コメントでの活発なコミュニケーションにより
部署全体で業務を進めようとする意識が高まった
抱えていた課題
各担当者に業務管理を任せっきりになり、進捗にばらつきがあった。
タスクの進捗状況を管理者や関係者が把握しきれず、抜け漏れのトラブルも起きていた。
会議で「ネクストアクション」を決めても実行されているかどうか曖昧になっていた。
解決したこと
進捗状況の「見える化」により、管理者や関係者がフォローし易い環境になった。
タスクに管理職を組み込むことで責任の所在が明確になり、業務進行がスムーズになった。
Jootoで皆に情報を共有することで、会議で自発的な発言が増えて議論が活発になった。
大阪府大阪市に本社を置くクラボウは、2024年に創業136年を迎える企業だ。同社では、「繊維事業」「化成品事業」「環境メカトロニクス事業」「食品・サービス事業」「不動産事業」の5つのセグメントで事業を展開。人々の暮らしや社会を豊かにする製品やサービスの提供を目指して、幅広い事業に取り組んでいる。
Jootoを利用しているのは、同社の熊本事業所。熊本事業所は技術課・品質管理課・精密製品課・総務課で構成されており、半導体製造装置メーカーやパーツメーカー向けに部品供給を担っている。導入前、同部署では業務を進めるうえで各担当者に任せっきりになりがちで進捗にもばらつきがあり、タスクの抜け漏れなどのトラブルも起きていた。そこで、課題解決に向けてJootoを導入したという。
今回は、同社熊本事業所技術課の名和正浩(なわ・まさひろ)氏にお話を伺い、導入後、部署内でどのような変化が起きたのか、詳しく聞いた。
明治21年繊維事業の会社として創業
長い歴史において幅広く事業を拡大
― 御社について教えてください。
弊社は1888年(明治21年)、岡山県倉敷市で「有限会社倉敷紡績所」として繊維事業をスタートし、2023年には135年目の節目を迎えました。135年の歴史において繊維事業で培った技術を応用し、事業領域を拡大。現在では、繊維、自動車、住宅、エレクトロニクス、半導体、環境プラント、バイオメディカルなど、幅広い分野で事業を展開しています。
― Jootoを利用している部署についてお聞かせください。
Jootoを利用しているのは弊社熊本事業所です。熊本事業所には技術課・品質管理課・精密製品課・総務課があり、半導体製造装置メーカーやパーツメーカー向けの部品供給などの業務を行っています。具体的には一般部品供給の他にメーカーから「こういうものを作れませんか」「こういう検証(分析)をしてもらえませんか」などの開発業務や検証業務等も案件として受注し、対応しています。
― 名和様の業務について教えてください。
熊本事業所では、業務を遂行するうえで「技術・品管・営業」の三位一体となって取り組むことを意識しています。私は部署のグループリーダーとして、技術側面の管理全般を任されています。
案件数の多さと業務の属人化により
タスクの抜け漏れや期限超過が発生
― Jootoを導入するに至った背景についてお聞かせください。
各担当者の業務遂行能力に頼る部分が多く、作業の進捗にばらつきがあるのが課題となっていました。また、案件数が多いため多種の管理表が作成されており、業務を一元管理できていない点も問題でした。これらの課題を解決すべく、Jootoの導入を決めました。
― Jooto導入前、業務において何が問題となっていましたか?
各案件の作業状況が整理されておらず、タスクの抜け漏れが起きていました。また、期限を大幅に超える案件も発生していました。案件の進捗については定例会議で担当者から報告があるものの、案件量が多いうえに担当者のみが状況を把握しているケースが多く、管理者側は進捗を追いかけられていませんでした。Jooto導入後は画面を見ながら定例会議を進め、タスクを洗い出して皆で共有しています。
― 何が決め手となりJootoを選んだのでしょうか?
先述の課題解決のため、他社含めてITツールを検討しました。さまざま比較した結果、情報共有のしやすさ、シンプルな操作性、コメント欄で管理職と一般職が気軽に意見交換できる点が決め手となり、Jootoを選びました。
各タスクに責任者と管理職を設定
「報・連・相」のツールとして活用
― どのようにしてJootoを利用していますか?
