Sansan株式会社
「攻め」の広報チームへ—Jootoで実現したマネジメントやコミュニケーションの変化
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多くの物件で並行して生じる多様な業務の管理が煩雑になっていた
外出中の担当者や協力会社とのコミュニケーションに時間を要していた
物件管理の進行状況を社内で共有することで、連絡、確認業務が大幅に削減。 協力会社も加わり、業務効率化を推進。売上増加。
埼玉県川越市の川木建設株式会社は、明治2年創業、150余年の歴史を誇る老舗企業だ。現在は総合建設、リニューアル事業のほか、木造住宅建設、リフォーム、不動産賃貸管理、売買仲介など、建設と不動産関係で幅広い事業を営んでいる。
今回お話しいただいたのは、同社賃貸管理部・メンテナンスチームを統括している係長の府瀬川 陸成(ふせがわ・りくなり)さん。同部では3年前の2017年のJootoを導入以降、管理業務のほか、顧客提案業務の効率化による売上向上などにも役立っているという。今回は、関係者や案件数も多い不動産賃貸管理業ならではのJooto活用法についてお話を伺った。
アパートやマンションなどの賃貸不動産のオーナー様から、物件の管理を任されています。具体的には、入居者からの問い合わせへの対応や、家賃などの集送金管理、退去後の原状回復工事の手配や管理、入居募集、建物の修繕管理……など多様な仕事があります。
また、オーナー様向けには、修繕内容の確認、提案や、防犯カメラ、宅配ボックスなどの、新設備の設置提案業務などもあります。私自身は、入居者様サイドではなく、協力会社さんの管理やオーナー様への対応を中心とした業務に従事しています。
賃貸管理部は管理物件それぞれで細かい管理業務が日々生じます。とくに入居者の入れ替え(退去、入居)の際は、退去者へのさまざまな確認、募集広告、何人もの入居希望者さんのご案内、原状回復工事の管理、鍵の取り替え、契約管理など、細かい作業が同時並行的にたくさん生じるので、時期によっても多くのタスクを抱えることになります。
ビジュアルマネジメント(VM)という業務管理手法を実施していました。いわゆる業務の「見える化」をするための改善手法のひとつで、簡単にいうと、オフィスの壁の全面をホワイトボードにして、そこにタスクなどを書いた紙を貼ったりなどして進捗を管理する方法です。
ちょうど、Jootoのタスク管理のようなものを紙とホワイトボートとで物理的に行っていました。以前は、社内ではビジュアルマネジメントボード、出先用には紙の手帳を使って管理をしていたのですが、物件件数が増えると、管理しきれなくなってしまって…。そこでデジタル化を検討して、最初は別のガントチャートのソフトを使ってみました。しかしガントチャートだけでは、多くのタスクが同時進行するタスクの全体状況をぱっとつかむことが難しく、結局は使わなくなってしまいました。
ガントチャートソフトの後でJootoを知って、無料だし試しに使ってみようと、最初は私と2人のスタッフとで使い始めました。先のビジュアルマネジメントに近い感覚で使えて、すぐになじむことができました。それで、上司に報告したところ、それは良いという話になり、部署の全員に利用するようにしました。
若いスタッフは比較的すぐに慣れてくれましたが、正直、そういう人ばかりではなかったですね。ハードルを感じている人には、ことあるごとに「Jootoは便利だよ」とすすめ、一方で「Jootoに入れておいたから見ておいてね」と、半ば強制的に使ってもらうような環境を作りました。使うスタッフが増えれば、自分だけ使わないというわけにはいかないので、最終的には全員使うようになりました。
なるべく使いやすくするための工夫は考えています。たとえば、プロジェクトボードの最初には「運用ルール」のリストを作り、運用上の疑問があれば、自分でそこを見れば解決できるようにしてあります。
また、メンバーは全員がニックネームで登録しています。たとえば、私は以前陸上自衛隊にいたので「りくちゃん」です(笑)。さらに、ユニークな画像を貼り付けたりすることもよくあります。こうしてカジュアルな雰囲気を作り、スタッフのみんなにも楽しく仕事をしてもらえたらいいなと考えています。
あえてカジュアルなやりとりを心がけることで利用することへのハードルを下げることにもなって、積極的な報告や連絡ができていると思います。
