時間管理のマトリックス(緊急度と重要度のマトリクス)とは、タスクの優先順位を決める際に役立つフレームワークのことで、緊急度(緊急性)と重要度(重要性)の軸によってタスクを分類し、管理します。
限られた時間のなかで効率的に仕事をこなし、生産性を上げていくことは全てのビジネスパーソンに必須の取り組みです。
仕事の効率化や生産性向上のポイントとなるのが、タスクの優先順位付けです。
この記事では、タスクの優先順位付けに役立つ「時間管理のマトリックス」(緊急度と重要度のマトリクス)について解説します。
タスクの優先順位付けがうまくいかない方や必要以上に労力がかかってしまっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
時間管理のマトリックスとは
時間管理のマトリックスとは、「7つの習慣」という世界的に有名な本の著者である、スティーブン・コヴィー氏が提唱したタスク管理法です。
第34代アメリカ合衆国大統領ドワイト・D・アイゼンハワー氏にちなんで「アイゼンハワーマトリクス」と呼ぶこともあります。
効率的なタスク管理のためには、優先順位の高いtodoから順番に対応していくことが必要です。時間管理のマトリックスは、物事の優先順位を判断するためのフレームワークとして機能します。
具体的には、タスクを「緊急度」と「重要度」の2軸を使って分類していきます。
そのため、「緊急度と重要度のマトリクス」とも呼ばれているのです。
「緊急度」と「重要度」は似たような概念としてとらえられることがありますが、時間管理のマトリックスでタスクを分類する場合、両者の違いは非常に重要です。
タスクの緊急度と重要度とは

目の前のタスクを手当たり次第にこなしていくだけなら、タスクの分類は必要ないでしょう。
しかし、仕事の効率化を意識してタスクを処理する場合、タスクを分類して整理するステップが不可欠です。
緊急度と重要度のマトリクスにおける「緊急度」と「重要度」の意味やタスクを分類する必要性についてさらに詳しく解説します。
タスクの緊急度
タスクの緊急度は、「早急に対応すべきタスクか否か」という視点で判断します。
例えば、締め切りが近い業務など、時間的に余裕のないタスクは緊急度の高いタスクに分類されるでしょう。
これに対して緊急度の低いタスクは、今すぐ時間を割く必要がなく、後回しにできるタスクを指します。
タスクの重要度
タスクの重要度は、「物事の本質に関わるかどうか、つまりプロジェクトや仕事の成功に関わるタスクか否か」という視点で判断します。
重要度の高いタスクを正しく見極められないと、中長期的に利益や効率の低下などにつながり、プロジェクトの根幹に悪影響を及ぼす恐れがあります。
重要度は、「大・中・小」などの3段階程度に分けて考えるとよいでしょう。
なぜタスクを重要度と緊急度に分ける必要があるのか?
タスクを重要度と緊急度を軸に分類する理由は、タスクの優先順位を明確にするためです。
人間は多くの仕事を抱えると、タスクの優先順位を意識する余裕がなくなり、より緊急なことや得意なこと、偶然目に付いたことを優先的に取り掛かる傾向があります。
そのため、しっかりタスクを対処したつもりでも、本質的に重要な問題が解決しておらず、結果としてプロジェクト全体の遅延につながったり、納期や締め切りに間に合わなくなったりすることが多くなります。
このような事態を避けるためには、一度立ち止まってタスクの全体像を整理することが必要です。
タスクの全体像を整理するためには、「緊急度」と「重要度」という軸を用いてタスクを4つに分類する方法が有効です。
具体的には、下の図をご覧ください。
縦軸に「重要度」、横軸に「緊急度」を取り、タスクを4つに分類します。

- (A/第1象限)重要度も緊急度も高いタスク=「必須」
- (B/第2象限)重要度が高いが、緊急度が低いタスク=「効果性」
- (C/第3象限)緊急度が高いが、重要度が低いタスク=「錯覚」
- (D/第4象限)重要度も緊急度も低いタスク=「浪費・過剰」
全てのタスクは「緊急度」と「重要度」の2軸で、「必須」「効果性」「錯覚」「浪費・過剰」の領域(象限)に振り分けられます。
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緊急度×重要度でタスク4つの領域に分ける
時間管理のマトリックスを使いこなすためには、4つの領域の定義や内容について理解することが大切です。
各領域の詳細について詳しく解説します。
(A/第1象限)緊急度も重要度も高いタスク「必須の領域」

