マルチタスクはビジネスの現場でよく聞く言葉ですが、いったいどういった能力なのでしょうか。
有史から人間の仕事は、シングルタスクが主であると言われています。
シングルタスクとは、一つひとつの作業を順番に行い、ひとつの作業を終わらせることで初めて、次の作業へと取りかかることを指します。
つまり、一点集中型の仕事のスタイルです。
現代は「情報化社会」と呼ばれますが「情報」が諸資源と同等の価値を有し、それらを中心として機能する社会では、人間は一度に多くの「情報」を処理することを求められます。
加えて、超少子高齢化社会と呼ばれる日本では、常態的な人材不足という問題を抱えています。
このような背景から、一人で複数業務を同時並行して処理する「マルチタスク」が、目標を達成するためのビジネススキルとして要求されるようになりました。
企業としても、マルチタスクで仕事を処理できる人材の育成に成功すれば、生産性向上が期待できるでしょう。
しかし、マルチタスクに苦手意識を持っている人が多くいるのも事実です。
マルチタスクのメリット・デメリット、シングルタスクとの作業効率の違いや、マルチタスクを成功させるテクニックをご紹介します。
多くのタスクを抱えていて悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
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目次
マルチタスクとは
マルチタスクとは、複数の作業を同時並行、もしくは短期間で切り替えながら同時進行で行う能力・手法のことを指す言葉です。
そもそも「マルチタスク」という言葉は、一つのコンピューターが同時に複数の情報処理を行うという、コンピューター用語「multitasking」が由来です。
それが昨今のビジネスシーンでは、複数のタスクを並列進行することを指す言葉となりました。
例えば、「プレゼン資料を作りながらメールチェックする」「ミーティングに参加しながら議事録を作成する」など、言い換えれば「ながら作業」とも表現できるでしょう。
マルチタスクとシングルタスク
マルチタスクの対義語が「シングルタスク」です。
シングルタスクは、一点集中型スタイルで作業を遂行することを意味します。
例えば、「会議の最中は会議に参加することに集中し、会議が終わってから議事録を集中して作成する」といった仕事のやり方です。
シングルタスクの利点は、他のことに気を散らされることがないため、集中力が途切れることなく作業を行えるところです。
複数の作業を同時並行するマルチタスクが必ずしも優れた手法というわけではありません。
マルチタスクが不向きな人もいますし、逆にマルチタスクのほうが円滑に仕事をこなせるという人もいます。
個人の能力やタスクの性質に合わせて臨機応変に取り組んでいきましょう。
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マルチタスクのメリット
マルチタスクは難しいと感じている人も多いと思いますが、要領良くマルチタスクを実行できれば、複数の作業を効率良く進められます。
マルチタスクのメリットは、下記のとおりです。
- 全体像を把握できる
- スムーズなコミュニケーション
- 仕事が停滞しない
詳しく解説します。
全体像を把握できる
マルチタスクで仕事を進めるには、抱えているすべてのタスクの納期や内容などの詳細を把握することが不可欠です。
仕事の全体像を把握することで、進め方を柔軟に調整したり、工夫したりできるでしょう。
また、問題が発生しそうなタスクを早めに察知しリスクヘッジすることも可能となりますし、突発的な課題が発生したときにも、早急に対応することが可能です。
スムーズなコミュニケーション
全体像をいち早く把握することで、上司や同僚、部下、他部署の社員、取引先などとの素早い関係の構築が可能になり、コミュニケーションのスピードが上がります。
マルチタスクで仕事を進めることで、コミュニケーションにおいて先手を打つことができるでしょう。
タスクは互いに関係していることが多いため、コミュニケーションを円滑にしておかなくては、マルチタスクは立ち行かなくなってしまいます。
仕事が停滞しない
