指標化とは、目標に対する到達度合いを測るために定量的な基準を設定することです。
目標への到達度を可視化し、客観的な視点で評価するために必要なステップです。
指標の設定とその達成度を測ることは、企業のリーダーやプロジェクトをマネジメントする立場のビジネスパーソンにとって必須のスキルといえるでしょう。
指標をうまく活用すれば、仕事のパフォーマンスが向上したり、メンバーのモチベーションがアップしたりといった効果が期待できます。
しかし、その場しのぎの指標や実現困難な指標を設定してしまうと逆効果になることもあるため、注意が必要です。
本記事では、指標化の重要性や指標の設定方法、指標化を実行する際のポイントなどを解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
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目次
指標化とは
指標化とは、物事の評価基準や状況判断の目安を定めることです。
ビジネスにおいては、目標への到達度を定量的に測るために、売上高や収益率、生産性などをデータとして数値化して指標とすることが多いでしょう。
指標を定めておくことで、現在の状況を客観的な視点で分析し、把握できるようになります。
指標化は、システム開発といったプロジェクトを推進する際にも重要な役割を果たします。
目標達成に指標化が重要な理由

目標を達成するにあたり、定量的な指標を設定することには大きな意義があります。
主な理由は、以下の4つです。
- 行動計画が立てやすくなる
- 主観を排除し、客観的に評価できる
- 進捗を把握しやすくなる
- メンバーのモチベーションアップにつながる
それぞれについて詳しく解説します。
行動計画が立てやすくなる
指標を設定することで、今何をすべきなのかが明確になり、行動計画が立てやすくなります。
例えば、「第一四半期末までに売上高1,000万円を達成する」という目標数値を定めた場合、ゴールから逆算して1ヶ月単位、週単位、日単位の目標に落とし込み、行動計画へとつなげることができます。
指標があることでやるべきことが明確になり、自然に業務効率があがっていくのです。
結果として組織全体の生産性向上へとつながっていくでしょう。
主観を排除し、客観的に評価できる
指標を定めることは、プロジェクトやメンバーの成果を正しく評価することにつながります。
指標がない状態でメンバーを評価すると、評価に主観が入りやすくなり、公平性が失われがちです。
一方で、「新規顧客獲得数10名」という明確な指標が存在する場合、達成または未達成の基準が明らかであり、評価される側にも納得感が生まれます。
もし目標が達成できなかった場合でも、どのくらい足りなかったかが明らかになるため、次回に向けてのアクションプランが立てやすくなります。
進捗を把握しやすくなる
現在の進捗がわかりやすくなる点も指標化のメリットです。
特に、プロジェクトにおいて納期を守ることは非常に重要です。
プロジェクトの達成度合いを定量的に把握できる指標が設定されていれば、プロジェクトの途中でも達成度合いを簡単に把握でき、計画通りに進行しているかどうか判断しやすくなります。
必要に応じてリソースの追加やスケジュールの変更、優先順位の見直しといった対応もとりやすくなるでしょう。
メンバーのモチベーションアップにつながる
指標化は、メンバーのモチベーションアップの要因となります。
具体的な数値が示されずに「売上アップに向けて頑張ろう」と言われても、何をどのくらい頑張ればよいのかわからず、行動につながりにくいでしょう。
これに対して「新規顧客獲得数10%アップに向けて半年以内に50名獲得を目指そう」と示されれば、やるべきことが明確になるはずです。
具体的な数値が示されることによって達成感を感じやすくなり、意欲的に仕事に取り組めるようになります。
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目標達成に有効な指標の種類

