンスがある場合、新しいツールやアプリケーションを購入する必要がなく、無料で始めることができるので、気軽に試すことができます。
しかし、いざExcelでガントチャートを作成しようとしても何から手を付ければよいのか分からないという人も多いと思います。
Excelでガントチャートを作成する手順をご紹介いたします。
複雑なVBA・マクロなどは使用しない方法なので、手順通りにすれば、誰でもガントチャートを作成することができます。
また、別の方法として、ガントチャートを無料で簡単に作ることができるタスク・プロジェクト管理ツールJootoについても紹介しています。
Excelでのガントチャートの作成手順1
タスクの洗い出しと分類(親子関係の整理)
まず最初のステップとして、プロジェクトを完成させるために必要なタスク(工程)の洗い出しを行います。
手書きでも良いので全てのタスクを思いつくままに書き出してみると良いでしょう。
タスクの洗い出しをすることで、プロジェクト開始からゴールまでの、全体の工数が見えてきます。
洗い出したタスクはガントチャートの縦軸に使います。
まずは大まかにタスクを洗い出し、その後、各タスクをさらに細かく分けていきます。
このとき、できるかぎりタスクを細分化するようにしましょう。
タスクを最小の状態にまで細かくすることで、具体的に何をするべきなのかが明確になり、指示も出しやすくなります。
タスクにかかる所要時間なども把握しておくと、スケジュールを組むときに便利です。
大まかなタスクを「親タスク」、さらに分解したタスクが「子タスク」の関係になるようにします。
重複しているタスクや、無駄なタスクなども洗い出すことで見えてくるので、必要がないタスクは削除していきましょう。
Excelでのガントチャートの作成手順2
タスクの担当者を割り当てる
次に、各タスクの担当者を記入していきます。
なるべく特定の人にタスクが偏らないように注意してください。
なぜなら、タスクが誰かに集中すると、その担当者の負担が増えるだけでなく、もしその担当者が病気になってしまったり、他のプロジェクトに工数を取られたりした場合に、プロジェクト全体の進捗に与える影響が大きくなるからです。
Excelでのガントチャートの作成手順3
各タスクの開始日と終了日を設定する
続いて、各タスクの開始日と終了日(期日)を入力します。
タスクの優先度などからスケジュールを設定しましょう。
ここでは、開始日と終了日(期日)を直接入力し、「終了日=開始日+所要日数」のような計算式は入力しません。
このような計算式を入れると、土日や祝日も作業日数とする前提での終了日が算出されてしまうためです。
所要日数の計算については、後半で行います。
Excelでのガントチャートの作成手順4
依存関係を整理する
あるタスクが完了しないと、次のタスクが進められない関係性をタスクに依存関係があると言います。
各タスクの開始日を入力する際には、タスクの依存関係に気をつけてください。
例えば、Aというタスクが完了しなければ、着手できないBのタスクがあるかもしれません。
タスクの依存関係を誤ると、プロジェクトのスケジュール計画が破綻してしまうリスクもあります。
他のタスクに依存するタスクは、「先行タスクの終了日=後続タスクの開始日」のような計算式を入力してもよいでしょう。
Excelでのガントチャートの作成手順5
横軸に日付を入れる
次に、各タスクの横軸に日付を入力して表を作っていきます。
まずF1のセルにプロジェクト開始日の日付を入れます。
そして、日付を入力したセル(図:F1)を選択したまま、「ホーム」→「数値」→「その他の番号書式」を選択します。
画面にセルの書式設定のダイアログボックスが表示されたら、「ユーザー定義」を選択して、種類の欄に「m”月”」と入力してください。
「OK」を選択すると「例:6月」と表示されます。
次に、「6月」が表示されたすぐ下のセル(図:F2)を選択し、「=」を入力して「6月」のセルの場所(図:F1)を入力してください。
F2セルを選択したまま、同じように「数値」→「その他の番号書式」を選択します。
「ユーザー定義」を選択して、種類の欄に「d」と入力してください。
「OK」を選択すると「1」などの日が表示されます。
続いて、日が表示されたすぐ下のセル(図:F3)を選択し、「=」を入力して日のセルの場所(図:F2)を入力してください。
F3セルを選択したまま、同じように「数値」→「その他の番号書式」を選択します。「ユーザー定義」を選択して、種類の欄に「aaa」と入力してください。
「OK」を選択すると「火」などの曜日が表示されます。
次に他の日付や曜日も同様に入力していきます。
G2セルを選択して「=F2+1」と入力すると、次の日付が表示されます。
