市場環境の変化の速さや顧客ニーズの多様化に迅速に対応していくためには、組織内の複数の部門が連携しながら課題解決にあたる体制づくりが必要です。
組織横断チームを編成し、プロジェクトの実行に取り組む企業は多くあります。
しかしながら、部門間の利害関係の対立などから多くの調整が必要となり、結果として意思決定のスピードが落ちてしまったり、プロジェクト自体が頓挫してしまったりすることは珍しくありません。
組織横断プロジェクトを成功へ導くためには、いくつかのポイントがあります。
当記事では、組織横断の定義や組織横断チームが求められる理由、組織横断プロジェクト実行の際のポイントなどを解説します。
組織横断プロジェクトの効率性をアップさせる管理ツールの紹介もするので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
組織横断(クロスファンクショナル)とは
組織横断(クロスファンクショナル)とは、プロジェクトチームなどのメンバーが、複数の部門にまたがって編成されていることを意味する言葉です。
組織横断チームはクロスファンクショナルチーム(CFT)とも呼ばれ、所属する部門や階層の異なるメンバーが集まって編成される組織のことです。
クロスファンクショナルチームはプロジェクトの実行のために一時的に編成されることもあれば、常設されることもあります。
さまざまなバックグラウンドをもつメンバーが、立場や部門の垣根を超えてコラボレーションすることにより、大きな目標の達成を目指します。
横断的なチームを編成することの利点は、1つの部門だけの取り組みよりも、スムーズな課題解決が図れることです。
また、経営層の視点で全社的な課題に取り組む機会を得られることから、人材育成につながったり、組織全体の活性化につながったりする点もメリットといえるでしょう。
組織横断チームが求められる理由
近年、部門をまたいだ横断的なチームを編成し、課題解決に取り組む企業が増えています。背景には、以下のような理由が存在します。
- 変革を実行するため
- 縦割り型組織の弊害を取り除くため
- 意思決定の公正さを保つため
- 知見を融合させて新たな価値を生み出すため
それぞれの詳細を解説します。
変革を実行するため
ビジネスを巡る環境変化が激しい時代においては、従来のビジネスモデルを大きく変えるような変革が必要です。
デジタル化の進展によって企業に求められる生産性の水準は上がり、これまでと同じ手法で製品やサービスを提供している会社は、競合他社に後れを取るようになりました。
今やDX化の流れは、企業が競争上の優位性を確保し、生き残っていくために必須の施策となっています。
また、働き方改革の推進により、従来のように現場社員の長時間労働によって業務量をカバーする手法は通用しなくなってきています。
全社的な課題として業務改善に取り組み業務の効率性を向上させ、限られたリソースのなかで生産性向上を目指さなければなりません。
変革を実行するためには、組織の垣根を超えて知恵を出し合い、課題解決に取り組む組織横断チームの力が必要です。
縦割り型組織の弊害を取り除くため
日本企業に多い縦割り型組織は、専門性が求められる仕事に対して迅速に対応することができ、高い生産性を維持できるメリットがあります。
一方で、組織が硬直化しやすく、部門間の対立や壁を生みやすいデメリットがあることも事実です。
組織横断的なチームを編成すれば、縦割り型組織の弊害を取り除き、効率的に課題解決を図ることができます。
部門の垣根を超えて参加メンバー同士が仕事をするなかで、物事を多様な視点で見る目が養われ、問題解決能力の向上が期待できるでしょう。
普段の業務では得られない刺激を受け、モチベーションが向上したり、成長が促されたりする効果も期待できます。
意思決定の公正さを保つため
全社的な課題に取り組む際に大切なのが、意思決定の公正さを保つことです。
公正さを保つには、意思決定の影響を大きく受ける部門の関係者をチームのメンバーに加えることがポイントとなります。
これまでのビジネスモデルを大きく変えなければならない決定がくだされると、少なからず会社内に混乱が生じます。
しかし、意思決定のプロセスに当事者が関わっていれば、スムーズに決定事項を受け入れ、決定事項を行動に移していけるでしょう。
