株式会社PR TIMES(東京都港区、代表取締役:山口拓己、東証プライム:3922)が運営するタスク・プロジェクト管理ツール「Jooto(ジョートー)」は、DX(デジタルトランスフォーメーション)を妨げる運用問題の解決を目的に、行動分析学の専門家である法政大学の島宗理教授と共同で組織行動マネジメントに関する研究を開始します。
共同研究の背景
コミュニケーションや生産性などの業務プロセスの改善に情報技術を役立てようとする企業が増えています。日本能率協会による調査(*1)によれば、調査対象企業の半数以上、大企業では8割以上がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいます。DXによる変革の必要性が高まる中、総務省の調査(*2)ではクラウドツールを利用している企業の割合は70.4%と7割を超え、前年の68.7%から1.7ポイント上昇しています。
一方で、クラウドツールの導入に失敗するケースも多い現状があります。アイティクラウド株式会社が行った「SaaS製品選びに関する経営者の実態調査」(*3)では、7割弱の経営者が、過去にSaaS製品の導入に失敗した経験があると回答しました。

一度、導入に失敗すると、社員の中でツール全般や変化すること自体に抵抗感が生まれたり、導入推進者が社内から批判されたりと、DXやクラウドツール導入に対してよくない影響が生じる可能性があります。さらには、代替ツールの選定・導入など新たな負担が増え、ますます遅れが生じる事態が予測されます。
実際に使ってみて自社に合わなかった、コストがかさんで運用が続かなかったというケースももちろんあると思いますが、クラウドツールは導入することがゴールではなく、導入後にチーム全員が日々活用でき業務改善に役立ってこそ価値を発揮するものです。
私たちJootoも多くのお客様の導入に伴走する中で、導入時の明確な「運用ルール設計」がその後の活用に大きく影響し非常に重要であると実感しています。ツールという環境を用意しても、実際にどう手を動かすべきかの指針がなければ浸透しません。クラウドツールの活用で躓く要因のひとつは運用ルールにあると考えています。属人的でなく、精度と再現性の高い運用ルールを科学的に検証できないかと考え、マネジメント分野の行動分析学に詳しい島宗教授との共同研究開始に至りました。
(*1)「日本企業の経営課題2022」https://www.jma.or.jp/img/pdf-report/keieikadai_2022_report.pdf
(*2) 令和4年5月27日公表 総務省「令和3年通信利用動向調査」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/220527_1.pdf
(*3)「SaaS製品選びに関する経営者の実態調査」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000089.000033567.html (出典: https://www.itreview.jp)
目的と期待する効果
本研究の目的は、クラウドツールの導入における運用ルールを科学的に検証することです。例えば、定例会議で確認する担当案件数や商談数などの定常数字は予めツールに登録しておくことに決め、そのような運用ルールを守る支援をすることで、会議は円滑に進み、組織の業績にも好影響をもたらすかもしれません。こうした運用ルールの決め方や運用ルールを守る支援方法を、組織行動マネジメントの研究によって明らかにしていきます。
研究実験はまず当社内の特定部門にて始めており、今後お客様にもご協力を仰ぎながら様々な企業・部門で段階的に実験を進めていく予定です。研究結果は2023年秋頃に国内の学会で公表およびプレスリリース発表できるよう進めるほか、多様な業態やプロジェクトで研究を縦横に展開の上、Jooto以外のクラウドツールにも応用できる汎用的な知見を蓄積し、研究成果を公表することで、日本におけるDX推進に貢献したいと考えています。
また、研究結果を用いたJootoの機能改善もあわせて検討してまいります。ご提供する運用ルールの精度を上げるとともに、デジタルの力で解決できる点においては積極的に機能の改善・追加を実装していきます。
共同研究者コメント
法政大学 文学部心理学科教授 島宗 理 氏
業務のデジタル化がゴールではなく、業務をデジタルで支援することが目的であるという方針に賛同しました。これからの行動マネジメントには効率を上げるだけはなく、やりがいが感じられることも求められます。SNSと共に育ってきた世代が増えていくなか、楽に、楽しく仕事をして、かつ成果を生みだせるように支援できるマネジメント手法を共同研究として探索し、システムとして実装することに貢献できれば幸いです。
<プロフィール>行動分析学、パフォーマンスマネジメント、インストラクショナルデザインを専門とし、『パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学―』、『使える行動分析学―じぶん実験のすすめ―』、『ワードマップ応用行動分析学』など著書多数。世の中に役立つ心理学を研究し、実践する。近年では、長野県に新設される予定のインクルーシブ小学校を支援し、カリキュラム開発とDXについて行動分析学に基づいた助言を行っている。

株式会社PR TIMES Jooto事業部 片岡 茉理
2022年5月より提供しているJooto導入支援プログラムを通して、各社の導入・活用定着においてお客様と伴走してまいりました。その中で、スムーズに活用が進む企業とそうでない企業の両社に出会い、その違いは何なのかを思考した結果、「運用ルール」の重要性にたどり着きました。また、私自身がクラウドツールの導入を社内で進めた経験の中で、ツールを使う社員数が増えれば増えるほど問題が増え、使いづらいといった声があがり、なかなか浸透しない…そんな多くの苦戦を経験してきました。ツールの導入・定着における課題はJootoだけでなくクラウドツール全体で起きており、カスタマーサクセスや導入推進者の努力によって、なんとか進んでいる状況ではないかと感じています。本共同研究を通じて得た知見、ノウハウを多くの皆様にお届けできるよう、島宗教授とともに研究に尽力してまいりたいと思います。

共同研究にご協力いただけるお客様を募集
今後は、当社内だけではなく、 Jootoをすでにお使いのお客様やこれから使ってみようとご検討されているお客様の中からも、研究にご協力いただけるお客様を募集いたします。具体的な研究内容や時期はご相談して決めていきます。
対象:
・2023年3月31日(金)までにお申し込みいただいたJootoユーザーの方
(お申込み時にアカウントがない場合でも、3月31日(金)時点でJootoアカウントをお持ちであれば構いません。)
・5人以上のチームでJootoをご利用されている/ご利用予定の方
条件:
・お申込みいただいた方には個別にご連絡させていただき、Jootoの活用状況、研究内容や時期を踏まえて、正式に研究への参加可否を確認させていただきます。その際には、研究協力に関する同意書にご署名いただく必要がございます。
・謝礼金はございません。研究協力に際して費用が発生する場合はお客様負担となりますが、当社メンバーや島宗教授のJootoアカウント費用については当社が負担いたします。
お問い合わせ先: https://www.jooto.com/contact/
プレスリリース本文:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001252.000000112.html
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