フィジビリティスタディの重要性をご存じですか?
新規事業や新規プロジェクトをはじめる前に、はたしてその計画が実現可能か、また採算がとれるのかどうか調査・分析し、計画を実行するべきか判断するために活用されるのがフィジビリティスタディです。
正確な調査結果に基づくプロジェクト計画が立案されることで、プロジェクトを成功へ導くことが可能になります。
フィジビリティスタディの意味やメリット、進め方などについて詳しく解説します。
フィジビリティスタディをどのように進めればよいのか悩んでいる方は参考にしてください。
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目次
フィジビリティスタディとは
「フィジビリティ(feasibility)」は実現可能性のことを指す言葉で、「フィジビリティスタディ(feasibility study)」は実現可能性調査のことを指すビジネス用語です。
「フィージビリティスタディ」「フィージビリティ・スタディ」と表記されることもあります。
企業が今まで経験したことのない、新しい事業・プロジェクトを始める際、実現可能かどうかについて、事前に調査・分析・検証することです。
テーマは政治や自然環境、社会情勢、財務、市場調査など多岐にわたります。
1933年に当時アメリカ大統領だったフランクリン・ルーズベルト政権下において、アメリカ政府が設立したテネシー川流域開発公社(TVA)によっておこなわれた事例が、フィジビリティスタディのはじまりだといわれています。
テネシー川流域開発公社(TVA)は世界恐慌への対策として設立されました。
32ヵ所のダム建設を含むさまざまな公共事業を展開しましたが、このプロジェクトのフィジビリティスタディとして、技術面・経済面・政治面などで幅広い調査がおこなわれました。
テネシー川流域開発公社(TVA)が設立されたことで、失業率の改善や電力供給の向上、地域振興などに影響を及ぼしたといわれています。
以降、フィジビリティスタディの重要性が広がり、国の事業だけではなく、民間企業でもフィジビリティスタディが実施されるようになりました。
フィジビリティスタディの目的・役割
フィジビリティスタディの目的は、実行しようとしている新規の事業やプロジェクトが自社にとって有益なものなのかを判断することです。
フィジビリティスタディは、プロジェクトのおおまかな計画ができあがった時点でおこなわれることが多いです。
新規事業・プロジェクトの実現性・実用性・採算性などを評価して、プロジェクトを計画通りに進められるのかどうかを判断します。
多くの新規のビジネスの場合、企業には本当に実現可能なのかどうかの情報がありません。
フィジビリティスタディによって多角的な調査をおこない、実現可能な計画であることを証明することで、関係者からの承認をうけるのに役立つほか、投資家からの注目を集める効果もあります。
また、今後の経営戦略や意思決定、資金調達、マーケティングにも影響を及ぼすものです。
新規事業・プロジェクトの他にも、海外進出や輸出の際にも有効な手法だといわれています。
逆に、すでに類似のプロジェクトの経験があり、実現可能であることがわかっている場合や、競合他社がすでに同様の取り組みをおこなっている場合、プロジェクトが小規模で長期的な影響が少ないケースでは、フィジビリティスタディの必要はありません。
フィジビリティスタディを実行するには時間と費用、労力などを要するため、本当に必要かどうかを見極めてから実行するとよいでしょう。
POCとの違い
フィジビリティスタディと似た言葉にPOCがあります。
POC(Proof of Concept)は「概念実証」と訳される言葉です。
POCとフィジビリティスタディは、プロジェクトが実現可能かどうか検証するという目的は同じですが、実行するタイミングや進め方に違いがあります。
フィジビリティスタディが新規のプロジェクトが実現可能なものなのかどうか、調査・分析をおこなうことであるのに対し、POCは試作品を作成したり、小規模な環境で実際に試してみたりすることを指します。
フィジビリティスタディは、一般的にPOCの前段階でおこなわれます。
POCでは、フィジビリティスタディで得られた調査結果をもとにプロトタイプ(試作品)を作成するなどし、検証を行います。
フィジビリティスタディとPOC、両方をおこなうことで、課題の発見に役立ち、成功の確度を上げることにつながります。
フィジビリティスタディのメリット
フィジビリティスタディをおこなうことで、これからおこなわれる未知のプロジェクトが自社にとって有益なものであるのかを見極めることができ、プロジェクトの成功率を高めることができるのがメリットです。
プロジェクト着手前から市場の動向を確認することができ、詳細な計画を立案するうえで、有益な資料となるでしょう。
また、客観的に調査・分析をおこなうことで、さまざまなリスクを想定でき、プロジェクトの方向性を明確化することで、安定したプロジェクトマネジメントを実現することができます。
さらに、海外進出のケースでは、フィジビリティスタディをおこなわないと、社会情勢や法規制などに影響を受け、事業が頓挫してしまう可能性もあります。
フィジビリティスタディによって事前に政治経済や社会情勢、法律などを考慮した計画を立てることができる点も大きなメリットといえます。