まず、業務の種類ごとにプロジェクトを立てて、時系列に沿ったリストを作成します。たとえば、退去管理業務だったら、退去日時決定、契約終了、工事中…、などのリストです。また、新規入居業務だったら、鍵の在庫確認とか、室内不備確認、内見、入居申し込み、入居日確定、…などのリストになります。
そして、管理している部屋単位で、たとえば「Aハウス101号室」などを1タスクとして、業務の進行に応じて左のリストから右のリストに移動させていく、という使い方です。
一番は、その部屋の状況のさまざまな確認を、わかりやすくメンバー内で共有できることですね。たとえば、人気のある部屋だと、退去があるとすぐに内見希望者がいらっしゃいますが、その時に、以前は仲介会社から電話を受けた事務担当者が、外を回っている物件担当者に電話をして「いまどうなっていますか」と、その都度確認をしていたわけです。
いまでは、Jootoを見れば部屋ごとのステータスが一目でわかりますから電話でやり取りする必要がありません。関係する人が多いので、その都度相互に連絡しながら確認して進めることが大変な手間だったのですが、Jootoを使うことで確認作業が大幅に削減できました。
担当者は会社から支給されているiPadか、スマホを使っています。退去の立ち会いの時には、部屋の汚れや破損などを全部確認して、写真を撮影してJootoのタスクにアップロードして物件ごとに管理しています。立ち会い時の部屋の様子などもiPadで撮影・記録して、Jootoで管理しています。
チーム員が土日休日と火水休日に分かれており、それぞれの休み明けの日は申し送り事項などが増えることから朝礼が長くかかっていましたが、それが相当短縮されました。
また、業務終了時には終礼があります。以前は、「Aハウス101号室で退去があって、室内はこのような感じで、オーナー様にこの許可をとりました」とその日の動きを1件ずつ報告していたので、それだけで30~40分くらいかかっていました。
ところが、Jooto導入後は、現状確認はJootoでできるので、終礼はほとんど5分程度で済むようになりました。これだけで、労働時間は月に10数時間削減できているでしょう。
それだけではなく、Jootoで業務が細かく「見える化」できるので割り振りなどがやりやすくなり、ワークライフバランスに配慮した働き方などの改善も進んだと感じています。
オーナー様に設備の提案に伺う場合、協力会社さんとともに提案書を作るのですが、その提案書作りや工事管理のやりとりを、Jootoでするようになりました。以前は、まず協力会社の担当者と一緒に現場にいって設置場所などを確認し、打ち合わせをしていたので、往復時間を含めるとそれだけで半日はつぶれていました。
そこで協力会社の方にJootoのメンバーになってもらい、私が現場の写真に書き込みをした指示などを元に提案書を作成していただくという流れにしました。すると提案書の作成スピードが速くなり、オーナー様への提案件数も増やせるようになりました。結果として、設備として人気の防犯カメラ・宅配ボックスは、Jooto導入前と比べて、導入件数が2倍ほどに増えました。非常に大きな成果です。
コメント機能をチャットツールのように使うことを推奨しているので、カジュアルなコミュニケーションが増えたことは良い影響だと考えています。
たとえば、経験の浅い場合は、一見重大な事態につながるがわからない事柄があったりします。口頭の場合は報告しなくとも良いかという判断になってしまうことも起きえます。
そういう時に、チャットだと「こんなことがありました」と、口頭報告よりも気軽に報告できます。それを見た上司はすぐに気付いてフォロー対応をすることができ、トラブルを未然に防ぐことができるのです。
一方で言葉の使い方が難しいと感じることはありますね。口頭での会話なら気にならない言葉でも、文字にするとすごく冷たく感じることがあるじゃないですか。あるいは、口ではいわないような厳しい言葉をテキストだと使ってしまう、といったような。そういった、文字だけのコミュニケーションならではの難しさも感じます。
はい、全部をチャットでのコミュニケーションに置き換えることはできないのではないかと思っています。やはり、面と向かって話し合うことの大切さもありますね。
Jootoの便利さと、対面でのコミュニケーションと、両方をうまく利用することで、単に効率を求めるだけではなく、よりカジュアルなコミュニケーションがとれて、やっぱり一番は社員のみんなが楽しく働ける職場にしていきたいと思っています。