知見を融合させて新たな価値を生み出すため
一部の部門だけでプロジェクトチームを編成し、プロジェクトを実行することもありますが、参加メンバーに偏りがあると、自ずと出る意見や考えにも偏りが生じてしまうものです。
さまざまな部門から多様な経験・スキルをもったメンバーを集めることで、既成概念に捉われない新たな価値を生み出すことが可能になります。
そのため、組織横断チームを編成する際は、参加メンバーの人選が重要なポイントとなります。
組織横断チームの運営が難しい理由
組織横断チームを編成してプロジェクトを実行することには、さまざまな利点があることを解説しました。
しかし、横断的な組織を運営するには、特有の難しさが存在するのも事実です。
具体的には、以下の4つです。
- メンバーの参画意識が低い
- リーダーの負担が大きい
- メンバー構成によっては成果が出ない
- スケジュール調整や情報共有が難しい
それぞれの詳細を解説します。
メンバーの参画意識が低い
組織横断プロジェクトの参加メンバーの多くは、自分が所属する部門の日常業務をこなしながらプロジェクトの仕事も同時並行で進めることになります。
そのため、部門の仕事が忙しいことを理由にプロジェクトのミーティングを欠席したり、割り振られたタスクを期限までに処理しなかったりする人が発生します。
こうした参画意識の低さは、徐々にチーム全体に影響を与え、他のメンバーのモチベーションも下げてしまうため、注意が必要です。
他のメンバーも日常業務を優先するようになれば、当然プロジェクトの進行に大きな遅れが生じます。
リーダーの負担が大きい
部署や役職の垣根を超えて集められた参加メンバーをまとめあげるのは、簡単なことではありません。
組織横断チームのリーダーには、高いマネジメント能力が求められます。
たとえば、リーダーの権限が強すぎると、参加メンバーが委縮してしまって自由に意見がいえなくなってしまうでしょう。
反対に、リーダーのリーダーシップが不十分だと、意見がまとまらず、チームとしての方向性を失うことになります。
リーダーが適切に力を発揮できるように、チーム運営のルールづくりやリーダーに対する権限の付与に気を配る必要があります。
メンバー構成によっては成果が出ない
さまざまな部門から優秀な人材を集結させても、メンバー構成が悪いと成果が出ないため、注意が必要です。
たとえば、管理職の比率が高いと、経験の浅い参加メンバーが意見を言いづらい雰囲気が醸成されてしまうでしょう。
反対に、新人ばかりで構成されたチームでは、経験不足から実行性に乏しいアイデアばかりが集まることが想定できます。
メンバーを選定する際は、経験やスキル、役職のバランスを考慮し、議論が活発化するような構成を目指すべきです。
スケジュール調整や情報共有が難しい
組織横断チームはさまざまな部門から集められたメンバーで構成されるため、スケジュール調整や情報共有に時間がかかります。
メンバーによっては他のプロジェクトを同時並行で進めている場合もあり、メンバー同士が対面で話し合う機会をもつためには、事前の調整を綿密におこなう必要があります。
また、参加メンバーが全員同じ場所に勤務しているとは限らないため、情報共有の方法を工夫しなければ、リアルタイムで進捗を把握することは難しいでしょう。
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組織横断プロジェクトを成功させるポイント
組織横断プロジェクトには、特有の難しさがあることを解説しました。
組織横断プロジェクトを実行する際のベストプラクティスは、以下の5つです。
- プロジェクトの目的や目標を明確にし、周知する
- 参加メンバーの人選を工夫する
- 議論を「収める」ことに意識を向ける
- 経営層のバックアップ体制を強化する
- 管理ツールを導入する
それぞれの詳細を解説します。
組織横断プロジェクトを成功させるポイント1
プロジェクトの目的や目標を明確にし、周知する
プロジェクトの目的や目標が曖昧なまま新規プロジェクトがスタートしてしまうと、メンバー間に誤解が生じ、メンバー個々が異なるゴールを目指す恐れがあります。
目指すべきゴールが統一されていなければ、チームとしての力を最大化することはできません。
