プロジェクトの振り返りや反省会の実施は、問題点や課題を明確化し、今後の体制に活かしていくために必要なステップです。
振り返りや反省会の際は、フレームワークを活用すると効率的です。
フレームワークにはさまざまな種類があるため、目的に合ったものを選ぶことがポイントとなります
当記事では、プロジェクトの振り返り方法として、8つのフレームワークの使い方を紹介します。
なかでも、効果的なフレームワークとしてKPTの詳細を取り上げます。
ぜひ参考にしてみてください。
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目次
プロジェクトを振り返る重要性
「プロジェクトを振り返る」とは、プロジェクトの経緯を思い返し、良くできた点や思うようにいかなかったことを洗い出すことで改善点を明確にし、次のプロジェクトに活かしていくことです。
プロジェクトの成果だけに着目すると、成功の要因や、次のプロジェクトまでに改善すべき点が不明確なままになってしまい、今後のビジネスに活かせません。
プロジェクトの進行中や終了時にチーム内で振り返る時間をしっかり設けることで、PDCAを素早くまわせるようになり、結果としてビジネスの質が向上していきます。
プロジェクトを振り返る際に有効なフレームワーク
プロジェクトを振り返る際は、会議の場で何となくメンバー同士が意見を出し合うだけでは非効率です。
フレームワークを活用することで、効率的に問題点を明確化できます。
プロジェクトの振り返りに有効なフレームワークは、下記の8つです。
- KPT
- YWT
- ワールドカフェ
- PDCA
- LAMDA
- Time Line
- ジョハリの窓
- 4行日記
それぞれの詳しい内容を解説します。
KPT
KPTとは、「Keep(成果があり、継続すべきこと)」「Problem(課題)」「Try(次回に向けて取り組むべきこと)」の頭文字をとった言葉です。
プロジェクトの進行中に生じた良かったこと・悪かったことを洗い出すプロセスで、次のプロジェクトを実行する際に取り組むべきことを明確化していきます。
KPTは3つの事柄にフォーカスしてディスカッションできるため、効率的に振り返りを実行できる点が特徴です。
KPTは、もともとはシステム開発の分野で使用されていたフレームワークで、アジャイル開発の振り返りの手法として活用されてきましたが、汎用性の高さが支持され、現在ではさまざまな業界で用いられています。
YWT
YWTとは、「Y:やったこと」「W:わかったこと」「T:次にやること」の頭文字をとった言葉で、日本能率協会コンサルティングが開発した日本発祥のフレームワークです。
YWTは、実際におこなったことから新たな気づきを得られる点が特徴です。
プロジェクトの参加者全員の取り組み内容をチーム内で共有し、どのような行動が結果に結びついたのか、流れに沿って明確化していきます。
プロジェクトの途中でトラブルや遅延が発生した場合は、時系列でYWTを確認していくことで、どの部分に問題があったのか発見できます。
ワールドカフェ
ワールドカフェとは、会議やミーティングのような堅い雰囲気ではなく、カフェのようなオープンな雰囲気のなかでメンバー同士が自由に意見を出し合うフレームワークです。
一般的に、中規模から大規模のプロジェクトを振り返る際に活用されることが多く、チームをいくつかのグループに分けてディスカッションします。
そのあと、ローテーションしながら同じテーマで議論を繰り返していきます。
効率的にチーム内で意見交換ができ、リラックスした雰囲気のなかでさまざまなアイデアがでやすい点がメリットです。
問題点に対して突き詰めたディスカッションをしたい場合は、KPTやYWTと組み合わせて実施されることもあります。
PDCA
PDCAとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」の頭文字をとった言葉です。
計画から改善までを1つのサイクルとして捉え、改善のプロセスが終了したら再度「計画」に戻って同じサイクルを繰り返します。
PDCAの一連の流れを「PDCAサイクル」と呼び、継続的におこなうことで業務効率化や生産性向上を実現できます。
LAMDA
LAMDAとは、「Look(現地現物の観察)」「Ask(問いかけ)」「Model(モデル化)」「Discuss(議論)」「Action(改善)」の頭文字をとった言葉です。
PDCAを発展させたフレームワークで、現場の今の状況を見て、双方向のコミュニケーションを図りながら改善に臨む点が特徴です。
PDCAと似ている部分がありますが、より具体的で精度の高い振り返りを実施できます。
ただし、PDCAと比較すると使いこなす難度が高いため、振り返り文化が十分に定着し、さらに精度を高めたいニーズがある場合に適切なフレームワークといえるでしょう。