マルチタスクは、短時間であれば集中力を向上させられると言われており、マルチタスクをスムーズに実行できれば、仕事が停滞することはなくなるでしょう。
シングルタスクの場合、どうしても他のタスクの進行が止まってしまいます。
マルチタスクは複数の作業を同時進行できるため、多くのタスクを抱えていても、すべてを期限内に処理できます。
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マルチタスクのデメリット
万能のように思えるマルチタスクですが、デメリットの存在も指摘されています。
マルチタスクのデメリットは、下記のとおりです。
- 生産性の低下
- 時間感覚が狂う
- キャパオーバーを招く
詳しく解説いたします。
生産性の低下
マルチタスクは複数のタスクを同時進行できるため、一見効率が良いように見えますが、実際はひとつの物事に集中するシングルタスクのほうが作業効率は上がるのです。
人間の脳は同時に複数のタスクを処理することが苦手であり、複数のことを同時進行で処理しているように見える人は、頭のなかで素早くタスクを切り替えることによってマルチタスクをこなしています。
例えば、ある作業をしている途中に電話対応や、メール対応を行ったとします。
その場合、中断した作業に戻るためには、どこまで作業が進んだか再度思い出す必要があるでしょう。
タスクの切り替えが積み重なると、前の作業を思い出している時間がロスタイムとなり、結果的にパフォーマンスと生産性が落ちるのです。
時間感覚が狂う
最新の研究で、マルチタスクは人間の脳に多大なストレスを与えることが分かっています。
慌ただしいマルチタスクを繰り返すということは、タスクからタスクへ何度も考え方や注意を切り替えるということです。
すると脳内は、時間をひとつの流れとして捉えられなくなると言います。
社会学者ジョン・ロビンソン博士は、マルチタスクにより脳に多大なストレスがかかると、脳はまるで時間が「細切れ」になったように錯覚してしまう「時間汚染」に陥ると提唱しています。
「時間汚染」状態になると、時間に対しての「焦り」が増加し、常に時間に追われている感覚になってしまうのです。
キャパオーバーを招く
シングルタスクであれば、作業プロセスが単純なため、今取り組んでいる作業をいつ終わらせられるか、見当をつけられるでしょう。
しかしマルチタスクでは、シングルタスクのような感覚で工数の見積もりができません。
結果、キャパオーバーを起こしやすくなります。
また、納期も同時並行で迫ってくるため、一つの作業が滞ると他の作業も滞り、すべての作業が一気に停滞する可能性があります。
納期に間に合うように、さらに多くのタスクを同時進行してしまうと脳が混乱し、悪循環に陥ってしまうことも。
キャパオーバーにならないためには、自分のタスク処理能力を把握し、的確にスケジュール設定することが大切です。
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マルチタスクが苦手な人の特徴
マルチタスクが上手くいけば、多くのメリットがあることが分かりました。
しかし、一般的に人間の脳は、構造的にマルチタスクができないと言われています。
マルチタスクできているように見えても、実はタスクを目まぐるしく切り替えているだけで、情報を「同時処理」しているわけではないのです。
つまり、マルチタスクが苦手な人は、タスクを上手に切り替えられない傾向がある人のことを指します。
なかでも、特にマルチタスクが苦手、不向きな人の特徴は下記のとおりです。
- こだわりが強い
- 完璧主義者
- スケジュール管理が苦手
詳しく説明しますので、自分に当てはまるところがないか、参考にしてみてください。
こだわりが強い
こだわりが強く、ひとつのことに集中したい傾向が強いタイプの人は、マルチタスクが苦手なことが多いようです。
これは決して悪いことではなく、集中してタスクに取り組めるため、シングルタスクでは大きな成果に繋がることもあります。
無理してマルチタスクを実行しようとするとミスが増え、本来の実力を発揮できないということになりかねません。
完璧主義者
「失敗したくない」という気持ちの強い完璧主義者の人ほど、慎重に物事を運びたいと思う傾向にあるため、マルチタスクとの相性が悪いでしょう。