マトリクスのAの領域は、緊急度も重要度も高いタスクです。
「必須の領域」とも呼ばれ、優先順位が最も高く、まず対処すべきタスクと言えます。
例えば、クライアントからのクレーム対応や締め切りが差し迫るタスクなど、必ず実行しなければならない活動がこの領域に当たります。
当てはまるタスクは、言うまでもなく最優先に取り組む必要があります。
(D/第4象限)緊急度も重要度も低いタスク「浪費・過剰の領域」

マトリクスのDの領域は緊急度も重要度も低いタスクです。
「浪費・過剰の領域」と呼ばれ、優先順位が最も低い領域です。
具体的には、すぐにおこなう必要のないデスク周りの整理や形骸化した無意味な会議、長すぎる息抜きなどが該当します。
ビジネスへの影響度が小さく、急ぎでおこなう必要がないタスクです。
ただし、緊急度が低いからといって放置していると、DからCへ移動する場合があるので注意が必要です。
優先度は低いものの、念のため頭の片隅に置いた方がよいタスクでもあります。
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(C/第3象限)緊急度が高いが重要度は低いタスク「錯覚の領域」

上記の通りA・D領域のタスクへの対処は非常にシンプルで、迷う部分はないでしょう。
重要なのは、C・D領域の優先度付けです。
マトリクスのCの領域は「錯覚の領域」と呼ばれ、緊急度が高く、重要度は低いタスクがこれに当てはまります。
例えば、ほとんど誰にも読まれていない毎日の作業報告は、期限が明確であるため緊急度は高いものの、重要度は低いタスクと言えるでしょう。
しかし、緊急度の高い第3領域のタスクを、人間は「重要」だと錯覚してしまう傾向があります。
意識せずに日々の業務をおこなっていると、いつの間にかこの領域のタスクに忙殺されているということは少なくありません。
C領域のタスク処理に時間を割いても生産性は上がらないため、「どうしたら効率よくできるか」「そもそも本当に必要があるのか」を検討し、重要度の高いA・B領域に時間を割くようにすべきでしょう。
(B/第2象限)緊急度が低いが重要度は高いタスク「効果性の領域」

課題ごとに「高」「中」「低」の優先度を決めることで、優先度が一目でわかるようになり、高優先度の課題から順に取りかかれます。
優先度(緊急度)を「高」「中」「低」の3段階で考えた場合は、以下のとおりになります。)
マトリクスのBの領域は「効果性の領域」と言い、緊急性は低いが重要度の高いタスクです。
この領域には将来への価値を生む重要なタスクが該当するため、長期的に考えると時間を費やすべき領域はこの「効果性の領域」です。
具体的には、「長期的な営業戦略を立てる」「知見を広げるために研修や勉強会に参加する」「異なる業界の人と交流して情報収集する」などの活動が当てはまります。
仕事の効率を高めるための適度な息抜きもこの領域に含まれるでしょう。
この領域のタスクは期限が設けられたいないことが多く緊急性が低いため、どうしても後回しにされがちです。
しかし、緊急度の高いタスクにばかりに気を取られすぎると、時間ばかりが過ぎて本当に必要な成果が得られないということが起こり得ます。
つまり、この領域のタスクに意図的に締切を設けるなどして計画的に実施することで、自分自身のパフォーマンスが上がり、Aの「必須の領域」のタスクが減る効果があります。
重要度の低いC・D領域のタスクを見直し、B領域に割く時間を増やすことで、能動的に時間を生み出すことが大切です。
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時間管理のマトリックスのメリットとは

タスクを緊急度と重要度を軸に分類して管理することで、さまざまなメリットが生まれます。
具体的なメリットは、以下の3つです。
- やらないタスクを決められる
- リソースの適切な配分が実現する
- 生産性向上につながる
それぞれについて詳しく解説します。
やらないタスクを決められる
やらないタスクを決められることは、業務の効率化を考えるうえで大きなメリットです。
緊急度も重要度も低いタスクは、やらないという選択肢を取っても問題がない場合が多く、マトリクス分類をすることで初めて気づきを得られるでしょう。
また、緊急度が高く重要度が低いタスクのなかにも、やらなくてよいタスクが存在する場合があります。
仕事に取り掛かる際は、つい緊急度でタスクの優先度を判断してしまいがちですが、重要度の視点を加味することで「やらなくてもよいタスク」が明確になります。
ただし、チームでプロジェクトを遂行している場合は、自分にとっては重要度が低くても、他のメンバーにとっては重要なタスクの可能性があります。
チーム単位で仕事を進める場合は、「やらないタスク」を慎重に決定する必要があるでしょう。
リソースの適切な配分が実現する
タスクの優先順位が明確になれば、限られたリソースを適切に配分できるようになります。
例えば、プロジェクトの計画を立てる際に重要なタスクに多くのメンバーをアサインしたり、時間を多く確保したりといった対応が可能になるのです。
プロジェクトの売上増加やメンバーの長時間労働の改善など、さまざまな効果が期待できるでしょう。
生産性向上につながる
時間管理のマトリックスによってやらないタスクが明確になり、リソースの適切な配分が実現されると、仕事の進め方が改善され、生産性が向上していきます。
「今何に着手すべきか」が明確になるため、マルチタスクから脱却でき、効率よく業務をこなせるようになるのです。
無駄な作業に割く労力が減るため、労働環境の改善や従業員のモチベ―ションアップにもつながっていくでしょう。
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Jootoでタスクの緊急度と重要度を管理する