Time Line
Time Line(タイムライン)とは、プロジェクトの進行中に起こったことやメンバーの感情を付箋に書き出し、時系列に並び替えてホワイトボードに貼りだすことにより、プロジェクトを振り返る手法です。
プロジェクトは月単位や年単位に及ぶ場合があり、プロジェクト開始期に起こったできごとは忘れてしまいがちです。
時系列に沿って書き出すことにより、後々の振り返りの際に役立てられます。
また、メンバーによっては「自分が関係したトラブルやミスについてディスカッションすることは、できれば避けたい」という心理が働く場合があるでしょう。
しかし、「付箋に書き出す」という行為を経ることで、振り返りに対する心理的な障壁を取り除ける効果があります。
ジョハリの窓
ジョハリの窓とは、自己分析を通じて相互理解を促進させることでチーム内のコミュニケーションを活性化させ、ビジネスの可能性を広げるフレームワークです。
ジョハリの窓には4つの視点があることが特徴で、「自分が認識している自分」と「他者が認識している自分」とのギャップを知ることができます。
周囲に自分の感情や考えをあまり出さない人であれば、自己認識と周囲から抱かれる印象との差に驚くかもしれません。
また、自己評価が低いタイプの人であれば、周囲から意外な面を評価され、自信をもつきっかけになる場合があります。
診断結果から自分のコミュニケーションの特性を把握し、今後の仕事に活かしていくことが大切です。
4行日記
4行日記は、個人で振り返りをおこなう際のフレームワークです。
「事実」「発見」「教訓」「宣言」の順番で、その日にあったできごとを書き出していくことが特徴です。
文字数は1行あたり20文字程度とし、全体として4行で収まるようにします。
シンプルな手法ですが、4行日記を継続することで、自分の思考の癖や長所、人生の目的などが明確になり、理想の姿に近づける効果があります。
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KPTの具体的な内容
プロジェクトの振り返りに効果的なフレームワークを紹介しましたが、なかでも汎用性が高く、プロジェクトの振り返りの際に活用しやすいフレームワークがKPTです。
KPTについて、下記の観点からさらに詳しく解説します。
- KPTとYWTの違い
- KPTAとは
- KPTの手順
- KPTのメリット
KPTとYWTの違い
KPTとYWTはいずれも振り返りのフレームワークとしてさまざまな業界や組織で活用されています。
内容が似ていることから、違いがわかりにくいと感じる人がいるかもしれませんが、KPTとYWTの最も大きな違いは、その目的です。
KPTが目指す最終的なゴールは、目標達成や問題点の改善です。
YWTは、経験を振り返り、経験から得た学びを自分のものにしてさらなる成長を目指すために実施します。
この目的の違いから、複数人が関わるプロジェクトを振り返る際はKPT、個人の経験を振り返る場合はYWTと、使い分けるとよいでしょう。
KPTAとは
KPTに、「A(Action::具体的な行動)」を追加したフレームワークをKPTAと呼びます。KPTのフレームワークを活用して振り返りを実施する際に起こりがちな問題点として、Tryの提案が抽象的な内容に終始してしまい、改善に結びつかないことがあげられます。
これを解決できるのがKPTAです。
KPTにActionのステップを追加することで取るべき行動が明確になり、改善につながりやすくなります。
KPTの手順
KPTの手順は、ケースによって異なりますが、一般的には下記の流れでおこないます。
- フォーマットを作成する
- Keep・Problemを洗い出す
- 洗い出されたKeep・Problemについて議論する
- Tryを決定する
それぞれの詳しい内容を解説します。
フォーマットを作成する
大きなホワイトボードと付箋を用意し、ホワイトボードを3つのエリアに区切り、それぞれに「Keep」「Problem」「Try」と記入します。
これでフォーマットは完成です。
フォーマットをデジタル化したい場合は、ドキュメントツールなどを活用してもよいでしょう。
Keep・Problemを洗い出す
まずは参加者全員で「Keep」と「Problem」を洗い出します。
今後も継続すべき取り組みや業務のなかでよかった点、問題点などを付箋に書き出し、KeepとProblemのエリアに貼り付けていきます。
この段階ではあまり細かい事柄は気にせずに、思いつくままに関連事項をすべてを書き出すことを優先します。
洗い出されたKeep・Problemについて議論・分析する
KeepとProblemを書き出すことができたら、付箋を見ながらチーム内で議論・分析します。