一点集中で何かに取り組んでいる時に別の仕事が舞い込んでくると、誰しも集中が途切れるものです。
完璧主義者の人は、集中が途切れることに対して不安やプレッシャーを感じやすい特性があります。
その結果、注意力が低下してしまい作業効率が落ちるため、マルチタスクに苦手意識を持ちやすいのです。
完璧主義者は、シングルタスクで物事に取り組んだ方が能力を十分に発揮でき、生産性が向上する傾向があります。
スケジュール管理が苦手
マルチタスクで仕事をこなそうとすると、スケジュール管理が複雑になります。
そのため、普段からスケジュール管理が得意でない人は、マルチタスクでの業務遂行に精神的なプレッシャーを感じるでしょう。
無理してマルチタスクで作業を進めると、常に他の仕事が気になってしまい、目の前の業務に集中できません。
結果としてすべての業務が中途半端になってしまう悪循環に陥りがちです。
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マルチタスクを成功させるテクニック
常にシングルタスクでひとつの業務に集中できれば良いのですが、多くのタスクを抱えているビジネスパーソンは、どうしてもマルチタスクになってしまいます。
マルチタスクが上手くいかないと、前述したようなデメリットの影響を強めることになってしまうため、注意が必要です。
マルチタスクは、考え方やテクニックを学ぶことで、誰でも成功させることができます。
具体的なテクニックは、以下の4つです。
- タスクを切り替える「タスクシフト」
- ポモドーロ・テクニック
- 「1×10×1」システム
- パーキングロット思考
詳しく解説します。
タスクを切り替える「タスクシフト」
コロンビア大学により考案された「タスクシフト」という手法を、ご紹介します。
「タスクシフト」は、外的要因により作業が中断されるのではなく、あらかじめ設定した任意のタイミングで、タスクからタスクへ作業を切り替えるというものです。
外的要因によって強制的にタスクがシフト(マルチタスク)することは、脳にとってストレスですが、任意のタイミング(例:Aの作業を30分したらBの作業へ移るなど)でスイッチングする分には、作業効率は向上することが分かっています。
タスクシフトするためには、まず現状で抱えているシングルタスクをすべて書き出す作業が必要です。
長期タスク・短期タスクも細分化して洗い出し、そのタスク内で1週間以内にすべきことを順序立てて、ピックアップします。
次のステップとして、タスクに時間と重要度の観点から優先順位をつけます。
あとは優先度の高い順に、あらかじめ決めた間隔で、定期的にタスクを切り替えていけば完了です。
ポモドーロ・テクニック
ポモドーロ・テクニックとは、イタリア人のフランチェスコ・シリロによって考案された時間管理術で、「25分作業を継続したら5分休憩する」を1セットとして捉え、これを繰り返す方法です。
ポモドーロ・テクニックでは、作業を4セット繰り返したら15分から30分の長めの休憩を取ります。
時間を区切ることで、時間管理しやすくなることが特徴です。
ポモドーロ・テクニックは、1日あるいは1週間単位で作業が計画どおりに進行したか振り返りをすることで、さらに効果を高められます。
「1×10×1」システム
「1×10×1」システムとは、早く終わる仕事から順番に取り組む方法です。
1分以内で終わる仕事を先に終わらせ、次に10分あれば終わる仕事を完了し、最後に1時間で終わる仕事を実行します。
1分で終わるタスクとしては、スケジュールチェックや簡単なメールの返信などがあるでしょう。
10分でできるタスクとしては、電話連絡や議事録の確認作業などがあります。
タスクがどんどん消化されていくため、タスクが山積みになることがありません。
モチベーションや集中力を保つ方法としても有効です。
パーキングロット思考
パーキングロットは「駐車場」という意味で、パーキングロット思考とは業務中に他の仕事や外的要因が入り込んできた際、それを一旦脇に置いて、この業務が終わってから取りかかるといった考え方のことです。
一旦横においた仕事は、思い出せるようにメモを取るなどしておきましょう。
メモを取る程度の短時間であれば、タスクの切り替えのように脳に負荷がかかることはありません。