G3セルを選択して「=G2」を入力すると、次の曜日が表示されます。
「G2、G3」をまとめて選択した範囲の右下に表示される十字を右へドラッグすると、日付と曜日を一括で入力していくことが可能です。
次に、G1セルに
=IF(DAY(G2)=1,G2,””)
と入力してください。これは日付が1であれば、月を表示しそれ以外は何も表示しないという式になります。
上と同様にG1セルの右下に表示される十字を右へドラッグしましょう。次の月に移ると、自動的に翌月(例:7月)が表示されます。
ここまで設定できたら、E1セルにタスクの開始日を入力すると、自動的に「月」「日」「曜日」が反映されるようになります。
Excelでのガントチャートの作成手順6
土日祝日をグレーアウトする
次に、ガントチャートで土日祝日をグレーアウトするように設定していきましょう。
まず、祝日用のシートを別に用意します。Excelは土日を判別することはできても、祝日を判別できないためです。その際には、新規シートの名前を「祝日一覧」と入力してください。
E4セル以降において、グレーアウトしたい範囲を選択して条件付き書式を設定していきます。
「ホーム」→「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「その他のルール」を選択してください。
「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択し、数式の欄には
=OR(WEEKDAY(F$2)=1,WEEKDAY(F$2)=7,COUNTIF(祝日一覧!$A$2:$A$8,F$2))
を入力します。「$A$8」の部分は祝日のシートで入力しているセルに合わせてください。
これは土日祝日を対象とするという式です。
書式は「ユーザー設定の書式」に変更します。
そして、背景色をグレーに設定し、「OK」を選択します。
ここまで設定できれば、土日と任意の祝日を自動的にグレーアウトすることが可能です。
Excelでのガントチャートの作成手順7
開始日と終了日に基づいてガントチャートのバーを描く
次に、いよいよ開始日と終了日に基づいて、ガントチャートのバーを表示させていきます。
ここでは、開始日をD4列、終了日をE4列に入力しています。
そのうえで、まず以下の計算式をF4セルに入力します。
=IF(OR(WEEKDAY(F$2)=1,WEEKDAY(F$2)=7,COUNTIF(祝日一覧!$A$1:$A$8,F$2)),””,IF(AND(F$2>=$D4,F$2<=$E4),1,””))
土日祝日でなく、かつ開始日以降、終了日前であれば「1」を表示するという式になります。
入力後、E4セルの右に表示される十字を右下へドラッグして、タスクの期間に反映させてください。
これが完了すれば、開始日から終了日まで、休日祝日をとばして「1」が表示されます。
同様に下方向にもドラッグをしていくことで、他のタスクの実施期間にも「1」が表示されます。
このままですとやや見づらいので、1が入っているセルに色を付けてきます。
バーを表示したい範囲を選択して、再び「ホーム」→「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「その他のルール」を再び選択します。
各プルダウンで、「指定の値を含むセルだけを書式設定」「セルの値」「次の値に等しい時」を選択し、値に1を入力します。
このようにすると、セルの値が1と等しいときに、書式が反映されます。
「フォント」で文字の色、「背景色」でセル自体の色を設定をします。
そのときに、文字と背景色が同じ色になるように設定すると、1という文字が見えなくなり、塗りつぶされたセルだけが残り、ガントチャートのバーのようになります。
(以下完成図)
Excelでのガントチャートの作成手順8
所要日数を営業日ベースでカウントする
最後に所用日数を表示したい場合はE列の右に列を挿入し、新たなF列に所用日数の欄を作ります。
=COUNT($G4:$AJ4)
をF4セルに入力すれば、営業日を自動的にカウントすることが可能です。なお、「$AJ4」の部分はガントチャートの右端の列になるので、各プロジェクトの期間に応じて任意で変更してください。
また、所要日数に日付が表示されてしまう場合は、表示形式として「数値」を選ぶと、日数に置き換わります。
これを下方向にコピーしていけば、各タスクに所要日数が追加されます。
これでガントチャートの完成です。(以下完成図2)
表が見やすいように、ウィンドウ枠を固定したり、罫線を消すなどの工夫をするとよいでしょう。
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テンプレートを活用する方法も!