付箋に書かれた事柄について補足説明したり、質問し合ったりして内容を掘り下げていきましょう。
不明な点や認識が異なる点は会議の場でしっかり議論して、メンバー全員が共通認識をもつことが大切です。
Tryを決定する
議論の過程で明らかになった問題点に対して、どのような解決策を実行していくのかを付箋に書き出し、Tryに貼り付けていきます。
できるだけ具体的な行動に落とし込むことが重要です。
問題点への対策以外にも、Keepをよりよくしていくための具体策も盛り込むとよいでしょう。
KPTのメリット
KPTのメリットは、下記の3つです。
- 課題をいち早く発見し、解決につなげられる
- 組織力が強化される
- 今後の方針が明確になる
それぞれの詳しい内容を解説します。
課題をいち早く発見し、解決につなげられる
KPTは、課題を洗い出すこととその解決策の検討を同時におこない、その場で参加者の合意を得られます。
そのため、課題の発見から解決に至るまでの流れがスムーズなことが特徴です。
KPTはプロジェクトの進行過程で定期的に実施するとともに、何らかの問題が発生した都度実施すると効果的です。
組織力が強化される
KPTではプロジェクトの参加者全員が意見を出し合い、ディスカッションしながら気づきを促したり改善へ繋げます。
チームのコミュニケーションが活性化したり連携が強化されたりすることにより、結果として組織力や生産性向上が期待できるでしょう。
また、付箋に書き出す手法を用いることで、普段意見を述べることが苦手な人でも意見を発言しやすいメリットがあります。
今後の方針が明確になる
KPTの過程でTryを設定することにより、今後やるべきことが明確になります。
やるべきことの根拠としてKeepとProblemも共有されるため、参加者はより納得感をもって改善に取り組めるでしょう。
プロジェクトを振り返る際のポイント
プロジェクトを振り返る際は、一定のルールに則っておこなうことが大切です。
ポイントは、下記の3つです。
- 個人のミスを批判したり責任を追及したりしない
- 定期的に実施する
- プロジェクト管理ツールを活用する
それぞれの詳しい内容を解説します。
個人のミスを批判したり責任を追及したりしない
一般的に、プロジェクトの振り返りは、プロジェクトマネージャを中心におこなわれます。
プロジェクトマネージャは、チーム全体を管理する立場として、振り返りの場が個人のミスを批判したり責任を追及したりする場にならないよう配慮する必要があります。
トラブルの要因が個人のミスによるものだったとしても、「チームとして、トラブルを回避するためにできたことはなかったか」という観点で意見を出し合うべきです。
プロジェクトマネージャがある程度議論の方向性や時間配分を示し、サポートする必要があります。
定期的に実施する
プロジェクトの規模や期間によって違いはありますが、振り返りはできるだけ定期的におこなうことが大切です。
概ね1か月に1度程度を目安にするとよいでしょう。
プロジェクトマネージャの経験値や、プロジェクトの内容によってはもっと高い頻度で実施してもかまいません。
継続して実施することで新たな学びがあり、チームが成長していくプロセスが実感できるはずです。
プロジェクト管理ツールを活用する
プロジェクトの振り返りをおこなう際は、これまでの経緯を思い返し、時系列にできごとを整理するステップが不可欠です。
ホワイトボードと付箋を活用してアナログな方法で整理することも可能ですが、漏れが発生しやすいデメリットがあります。
そこでおすすめしたいのが、プロジェクト管理ツールの導入です。プロジェクト管理ツールを活用すれば記録が残るため、必要なときにいつでもプロジェクトの経緯を簡単に確認でき、振り返りに活かすことができます。
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Jootoでプロジェクトの振り返りを効率化しよう
Jootoは使いやすさを追求したカンバン方式のタスク・プロジェクト管理ツールです。
一般的に、プロジェクトの規模が大きくなるほどやるべきことが多くなり、プロジェクトマネージャをはじめとする管理者の負担は大きなものとなります。
プロジェクトを成功に導き、さらに次のプロジェクトに経験を活かしていくためには、振り返りが重要な役割を果たすことはいうまでもありません。
Jootoを活用すれば、チームのタスクの進捗状況や履歴を一目で把握できます。
振り返りのミーティングを実施するために新たな資料を作成する必要はなく、参加者はJootoを見ながらタスクの進捗状況や課題、今後の方針を話し合うことが可能です。
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