もちろん、急を要する仕事なのかどうか、見極めることは必要ですが、焦ることなくひとつのタスクに集中して取り組むことで、生産性を向上させられます。
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マルチタスクを実現させるためのポイント
マルチタスクが得意な人は、脳内で素早くタスクの切り替えができる人です。
マルチタスクが苦手でも、コツをつかむことでマルチタスクを実現することができます。
ポイントは、以下の4つです。
- タスクを整理し優先順位を決めて処理する
- 時間を区切ってタスクを割り振る
- タスクを細分化してシングルタスクとして実行する
- タスク管理ツールを活用する
それぞれについて詳しく解説します。
タスクを整理し優先順位を決めて処理する
タスクは手あたり次第にこなしていくのではなく、優先順位を決めてから取りかかることで効率的に処理できます。
優先順位は、タスクの重要度と緊急度をもとに判断しましょう。
タスクを整理して優先順位を決めることで今やるべきことが明確になり、頭のなかが整理されます。
集中力を保って作業に集中できるようになるでしょう。
時間を区切ってタスクを割り振る
タスクを処理する際は、あらかじめ時間を区切りましょう。
時間を決めずに取りかかると、すべてのタスクを処理し切れずに、タスクが溜まっていきがちです。
例えば、1日を120分ごとに区切って、120分のなかで処理すべきタスクを割り振っていきます。
このように期限を定めてタスクに取り組むことで、「時間内に処理しよう」という意識が高まり、効率的な業務遂行が実現します。
タスクを細分化してシングルタスクとして実行する
マルチタスクが得意な人は、素早いテンポで頭を切り替えながらタスクを処理しています。言い換えれば、シングルタスクを短時間で切り替えながら処理しているのです。
そのため、タスクを細分化して、シングルタスクとして実行していくことが、マルチタスク成功のポイントとなります。
例えば、「会議の開催」のタスクには、「参加メンバーの予定の確認」「会議室の予約」「会議資料の作成」「議事録の作成」といった複数のタスクが含まれます。
タスクを細分化すれば、シングルタスクとして処理していくことが可能です。
タスク管理ツールを活用する
マルチタスクで業務を処理しなければならないときは、タスク管理ツールの導入がおすすめです。
タスク管理ツールを導入すると、複数のタスクを一元管理でき、タスクに漏れや抜けが生じにくくなります。
複数のメンバーでプロジェクトを進めているときは、他のメンバーのタスクが終わらないと自分のタスクに取り掛かれないという状況が多く発生するでしょう。
特にリモートワークが増えている昨今、メンバーのタスクの進捗状況を把握するのが困難になっています。
タスク管理ツールを活用すれば、離れた場所にいても情報共有ができるため、いま何をすれば一番効率が良いのか、すぐに把握可能です。
また、自分やチームメンバーがおかれている状況が明確になるため、仕事を抱えすぎてキャパシティーオーバーになることもなくなります。
タスクが多すぎると感じたら、他のメンバーに伝えたり、上司に相談したりすることが可能です。
マネジメントする立場からしても、マルチタスクが上手くいっていないと感じる部下がいたら、すぐに他のメンバーに仕事を振るなど、細かいケアができるようになります。
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マルチタスクも、多くのシングルタスクの集合体です。
マルチタスクを実行するためには、仕事をすべてシングルタスクに分解しなければなりません。
このシングルタスクを可視化し、進捗をコントロールすることがマルチタスクなのです。
言い換えれば、マルチタスクには、業務のToDoリスト化と、優先順位づけ、進捗管理が必須であり、それはつまりタスク管理と言えます。
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情報を入力したタスクはToDoリストとして管理でき、納期などの時系列、担当別にフィルターをかけることで、誰が何をいつまでにやるべきタスクかを見える化できます。
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