目標達成に向けた指標には、すでに確立されたいくつかの種類があります。
それぞれの言葉の意味を理解し、使い分ける必要があります。
主な指標は以下のとおりです。
- KGI(重要目標達成指標)
- KPI(重要業績評価指標)
- KSF(重要成功要因)
- OKR(成果指標)
それぞれについて詳しく解説します。
KGI(重要目標達成指標)
KGIは「Key Goal Indicator」の頭文字を取った言葉で、日本語で「重要目標達成指標」と呼びます。
企業や組織が最終的に達成したい目標を定量的にあらわしたもので、売上高や成約数、業界シェアなど、数値で表現できる内容を設定するのが一般的です。
企業の経営目標やビジョンは抽象的なものになりがちですが、KGIを設定することによって企業が目指す方向性が明らかになり、目標への達成度合いを測りやすくなります。
KPI(重要業績評価指標)
KPIは「Key Performance Indicators」の頭文字を取った言葉で、日本語で「重要業績評価指標」と呼びます。
KGIを達成するために必要な具体的な指標を定めたものです。
KPIの一つひとつを達成することでKGIに到達できるような設定が大切です。
KPIは、最終的なゴールに到達するための中間指数ともとらえられます。
例えば、売上高をKGIとした場合、「新規契約数を増やす」「リピーターを増やす」「販売チャネルを増やす」などがKPIとして想定されるでしょう。
KSF(重要成功要因)
KSFは「Key Success Factor」の頭文字を取った言葉で、日本語で「重要成功要因」と呼びます。
企業や組織が最終的に達成したい目標(KGI)に到達するために必要な要素のことです。
企業戦略を具体化する重要な役割を果たすKSFは、市場や競合の動向などの外的要因と、自社の特徴や強みなどの内的要因を考慮して設定します。
KSFを設定することにより、企業が今後注力すべきポイントが明らかになります。
KPIもKGIを達成するための要素としての位置づけですが、KSFはKPIを設定する際の指針となるものです。
例えば、「売上高20%アップ」をKGIとした場合、それを具体的な施策(KPI)に落とし込むのは容易ではありません。
前段階としてKSFを決めることで、KPIの方向性が明確化します。
OKR(成果指標)
OKRは「Objectives and Key Results」の略語で、「目標と主要な結果」を意味します。
組織目標とともにその達成度を測る「主要な成果」を設定することで、組織目標と従業員の目標をリンクさせ、組織が一丸となって目標達成に向けて行動できる状態になることを目的としています。
シンプルでチャレンジングな課題を目標(Objectives)に設定し、それをチームや個人単位で達成すべき複数の具体的な目標(Key Results)へ落とし込んでいくことが特徴です。
目標(Objectives)は定量化する必要はなく、「お客様満足度を高め、業界シェアナンバーワンを目指す」「〇〇におけるリーディングカンパニーになる」など、従業員やメンバーが魅力を感じ、チャレンジしてみたいと思う内容にすることが大切です。
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指標設定のステップ

指標設定は、以下のステップに沿って行うと効率的です。
- KGIを設定する
- KSFを絞る
- KPIを決める
- KPIツリーを作成する
- 行動計画を立てる
1.KGIを設定する
まずは最終的に目指すべき目標(KGI)を設定します。
KGIは数値化し、実現可能であることが大切です。
「利益率前年度比20%アップを達成する」など、結果を客観で評価できるような内容にします。
2.KSFを絞る
次に、KSFを設定します。KSFを考えるにあたっては、KGIを達成するためにはどのようなプロセスが想定できるかという観点が大切です。
プロセスは、できるだけ多角的に検討していきます。
「利益率アップ」が最終目標の場合、KSFとして「コスト削減」や「顧客単価アップ」などが想定できるでしょう。
3.KPIを決める
KSFに対して、KPIを設定していきます。
「顧客単価アップ」がKSFの場合、「アポイント件数」や「ECサイトの回遊率」など、KSFを達成するための要素としてKPIを設定していくことがポイントです。
4.KPIツリーを作成する
KPIの設定ができたら、KPIツリーを作成します。
KPIツリーとは、最終目標(KGI)に至るまでに必要な要素を階層別に整理し、ツリー状に可視化したものです。
1つのKGIに対してKPIは複数存在します。
「どうすれば目標達成できるか」が可視化されるため、必要なアクションをとりやすくなります。
5.行動計画を立てる
最後に、KPIを実現するための行動計画を立てます。
例えば、「回遊率を10%アップさせる」がKPIの場合、「内部リンクを設置する」「情報量を増やす」などの行動計画が想定できるでしょう。
具体的な行動を洗い出し、優先順位をつけて実行していきます。
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指標化を実行する際のポイント