時間管理のマトリックスによって分類したタスクの管理は、管理ツールの導入によって効率化できます。
Jootoは、かんばん方式でタスク管理できるタスク・プロジェクト管理ツールです。
タスクの担当者やステータスが一目でわかる視認性と、ドラッグ&ドロップ中心の直感的な操作性が特徴です。
一般的に、タスクの数が多くなるほど優先順位付けや管理が煩雑になり、全てのタスクの進捗状況を正確に把握することは難しくなります。
Jootoなら、タスクごとに担当者や期限、優先度などを設定するだけで、タスクのステータスをいつでも視覚的に把握できます。
プロジェクトの進捗管理に便利なガントチャートも自動で作成できるため、チーム単位でのタスク管理にも便利です。
締切が近いタスクや業務が停滞しているメンバーを一目で把握できるため、スケジュールの調整やメンバーの追加など、必要な対応を素早く取ることができるようになるでしょう。
タスクの緊急度と重要度を効率的に管理して生産性を高めたい場合は、ぜひタスク・プロジェクト管理ツールJootoの導入をご検討ください。
よくある質問
時間管理のマトリックスについてよくある質問をまとめました。
時間管理のマトリックス(緊急度と重要度のマトリクス)とは、タスクの優先順位を決める際に役立つフレームワークのことで、緊急度(緊急性)と重要度(重要性)の軸によってタスクを分類し、管理します。
「7つの習慣」の著者である、スティーブン・コヴィー氏です。
「7つの習慣」には、成功者たちの行動に共通する重要な習慣がまとめられています。
時間管理のマトリックスは、第34代アメリカ合衆国大統領ドワイト・D・アイゼンハワー氏にちなんで「アイゼンハワーマトリクス」と呼ばれることもあります。
4つの領域とは、具体的に以下のことを指します。
・第1象限:重要度も緊急度も高いタスク
・第2象限:重要度が高いが、緊急度が低いタスク
・第3象限:緊急度が高いが、重要度が低いタスク
・第4象限:重要度も緊急度も低いタスク
タスクに優先順位を付ける理由は、限られたリソースを最大限に活用して効率的に仕事を進めるためです。
優先順位が曖昧なまま仕事に着手すると、ビジネスの根幹への影響度が高い重要なタスクを見落としたり、すぐに着手すべきタスクを後回しにしてしまったりするリスクが高まります。
タスクの優先順位付けがうまくいかない理由は、以下の4つです。
・タスクの洗い出しや整理ができていない
・仕事の全体像を把握できていない
・苦手な仕事や時間がかかりそうな仕事を後回しにしている
・仕事の重要性を正しく判断できていない
時間管理のマトリックスをタスク管理に活用するメリットは、以下の3つです。
・やらないタスクを決められる
・リソースの適切な配分が実現する
・生産性向上につながる
緊急性の高いタスクの具体例は、以下のとおりです。
・期限が迫った仕事
・クライアントからのクレームや依頼への対応
・突発的なトラブルへの対応
重要性の高いタスクの具体例は、以下のとおりです。
・事業計画を立てる
・顧客との関係構築のための取り組み
・スキルアップのための活動
時間管理のマトリックスを活用する際は、以下の手順でおこなうと効率的です。
1.全てのタスクを洗い出す
2.「重要度」と「緊急度」の軸で洗い出したタスクを分類する
3.優先順位を決めてタスクを実行する
4.定期的に見直す
時間管理のマトリックスを活用する際のポイントや注意点は、以下のとおりです。
・完璧を求めすぎない
・PDCAを回して改善を繰り返す
・状況の変化に応じて優先順位を見直す
・第2象限のタスク(重要度が高いが、緊急度が低いタスク)に時間を割くようする



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