報連相(ほうれんそう)は、「報告」「連絡」「相談」の頭文字を取ったビジネス用語で、すべてのビジネスパーソンに必須のスキルとして知られています。
特に、新人の頃に報連相の重要性について教育を受けた経験のある人は多いでしょう。
ビジネスマナーの1つとして定着している報連相に対し、報連相を受ける上司や管理職側の心得である「おひたし」については、深く知らない人も多いのではないでしょうか。「おひたし」は、「報連相(ほうれんそう)」に関連した言葉であり、報連相がスムーズに機能しない背景には、「上司側にも問題があるのではないか」という考えから生まれています。
近年の新入社員の3年以内早期退職率は、約3割とのデータがあります。
新入社員の離職の背景には、上司や管理職側の問題が隠れているのかもしれません。
組織の報連相を活性化するためには、部下から上司に対する報連相のスキルを向上させるだけでは不十分でしょう。
当記事では、報連相の上司側の心得である「おひたし」の定義や重要性、職場の報連相を活性化させるポイントを解説します。
管理ツールの紹介もするので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
おひたしとは
「おひたし」とは、部下から報告を受ける上司側の心得を表す言葉で、以下の4つの言葉の頭文字を取っています。
- 怒らない
- 否定しない
- 助ける
- 指示する
それぞれの詳細を解説します。
怒らない
部下からの報告が上司にとって望ましくない内容であっても、感情に任せて部下を怒ることはよい結果を生みません。
上司が部下に対して怒りの感情をぶつけてしまうと、部下は怒られたこと自体に恐怖を感じ、上司とのコミュニケーションを避けるようになります。
その結果、問題を1人で抱え込むようになり、トラブルへの対応が遅れるなど、悪循環をもたらします。
「怒る=感情のままに相手を攻撃すること」であり、ビジネスシーンでは避けるべきでしょう。
一方で、「叱る」ことは人材育成の観点から必要な場合があります。
「叱る」とは相手のためにアドバイスしたり注意したりすることをいい、問題点を論理的に指摘し、問題解決を促します。
すでに起きてしまったネガティブな事実に対して感情的に怒るのではなく、落ち着いた態度で「問題を解決するためにはどうしたらよいか」という未来に焦点を当ててコミュニケーションをはかる点が特徴です。
必要に応じて「叱る」コミュニケーションを取り入れることは、部下からの信頼を高める効果があるでしょう。
否定しない
部下の意見や考えが間違っていたとしても、頭ごなしに否定することは避けるべきです。
自分の意見を否定されると、部下は次第に報連相を躊躇するようになるでしょう。
部下の主張が明らかに間違っている場合でも、一旦は否定せずに受け入れることが大切です。
そして、その後に自分の意見を述べるように心がけましょう。
これは「イエス・バット法」と呼ばれ、相手と自分の意見が異なるものの、頭ごなしに相手を否定したくない場合に便利な話法です。
結果的に相手の話を否定することになっても、一旦相手の考えを受け入れる態度を示すことで、相手は「話を聞いてもらえた」「自分を受け入れてもらえた」と感じ、その後のコミュニケーションが円滑になります。
助ける
部下を「助ける」タイミングの判断は意外に難しいものです。
部下から「助けて欲しい」と言われた時にはすでに手遅れになっているケースが多いためです。
日頃から部下と密にコミュニケーションを取り、助けるタイミングを逃さないことが上司の役割と言えるでしょう。
「助ける」ことは、新人や若手社員に対してだけおこなえばよいのではありません。
中堅社員であっても、新しい仕事に取り組む際や、これまでと異なる立場で業務にあたる際は、不安を抱いたり、壁にぶつかったりすることがあります。
部下の動向に注意して、早めに助け舟を出すことが重要です。
また、「助ける」ことと「支援する」ことは異なります。
部下が仕事上の悩みを抱えている際は積極的に支援し、支援では足りない場合にはさらに介入して助けることが必要です。
指示する
部下から報連相を受けた後は、部下に対して何らかの指示を出します。
「指示を出す=相手の裁量権を奪う」と考える人がいますが、裁量権を与えることと何も指示しないことは異なります。
ビジネスの方向性やチームの目標など、全体的なビジョンを示したり、部下に不足しているスキルを指摘し導いたりするステップは非常に大切です。
指示を出す際に大切なことは、「指示の根拠を述べる」ことです。