自分ではじめからガントチャートを作成するのは難しいという人は、Excelでガントチャートを作成するためのテンプレートが多数配布されているので、ぜひ検索してみてください。
無料のものから有料のものまで、さまざまです。
カスタマイズ可能なテンプレートもあるので、自社に合ったテンプレートをみつけて、ガントチャートを作成してみるのもひとつの方法です。
しかし、それでも、ある程度の関数の知識などは必要になりますので注意してください。
Excelでのガントチャート作成時の注意点
ここまでExcelでのガントチャート作成方法を解説してきました。
Excelでのガントチャートは自由に編集ができる一方で、ちょっとした操作ミスで簡単に壊れてしまうという難点もあります。
ガントチャートの利点を最大に得るための具体的な注意点・対策を記載しますので参考にしてください。
条件付き書式を利用する場合、ファイルの破損に注意
条件付き書式で計算式を用いるとセル同士が参照しているので、ちょっとした誤操作で紐づくセルまで表示がおかしくなる可能性があります。
そのため、ファイルの取り扱いには注意が必要です。
チームメンバー全員でファイルを共有することは可能ですが、編集は一部の管理者のみが担当できるようにするなど、ロックをかけておくとよいでしょう。
また、計算式の小さな誤りは気づきにくいものです。
入力ミスに誰も気づかずにプロジェクトが進み、気付いたら大きな進捗の遅れが生じていることもあります。
遅れや漏れを防ぐためにも、管理者はガントチャートが正確に機能しているかを定期的にチェックすることを心がけましょう。
更新を控えるためにできるだけ、予め入念な計画を立てる
Excelで作成したガントチャートは、更新する際には手間がかかります。
誤操作や、ファイルの破損がないように取り扱いに注意するとともに、ファイル自体を定期的にバックアップを取っておくとよいでしょう。
できるだけ更新せずに済ませるためにも、作成の初期段階でタスクの洗いだしや順序を決めるときに、十分に検討することが重要です。
とはいえ、リアルタイムでの進捗状況がわからなければ、ガントチャートの役割が果たせなくなってしまいます。
頻繁に情報を更新することで、正確な進捗状況を把握することができるからです。
Excelでの更新が難しい場合は、気軽に更新できる、ガントチャートツールなどを利用することをおすすめいたします。
Jootoは、誰でも簡単に使用できるタスク・プロジェクト管理ツールですが、ガントチャートツールとして活用することもできます。
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Excelでのガントチャートは、作成に手間がかかるうえに、簡単に破損してしまうという問題点があります。
そこで弊社が提供するJootoのようなガントチャート機能を備えたタスク管理・プロジェクト管理ツールの使用をおすすめいたします!
Jootoはサービス開始以降、幅広い分野の企業に支持されています。
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Jootoはドラッグ&ドロップ中心の直感的な操作方法で利用できるタスク・プロジェクト管理ツールです。
データはクラウドに保存されるので、インターネットさえあれば誰でもすぐに使うことができ、オンライン上でタスクの登録や確認ができます。
新たにソフトウェアを導入するよりも、手軽に始めていただけます。
無料プランでも大部分の機能は利用することができ、もちろんガントチャートも利用可能です。
いきなり価格の高いプランを申し込むのは不安という方も、試しに使ってみることができるので安心です。
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Jootoでのガントチャート作成において面倒な設定は不要です。
ExcelやGoogleスプレッドシートのような、列や行の設定や入力の手順は全く必要ありません。
カンバン方式のボードに必要なタスクと開始日終了日(期日)を入力し、「ガントチャート」のタブをクリックするだけで自動で作成されます。
担当者、優先度なども入力すれば、より詳細なガントチャートを作成することができます。
マネージャーやリーダーがすべてのタスクを入力し、メンバーに共有することもできますし、個人が抱えているタスクを入力し、記録していくこともできます。
進捗状況に合わせて担当者がタスクの状況を入力することで、現在の進捗状況などのステータスを把握でき、何かトラブルが起きたときにも、最適な対応をとることができるので、マネジメントがしやすくなります。
複数のプロジェクトを抱えている場合も、「全てのガントチャート」でガントチャートを一元化できます。
全体のスケジュールを把握できるので、遅れや漏れが生じにくくなり、プロジェクトを兼任しているメンバーのスケジュール管理もしやすくなります。
またタスクごとにチャットやファイルの共有もでき、必要な情報がすぐに取り出せるため、効率よく業務に取り組むことができます。
外部連携機能も充実しており、Chatwork、Slack、Googleカレンダーと連携して使うことができるところもうれしいポイントです。
さらにJootoのガントチャートは下記のような機能が備わっており、用途にあったガントチャートを簡単に作成可能です。
- ドラッグ&ドロップでタスクの開始日・終了日を調整
- ドラッグ&ドロップでタスクの縦の順番を入れ替え
- タスクに紐づくチェックリスト(子タスク)もガントチャートに表示
- タスクのラベルや担当者をガントチャートに表示
- 日次表示と週次表示の切り替え
Excelでガントチャートを作成するのもよいですが、より直感的に使えるJootoをぜひチェックしてみてください。
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業務効率を向上させるために、タスク管理ツールを導入しても、社内で定着しなければ意味がありません。
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