タスクに対し、各課から責任者を選出し、責任者を中心に「報・連・相」を行うコミュニケーションツールとして利用しています。定例会議でも活用しており、Jootoの画面で情報を共有し、案件の状況報告や進捗管理をしています。また、タスクの管理者としてメンバーに必ず管理職を入れています。1つのタスクに対して最低でも1名の管理職がいるので、「進捗が遅れている」「作業状況に不都合がある」などトラブルが起きた時、管理職は早急に気付くことができます。万が一、管理職が状況を把握していない時は、周りのメンバーが先に気付くこともあります。Jootoでタスクの内容を共有することで、管理職や担当者だけに任せっきりにしない状況を作れたのは大きな変化だと感じています。
― 具体的にどのような形で業務管理をしていますか?
まず、大まかではありますが、各プロジェクトに案件を分類します。次に、各担当者が該当のリストにタスクを追加します。リストは、「新規」「課題解決」「現状の改善」など、案件の内容でカテゴリー分けしています。タスクには、可能な範囲で直近の日付で期日を設定します。管理者や各案件の責任者は、定期的にプロジェクトを巡回して業務に滞りがないかをチェックします。案件が終了したら、必ずそれまでの業務の要約を入れて「完了」とします。
― Jootoで便利だと感じる機能は何ですか?
タスクごとにコメントできる点が便利です。基本的にメールやチャットを利用しているのですが、必要な情報が埋もれてしまう、検索に時間がかかるなどの困りごともあります。その点、各案件に必要な情報については、Jootoにまとめているので見つけやすいと感じています。チャットの情報を遡って確認するだけでなく、詳細な履歴や情報をJootoで案件ごとに確認できるのが良い点だと思います。また、タスク内で視覚的に進捗状況が分かりやすい点も助かっています。
― Jootoを導入して変わった点は何ですか?
各タスクの責任の所在と、次に行うAI(アクションアイテム)が明らかになり、業務がスムーズに進行できるようになりました。定例会議で自発的に発表する社員も増えて、議論も活発になったと思います。また、業務を進めるうえではどうしても個々のスキルに差が出てしまうものです。しかし、周囲のJootoの使い方を参考にすることで業務遂行能力が上がってきたメンバーもおり、結果的に部下の育成に繋がりました。さらに、進捗が芳しくない案件については、管理職や周りのメンバーでカバーする意識が生まれました。個人の能力に頼るのではなく、部署全体が組織として機能するようになってきたと感じています。
管理職が率先して利用することで
部署全体にJootoの存在が広まった
― Jooto導入の際、他の社員の皆さまはどのような反応でしたか?
ITツールに対して抵抗感を持っている人はいましたが、利用を続けていくうちに自然と個々人の使用頻度も増えていきました。部署内では、所長をはじめ管理職は積極的にJootoを活用しており、コメント欄で発言もしています。社員に「Jootoを使おう」と意識づける意味では、管理職が率先してJootoを利用することは良いことだと思います。
― コメント欄の利用が活発な印象ですが、意識的に取り組んでいることはありますか?
担当案件だけでなく、他の案件にも積極的にコメントするようにしています。例えば、自身が抱えるタスクが増えてくると周りを気にかけられなくなるケースは多いと思います。しかし、「自分の案件ではないから」と言って他の案件を気にしなくて良いわけではありません。Jootoで自分以外の担当案件に意見をする機会を設けることで、皆で業務を進めようとする意識が生まれたと思います。Jootoの営業担当さんに計測していただいたのですが、Jootoを導入してすぐと現在で、コメント数は2倍に増えたようです。タスクに紐づくコミュニケーションが活発になったことはとてもよい効果だと感じています。
― 今後、Jootoをどのように活用していきたいですか?
まだまだITツール自体に不慣れなメンバーも多いことから、今のところは現状の使い方で業務を管理していく予定です。また、現在は「技術課・品質管理課・精密製品課」の3つの課が絡む業務のみで活用しています。今後は、各課単体の業務での運用を進めていきたいと考えています。APIで他のツールとの連携も視野に入れています。部署全体では、自社開発力を高めて提案力を強化し、他社をリードしていきたいとの目標があります。これまでの知的資産をJootoにまとめて活用することで、目標の実現に近づけられたら幸いです。またJootoの機能がさらに充実すれば、ゆくゆくはクラボウグループ全体で利用したいと思っています。
社名 | クラボウ(倉敷紡績株式会社) |
---|---|
従業員数 | 4189名(2023年3月31日現在) |
事業内容 | 繊維事業、化成品事業、環境メカトロニクス事業、食品・サービス事業、不動産事業 |
URL | https://www.kurabo.co.jp/ |