「とにかくやれ」と指示されるのと、理由を丁寧に説明されたうえで指示されるのとでは、部下のモチベーションに差が生じるのは言うまでもありません。
一方で、あまりに細かく指示を出し過ぎて、部下が常に「指示待ち」状態になるのも望ましくありません。
部下の経験やスキル、性格などを考慮して適切な指示を出すことが大切です。
おひたしの重要性
おひたしの概要を解説しましたが、なぜ「おひたし」が重要なのか、さらに詳しく解説します。ポイントは、以下の2つです。
- 部下と良好な人間関係を構築するため
- トラブルに対して冷静な対応をするため
それぞれの詳細を解説します。
部下と良好な人間関係を構築するため
「おひたし」の基本は、怒りや否定などのネガティブな感情を抑え、部下の意見や考えを尊重することです。
おひたしの姿勢が身につけば、どのような状況でも感情的に部下を怒ることがなくなり、良好な人間関係が保たれるでしょう。
また、部下の心理的安全性が確保されることで、部下がストレスやプレッシャーを感じることなく上司に対して本音を話せるようになり、好循環が生まれます。
心理的安全性が高く、人間関係が良好に保たれた職場は自然にコミュニケーションが活性化し、新たなアイデアが生まれやすくなり、生産性が向上していきます。
エンゲージメント向上や離職率の低下といった効果も期待できるでしょう。
トラブルに対して冷静な対応をするため
日頃から「おひたし」の姿勢を心がければ、トラブルが発生した際に慌てることなく冷静に対応できるようになるでしょう。
トラブルを「部下のせい」と感情的に捉えるのではなく、チーム全体の問題として捉え、「解決のためにどのように行動すればよいか」と前向きに考えられるようになります。
また、上司がおひたしの姿勢を身につけていれば、部下は報連相しやすくなり、上司はミスやトラブルをいち早くキャッチできるようになります。
大きな問題に発展してから対応するとなると、想像以上に労力が要るものです。
小さなうちに対処することで、的確に問題解決できるようになります。
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部下の心得「こまつな」とは
上司側の心得である「おひたし」について解説しましたが、仕事を進める際の部下の心得を表す言葉として、「こまつな」があります。
「こまつな」とは、以下の言葉の頭文字を取ったビジネス用語です。
- 困ったら
- 使える人に
- 投げる
まとめると、「困った時はわかる人に助けてもらう」ことを意味します。
自力で問題解決することも大切ですが、わからないことを1人で抱え込むと時間も労力も無駄になることが多くあります。
困った時は、その分野に詳しい人の手を借りて指示を仰ぐ方が、仕事が円滑に進むでしょう。
上司として部下の相談に乗る際に、「この分野なら営業部の〇〇さんに相談してみては?」と提案するなど、積極的に他の人の手を借りて問題解決するように促すことが大切です。
部下が報連相(ほうれんそう)できない理由
「部下がなかなか報連相してくれない」という悩みを持つ上司は多くいます。
部下が報連相できない理由はさまざまですが、代表的な例として、以下の3つがあります。
- 報連相の仕方やタイミングがわからない
- 上司への恐怖心が強い
- 必要以上にミスを恐れている
それぞれの詳細を解説します。
報連相の仕方やタイミングがわからない
そもそも報連相の仕方やタイミングがわからない部下は多くいます。
その場の状況に応じて報連相の手段やタイミング、伝え方を使い分けられるようになることがベストですが、使い分けの判断自体が難しく、障壁になってしまっているケースです。
特に新人の場合は、上司が忙しそうにしていると報連相を躊躇してしまい、大事な報告が後回しになってしまうことがあります。
また、口頭やメール、チャットなど、どの手段を用いるべきかわからず、報連相が遅れてしまう場合があります。
特に、上司が変わったりテレワークが普及して職場の環境に変化が生じたりすると、これまで円滑におこなわれていた報連相が滞るケースがあります。
上司への恐怖心が強い
上司と部下の人間関係がうまく構築できておらず、上司への恐怖心が強い場合は、報連相が円滑におこなわれないことがあります。
部下が一方的に上司を恐れているケースもあれば、上司側に「おひたし」の姿勢が不足していることが要因の場合もあるでしょう。
いずれにしても、部下にとって上司とのコミュニケーションが不快なものと認識されてしまっており、それ自体に問題があります。
