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わかさ生活広報部のTwitter運用術
自社の認知拡大のため、今や活用必須のTwitter。ですが、事業や商品の紹介を投稿するだけではファンの獲得は難しいもの。ときに”中の人”の人間味溢れる投稿が、Twitterユーザーの心を掴むことも往々にしてあります。
そんな中、Twitterの投稿文の制作やリサーチにどれくらい時間をかけるべきかなど、運用に悩んでいる担当者は多いのではないでしょうか。そこで今回は、馬のかぶりものがすっかりトレードマークのわかさ生活の広報部さんにインタビュー。フォロワー6万人に到達するまでの軌跡や、運用のコツを伺いました。
フォロワー数人の鍵アカユーザーから、企業の公式アカウントの中の人へ
——親しみのある投稿で人気沸騰中の、わかさ生活の公式Twitterアカウント。現在の担当者である、馬のかぶりものをした広報部さんが運用を始めたのはいつ頃からでしょうか?
わかさ生活広報部さん:アカウント自体は2010年からありましたが、私自身は2020年の7月から運用しています。面接時に「広報部でTwitterの運用をしたい」と話していたんです。入社後は晴れて広報に配属され、Twitterの中の人となりました。
——もともとTwitterのヘビーユーザーだったのですか?
わかさ生活広報部さん:いえ。Twitter自体はやっていましたが、フォロワー数人の非公開アカウントでした。表向きに発信などは特にしていませんでしたね。
——では、運用直後は苦労されたのでは?
わかさ生活広報部さん:そうですね。もともとプレゼントキャンペーンをきっかけにフォローしてくれた人がフォロワーの過半数を占めていたということもあり、運用を始めて3週間ほどでフォロワーが100人くらい減ってしまって。当時は投稿をしても10〜20いいねくらいの反応がほとんどで苦戦していましたね。
——風向きが変わったきっかけは何だったのでしょう。
わかさ生活広報部さん:Twitterのトレンドにあがっていた「#ぴえんアイ」というハッシュタグを使ったこのツイートが、当時のフォロワー数からするといいねも伸びてプチバズりしたんです。それ以降、社外の人にもアカウントが認識され、それが上司にも伝わり、以降は比較的自由に投稿させてもらえるようになりました。
プチバズを機に運用を一任。普通じゃつまらないので馬になる
——当初は、主にわかさ生活の公式キャラクター「ブルブルくん」が登場していたわかさ生活の公式アカウント。途中から、広報部さんご自身が登場し始めたのには何か理由があるのでしょうか。
わかさ生活広報部さん:徐々にネタ不足に陥ってしまって。なので、意を決して私自身が中の人として登場しようと思いました。当時、新卒である等身大の自分を見せることによって、大学生の方達からは身近に感じてもらえると思ったし、わかさ生活のメインターゲットである40代以降の女性からは、自身の子どもを見守るような感覚になってくれたらいいな、と。
——なぜ馬のかぶりものをして登場されたのでしょう。
わかさ生活広報部さん:最初は「ブルブルくん」のお面をつけて登場しようと思ったんですが、それだと普通じゃないですか。もう少しインパクトが欲しいと思って「動物 かぶりもの」で検索をかけて、1番写真映えする馬のかぶりものをセレクトしました。
——ちなみに、上司には何と伝えたのでしょうか。
わかさ生活広報部さん:最初は「えっ?」と驚かれましたが、なんとか許可もらい、経費の承認もおりました(笑)そのときはちょうどアカウントが注目され始め、Webメディアに初めて取材していただいたりしていて。今まで社長以外の社員が取材を受けるようなことがあまり無かったので、 前例のない動きをしている自分に一任してもらえたんだと思います。
▲Twitter運用により社内の最優秀新人賞を受賞したわかさ生活広報部さん。
——上司の方も公式アカウントの活動を認めてくれているんですね。
わかさ生活広報部さん:社内の人間からは、よく「独自の道を走っているよね」と言われますね(笑)
ポリシーとこだわりを胸に、エゴサは1日最低でも30回以上
——わかさ生活広報部さんの1日のスケジュールを教えてください。
わかさ生活広報部さん:これはとある日のスケジュールです。他の広報業務もあるので、Twitter運用にかける時間は日によって変わってきますね。その中でもエゴサーチは1時間に2回以上、1日最低でも30回以上はしていると思います。
——かなり高頻度ですね。
わかさ生活広報部さん:リアルタイムにこだわっているんです。わかさ生活関連のツイートを呟いてくれた人には、なるべく早くいいねをしたくて。投稿の5分後に公式アカウントからいいねがくるのと、8時間後にいいねがくるのでは印象が違ってくると思うんですよね。
——確かに、熱心な企業だなと感じます。
わかさ生活広報部さん:いいねをした人の中には「公式からいいねきた」というキャプチャ画像を投稿してくれる人もいます。そのツイートに対してもすぐ返信して、ユーザーとのコミュニケーションが生まれるように意識していますね。
——エゴサーチはどんなワードでされているのでしょう?