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フィジビリティスタディの種類
フィージビリティ・スタディには、大きく分けて以下の4つの種類(要素)があります。
- 技術面
- 市場
- 財務面
- 運用面
それぞれ詳しく解説します。
技術面のフィジビリティスタディ
技術面でのフィジビリティスタディは、新規事業や海外進出において、自社のリソースが技術的に対応可能かを調査します。
立ち上げ段階に対応可能かどうかだけでなくプロジェクト終了まで継続的に技術を提供できるのかも重要です。
適切な設備や人材、技術的な知識などがあるかどうかを調査し、プロジェクトの目標を達成できるかどうかを評価します。
市場のフィジビリティスタディ
市場のフィジビリティスタディでは、プロジェクトが実現可能かどうかの市場調査をおこないます。
市場のニーズとマッチしているのかや、競合他社の動向なども調べる必要があります。
海外進出や輸出の場合は特に、状況が日本とは大きく異なることが多いため、現地の宗教や生活習慣、政治などについて詳しく調べ、需要とマッチするのか検証します。
法規制や税制についても調査が必要です。
財務面のフィジビリティスタディ
利益額や投資収益率 (ROI)を予測するために必要なフィジビリティスタディです。
採算性があるのかどうかを調査します。
プロジェクトがもたらす経済的利益を理解することを目標としています。
また、必要な費用などの見積りもおこないます。
新規プロジェクトや海外進出にどれくらいの資金が必要になるのか把握しておく必要があります。
そして財務面のフィジビリティスタディの結果に応じて、資金調達をおこないます。
運用面のフィジビリティスタディ
運用面のフィジビリティスタディでは、自社や新規事業・プロジェクトを担うチームが、プロジェクトスタートから完了まで、問題なく運用できるのかを検証します。
自社の人的リソースや組織構造を把握します。
プロジェクトを立ち上げることはできたとしても、続けることができなければ意味がありません。
プロジェクトを継続させるためのノウハウやスキル、適性のある人材の有無や、適法性などについても、調査し評価をおこないましょう。
フィジビリティスタディの進め方
フィジビリティスタディは、新規事業の構想が立ち上がった時点、事業化に向けた正式な意思決定の前におこないます。
大変時間のかかるプロセスで、プロジェクトの規模によっては数年を要するケースもあります。
本格的なフィジビリティスタディに入る前に、まずは予備調査をおこない、明らかな障害がないか、プロジェクトの目標が企業の戦略に沿っているのかを確認してから進めましょう。
フィジビリティスタディの具体的なステップは以下のとおりです。
- 事前調査
- 課題・リスクの洗い出し、明確化
- 課題解決の計画を立案する
- 代替となる案を決めておく
- 調査結果の評価をおこなう
詳しく説明します。
1. 事前調査
前項にて紹介した4種類のフィジビリティスタディ(技術面、業界・市場、財務面、運用面)について、個別に事前に調査をおこないます。
各種類(要素)ごとに多角的な調査をおこなうことで、現在の状況を正確に把握でき、プロジェクト実現に向けた具体的な課題が見えてきます。
2. 課題を洗い出し、明確化
事前調査の結果を踏まえ、課題・リスクを洗い出すようにしましょう。
技術面、業界・市場面、財務面、運用面、それぞれの要素ごとに自社が抱える課題や、今後おこる可能性がある課題、リスク要因を洗い出します。
そして、洗い出した課題・リスクを各要素ごとにリストアップすることで、明確化します。
3. 課題解決の計画を立案する
課題解決のための要件をリストアップしたら、それらをどのように解決するのか計画を立てます。
課題解決のために必要となる時間や予算(コスト)を算出し、具体的なプロセスを計画します。
人員の確保やシステムの導入、設備や資材の確保など綿密な計画を立案しましょう。
課題が解決できなければ、新規事業・プロジェクトの延期や中止の決断をしなければいけないケースもあります。
4. 代替となる案を決めておく
課題の解決に至らなかった場合、代替え案が必要になります。
なるべく複数の案を用意することで、プロジェクトの成功率が高まります。
状況の変化に合わせ、複数の代替案のなかから選択できるようにしておくことが大切です。
5. 調査結果の評価をおこなう
フィジビリティスタディによって得られた結果についての評価をおこない、報告書を作成します。
一時的にリスクがあったとしても、最終的に利益が獲得できるのかどうかや、自社に与える影響などを評価します。
評価内容は、今後のプロジェクトの運用や意思決定に大きくかかわるものです。
採算が取れる可能性が低かったり、リスクと利益を天秤にかけたときに、思ったより利益が見込めなかったりした場合は、新規事業・プロジェクトや海外進出の延期や中止という判断が下されることもあります。
フィジビリティスタディが完了し、実現可能だと評価されたら、いよいよプロジェクトを開始するために進んでいくことができます。
フィジビリティスタディの結果を活かして、プロジェクト管理をおこなうためには、管理ツールの活用がおすすめです。
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