人間関係がうまく構築できていないと、報連相だけでなく日頃のコミュニケーションにも支障をきたすようになるため、注意が必要です。
必要以上にミスを恐れている
部下の心理的な要因によって報連相が滞るケースもあります。
極端にミスを恐れたり、失敗したくないという気持ちが強すぎたりする場合です。
ビジネスを発展させていく過程では、ミスやトラブルは必ず発生するものです。
大切なのは、ミスやトラブルが小さいうちに上司や関係者に共有し、対策を講じることです。
しかし、必要以上にミスを恐れる心理が働いてしまうと、自分だけで内々に収めようと考え、報連相が遅くなってしまいます。
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職場の報連相(ほうれんそう)を活性化させるポイント
部下が報連相できない背景にはさまざまな要因があることを解説しました。
これらを乗り越え、職場の報連相を活性化させるためには、以下のようなポイントがあります。
- 報連相のポイントをレクチャーする
- 報連相のルールをつくる
- 報連相のテンプレートをつくる
- 報連相しやすい雰囲気をつくる
- 管理ツールを導入する
それぞれの詳細を解説します。
報連相のポイントをレクチャーする
あらかじめ部下に対して報連相のポイントをレクチャーしておくのはよい方法です。
仕事に優先順位があるように、報連相にも優先順位があります。
たとえば、「プロジェクトの進行に影響を及ぼす問題が生じた」、「お客様からクレームがあった」などの緊急度の高い事案が発生した際は、すぐに直属の上司に報告するよう日頃から指導しておくとよいでしょう。
また、ビジネスマナーの基本として、報告の際は結論から簡潔に述べることや、自分の意見と事実は区別して述べることなど、伝え方の基本的なルールを教えておくことが大切です。
報連相のルールをつくる
報連相のタイミングがつかめない場合に効果的なのが、報連相のルールをつくる方法です。
たとえば、「毎週金曜の12時までにその週の営業実績の報告を直属の上司にメールでおこなう」、「お客様から契約外の仕事の依頼があった場合は、すぐに口頭またはチャットで直属の上司の指示を仰ぐ」など、「いつ・何を・誰に対して・どのような手段で」おこなうのか明確なルールを定めると、職場内で報連相が定着しやすくなるでしょう。
また、報連相の手段には、口頭のほか、メールや文書、電話、チャットなどさまざまなものがあります。
緊急度や重要度によってどの手段を使用すべきかのルールを定めておくことがおすすめです。
報連相のテンプレートをつくる
報連相のテンプレートを作成しておけば、新人でも迷うことなく報連相できるようになります。
具体的には、5W1Hや5W2Hのテンプレートを用いるのがおすすめです。
5W1Hや5W2Hを意識して情報をまとめることで、必要な情報を漏れなく的確に相手に伝えられるようになります。
5W1Hや5W2H以外にも、業務の内容によって必要な事項を網羅したテンプレートを作成しておけば、人によって報連相の内容や正確性に差が生じることを防ぐことができ、職場の報連相に一貫性が生まれるでしょう。
報連相しやすい雰囲気をつくる
報連相のルールやテンプレートが整備されていても、職場の雰囲気が殺伐としていては、報連相は活性化されません。
上司が常に忙しそうでイライラしていると、積極的に話しかけようとする部下はいなくなるでしょう。
日頃から部下とコミュニケーションを取り、話しやすい関係性を築いていくことが、仕事を円滑に遂行することにつながります。
メンバー全員でミーティングする機会を持ったり、1on1ミーティングを実施して一人ひとりとじっくり向き合ったりする機会を持つことがおすすめです。
管理ツールを導入する
報連相をさらに効果的かつ的確におこないたい場合は、報連相機能がついた管理ツールの導入がおすすめです。
テレワークの普及や働き方の多様化により、業務に関係するメンバー全員が職場に集まる機会が少なくなってきています。
重要な情報をすみやかにメンバー全員に効率的に伝えるためには、報連相の制度自体を変えていく必要があります。
管理ツールを導入すれば、伝えるべき相手に的確に情報を伝えることが可能です。
また、テキストとして履歴が残るため、「言った、言わない」のトラブルを回避することにもつながります。
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