わかさ生活広報部さん:エゴサーチするワードは、「わかさ生活」や「ブルーベリーアイ」、「ブルベリアイ」などをチェックしていますね。あとはCMのフレーズでもある「ブルブルアイアイ」や「ブルブルブルブル」なども。
——自社関連以外のワードでリサーチすることはありますか?
わかさ生活広報部さん:わかさ生活の商品について言及していなくても「ドラッグストアにブルーベリーサプリ買いに行かなくちゃ」という投稿などにもいいねはしにいきます。いいねからプロフィールを確認してもらえたら、わかさ生活でもブルーベリーサプリを販売していることを認知してくれると思うので。
——潜在購買層にもアプローチをされているんですね。
わかさ生活広報部さん:ただ、1つポリシーがあって、他社の商品名を呟いていたり、他社の商品パッケージの写真を投稿している場合はいいねしないようにしていますね。
トレンドワードに沿った投稿で脅威の970万インプレッションを叩き出す
——フォロワーの反応を見極めるうえで、重要視している指標はどこですか?
わかさ生活広報部さん:いいね数ですね。少しマニアックな話なんですが……1分で15いいねが付き、10分で70~80いいねが付くと「平均的な反応だな」と感じます。また、「いつもより調子が良いな」と感じるのは、1分で20いいねが付き、10分で100いいねに到達しているとき。さらに、20分で150~200いいねが付いてると、400~800いいねに着地していることが多いです。逆に、1分で3いいねほどだと「スベったな」と感じますね。
——1日の投稿数は決めているのでしょうか。
わかさ生活広報部さん:投稿自体は1日最低でも10投稿はするようにしています。投稿内容は基本的に8割は雑談です。残りの2割は商品や自社についてですね。
——投稿内容を考えるうえで参考にしているものはありますか?
わかさ生活広報部さん:Twitterのトレンドワードを参考にしています。「おすすめ」と「トレンド」タブのワードは1時間に1〜6回はチェックしていますね。ちなみに、一覧には関西のトレンドワードなども表示されますが、局所的な話題のため、反応は薄いのでなるべく全国のトレンドワードを見るようにしてますね。
——投稿に反映するワードは何を基準に決めていますか?
わかさ生活広報部さん:わかさ生活のアカウントが自然に乗っかれるワードやハッシュタグを選ぶようにしています。また、あくまで主観ですが「このトレンドやハッシュタグは一時的でなく、長くおすすめに載り続けるな」と感覚で思うワードを選ぶようにしています。
——中でも多くの反響を呼んだツイートはありますか?
わかさ生活広報部さん:先日「#欠勤届を提出した」というハッシュタグに乗っかって呟いたのがバズりましたね。このハッシュタグが企業アカウントが乗りづらいワードだったということもあり、ブルーオーシャンだったのも関係しているかもしれません。旬なトレンドワードはタイミングが命。1分でも早く投稿することで、反応は変わってくると思っています。
——すごいインプレッション数になりそうですね。
わかさ生活広報部さん:970万インプレッションまでいきました。このアカウント自体の月間のインプレッション数と同等の数です。1投稿でこのインプレッション数は今後もなかなか見れないと思います。 また、この投稿が掲載された記事が「Yahoo!ニュース」や「LINE NEWS」のトップにあがったこともあり、Twitter上でも「自動ドア 2週間」を含むツイートが非常に多く投稿されていました。この影響で、「2週間」という単語がおすすめのトレンドワードにもなって驚きましたね。
ネタがないときはネタがないことをネタにするくらいの気持ちで
——わかさ生活の公式アカウントの今後の展望は?
わかさ生活広報部さん:もちろん、わかさ生活の商品を知ってもらうきっかけになれたらとは思っていますが、たまに社員から「今日商談で『Twitter見てます』って言われたよ」とか言われるとすごく嬉しくて。あとは、就活生がTwitterをきっかけにわかさ生活に興味を持ってもらえるようになったらいいな、とも。そんな風に社内外で役に立てるアカウントでありたいと思っていますね。
——最後に、企業アカウントの運用者にアドバイスをください。
わかさ生活広報部さん:とにかくアカウントを動かすことが大切だと感じています。Twitterのアナリティクス的にも、活発なアカウントの方が優遇されるという話も聞きますし。ネタがないときは、ネタがないこと自体をネタにして投稿する、くらいのスタンスがいいと思います。
まとめ
広報において重要視される施策の1つ、Twitterの運用。わかさ生活の広報部さんに習い、トレンドワードに合わせた投稿を続け、社内外からの評判を読んだところで、自由に投稿を制作させてもらう、という流れがスムーズなTwitter運用に繋がりそうです。また、タイムリーなエゴサーチでコミュニケーションを生むのも、ファンを増やすためには大切な時間。ぜひ、Twitter運用を任されている担当者の方は参考にしてみてください。
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