そのため、プロジェクト立ち上げ時に目的や目標を明確にし、周知することが大切です。
プロジェクトの最終的なゴールであるKGI(重要目標達成指標)を示すとともに、KSF(重要成功要因)およびKPI(重要業績評価指標)を明確にし、チーム全体で共有することが大切です。
とくに、キーサクセスファクター(KSF)は、目標達成に向けた方向性を提供する重要な役割を果たします。
キーサクセスファクターがチーム内に周知されることによってプロジェクトに一貫性が生まれ、効果的なコラボレーションが実現します。
組織横断プロジェクトを成功させるポイント2
参加メンバーの人選を工夫する
メンバーの人選は、組織横断プロジェクトの成否を大きく左右します。
プロジェクトの目的を達成するにあたって相応しいメンバーをバランスよく選ぶ必要があります。
ハードスキルとソフトスキルの2つの観点から考えることがポイントです。
ハードスキルとは、特定の専門知識やスキルのことです。
ソフトスキルとは、コミュニケーション能力やリーダーシップなど、対人関係の特徴のことを指します。
ハードスキルとソフトスキルの両方を兼ね備えた人物を選ぶようにすると、プロジェクトがスムーズに進行するでしょう。
注意すべきは、ハードスキルは高いものの、ソフトスキルが低い人の存在です。
特定分野に関して専門の知識があるメンバーは頼れる存在ですが、知識や経験が豊富なために、他のメンバーが意見を言いにくくなるデメリットがあります。
とくに、変革をテーマとしたプロジェクトを実行する際は、ハードスキルの高いメンバーの存在が弊害となることもあるため、人選には細心の注意が必要です。
組織横断プロジェクトを成功させるポイント3
議論を「収める」ことに意識を向ける
組織横断チームを編成してプロジェクトを進めていると、議論の方向性が広がり過ぎて、収拾がつかない状態に陥ることがあります。
議論の第一段階としては、できる限り多様な意見を出し合い、可能性を広げることが大切です。
ブレインストーミングなどの手法を活用してあらゆるアイデアを洗い出すと良いでしょう。
アイデアが一通り出揃ったら、議論を収める第二フェーズに移行することが大切です。
リーダーが中心となり、予算や人員、納期などの制約を考慮したうえで実現可能なアイデアをピックアップし、議論の方向性を明確にしていきます。
参加メンバー全員が議論を収めることに意識を集中させることにより、議論が深まりより良い結論を導くことにつながります。
組織横断プロジェクトを成功させるためには、会社内のプロジェクトの位置づけを明確にし、役員会など経営層のバックアップ体制を強化することが不可欠です。
組織横断プロジェクトを成功させるポイント4
経営層のバックアップ体制を強化する
組織横断プロジェクトのメンバーは、通常業務を抱えながら忙しい合間をぬってプロジェクトに取り組むことになります。
そのため、役員会を含めた経営層が積極的にプロジェクトを後押しする姿勢を示さなければ、セクショナリズムの弊害を取り除けなかったり、多忙を理由に途中で離脱するメンバーが発生したりするでしょう。
組織横断プロジェクトが全社的な取り組みであり、経営層がバックアップしていることを折に触れて発信し、周知する機会をもつことが重要です。
また、チームリーダーの責任ばかりが重く、適切な権限が与えられない状態は、プロジェクトの円滑な進行の妨げとなります。
経営層の判断により、リーダーに対して明確な権限を与えることも大切です。
組織横断プロジェクトを成功させるポイント5
管理ツールを導入する
組織横断プロジェクトを成功へ導くためには、チーム内のコミュニケーションや情報伝達に割く労力をできる限り削減し、プロジェクトのタスク実行に時間を費やせる環境を整えることが重要です。
そのためには、タスクやプロジェクトの進捗を効率的にマネジメントできる管理ツールの導入が効果的です。
管理ツールを導入すれば、すべてのタスクの進捗状況を見える化できます。
また、チーム内の情報共有がスムーズになることで、情報伝達の漏れや遅れを要因とするミスやトラブルの発生を防止できるでしょう。
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