指標化を実行する際は、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
なかでもSMARTの法則はプロジェクトの目標設定時にも活用すべきフレームワークのため、よく理解しておくとよいでしょう。
ポイントは、以下の6つです。
- 定量化できる指標を設定する
- KPIはSMARTの法則に則って設定する
- KPIを多く設定し過ぎない
- 環境の変化に柔軟に対応できるようにする
- 定期的に振り返り、フィードバックする
- 管理ツールを導入する
それぞれについて詳しく解説します。
定量化できる指標を設定する
指標は、誰にとってもわかりやすく、結果を評価しやすいものでなければ意味をなしません。
そのため、定量化できる数値目標を設定する必要があります。
例えば、顧客満足度や従業員のエンゲージメントなどは定量化が難しいと感じるかもしれませんが、「顧客や従業員に対してアンケートを実施し、5点満点で4.2以上を獲得する」など、できる限り数値化することが大切です。
「満足度をアップさせる」などの抽象的な指標は公平な評価ができないため、注意しましょう。
KPIはSMARTの法則に則って設定する
KPIを設定する際は、目標設定のフレームワークであるSMARTの法則を意識しましょう。
SMARTの法則の定義は、以下のとおりです。
- Specific(具体的である)
- Measurable(測定可能である)
- Achievable(達成可能である)
- Realistic(現実的である)
- Time-bound(期限が定められている)
SMARTの法則を意識することで指標に具体性が生まれ、やるべきことが明確になるでしょう。
KPIを多く設定し過ぎない
KPIはできるだけ細分化したほうがよいと思うかもしれませんが、多すぎるKPIは管理が煩雑になり、業務効率に悪影響を及ぼす恐れがあります。
従業員やメンバーのモチベーション低下にもつながりかねません。
そのため、KPIを広く洗い出したあとに、絞るステップが必要です。
KSFにつながる最低限の個数に絞ることを心がけましょう。
環境の変化に柔軟に対応できるようにする
指標は、環境の変化に応じて柔軟に修正しましょう。
経済の動向やメンバーの離職など、プロジェクトや業務を遂行する過程では予測不可能な事柄が発生する場合があります。
最初に定めた指標が達成困難であることが判明したら、目標数値を見直すなど、柔軟に対応していくことが大切です。
定期的に振り返り、フィードバックする
指標を設定したら定期的に数値の推移を振り返り、結果をフィードバックする機会を設けることが大切です。
月に1回や四半期に1回、半期に1回など、あらかじめ頻度を決めておくことで指標設定の効果を高められるでしょう。
指標に対する到達度が低かった場合は要因を分析し、改善策を考えることが大切です。PDCAサイクルを回していくことで、精度の高い指標が設定できるようになります。
管理ツールを導入する
指標の効果を高めるためには、メンバー間で情報を共有し、常に指標に対する進捗の度合いを把握できることが大切です。
指標の管理・運営方法にはさまざまな方法がありますが、ExcelやWordなどでKPIツリーを作成して管理する方法が一般的でしょう。
しかし、ExcelやWordを使用した指標管理では、最新の指標の達成度合いを把握することが難しいというデメリットがあります。
例えば、予実管理機能が塔載された管理ツールを導入すれば、現時点の目標と実績の差が明らかになり、達成度合いの把握が容易になるでしょう。
Jootoを活用して指標管理を効率化しよう

Jootoはシンプルな操作性が特徴のタスク・プロジェクト管理ツールです。
基本操作はドラッグ&ドロップだけのため、すぐに使いこなすことができます。
ビジネスプランおよびタスクDXプランで利用できる予実管理機能を活用すれば、タスクごとに予定と実績の数値を設定できるため、指標に対する進捗度を定量的に把握できます。
パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からもアクセスできるため、いつでも最新の情報にアクセス可能です。
指標管理を効果的かつ効率的におこないたい場合は、ぜひJootoの導入をご検討ください。
よくある質問
指標化についてよくある質問をまとめました。
指標ってどんな意味?
指標とは、状況や変化を示すための目安となる数値や基準のことです。
ビジネスにおいては、目標への到達度を定量的に測るために、売上高や収益率、生産性などをデータとして数値化して指標とすることが多いでしょう。
目標と指標の違いとは?
目標は最終的なゴールや目指す状態を指します。一方、指標は「目標がどの程度達成されているか」を測るための具体的な数値や基準のことです。
ビジネスにおける指標化とは?
ビジネスにおける指標化とは、目標への到達度を定量的に測るために、売上高や収益率、生産性などを数値化して指標とすることです。
業務の指標とは?
業務の指標とは、業務やプロジェクトの進捗や成果を測るために用いられる数値のことです。
指標化のメリットとは?
指標化の主なメリットは以下のとおりです。
- 行動計画が立てやすくなる
- 主観を排除し、客観的に評価できる
- 進捗を把握しやすくなる
- メンバーのモチベーションアップにつながる
SMARTの法則とは?
目標設定のフレームワークであるSMARTの法則の定義は、以下のとおりです。
- Specific(具体的である)
- Measurable(測定可能である)
- Achievable(達成可能である)
- Realistic(現実的である)
- Time-bound(期限が定められている)
SMARTの法則を意識することで、やるべきことが明確になるでしょう。
KGIとは?
KGIは「Key Goal Indicator」の頭文字を取った言葉で、日本語で「重要目標達成指標」と呼びます。
企業や組織が最終的に達成したい目標を定量的にあらわしたもので、売上高や成約数、業界シェアなど、数値で表現できる内容を設定するのが一般的です。
KPIとは?
KPIは「Key Performance Indicators」の頭文字を取った言葉で、日本語で「重要業績評価指標」と呼びます。
KPIは、KGIを達成するために必要な具体的な指標を定めたものです。
KSFとは?
KSFは「Key Success Factor」の頭文字を取った言葉で、日本語で「重要成功要因」と呼びます。
企業や組織が最終的に達成したい目標(KGI)に到達するために必要な要素のことです。
OKRとは?
OKRは「Objectives and Key Results」の略語で、「目標と主要な結果」を意味します。
組織目標とともにその達成度を測る「主要な成果」を設定することで、組織目標と従業員の目標をリンクさせ、組織が一丸となって目標達成に向けて行動できる状態になることを目的としています。
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