定例ミーティングの時間が1時間半から30分に
Jootoで複雑なフィギュア制作の工程を効率よく管理
抱えていた課題
工程が進む度、スプレッドシートの入力に時間を費やしていた。
「誰ボール」が不明瞭で、誰がどの作業を行っているのかが分からなかった。
進捗状況をすぐに把握できず、ミーティングの時間が長くなりがちだった。
解決したこと
手入力ではなくドラッグ&ドロップのみで効率良く工程管理ができるようになった。
案件の担当者や進捗状況をひと目で把握できるようになった。
定例ミーティングの時間を削減できた。
「株式会社eStream」は、2017年8月にサイバーエージェントのグループ会社「CyberZ」の子会社として設立。東京都渋谷区の「渋谷スクランブルスクエア」にオフィスを構え、漫画やゲームのキャラクター等の知的財産、いわゆる「IP(Intellectual Propert)」のマーチャンダイジング事業を展開している。
また、2020年には「スケール感」と「躍動感」にこだわったフィギュアブランド「SHIBUYA SCRAMBLE FIGURE」を設立。「キャラクターが最も輝く瞬間“ダイヤモンドモーメント”を形にする」をモットーとしたフィギュア開発で、IPの魅力を最大化する「ものづくり」を日々追求している。
フィギュア制作には多くの人が関わるうえ、開発から製造、販売に至るまでに長い時間がかかる。このため、工程管理には正確さや効率性が求められるが、同社では課題を抱えていた。Jootoの導入により、どのようにして課題解決に至ったのか、 同社プロダクト開発局製造部橋本様と本間様にお話を聞いた。
“推し活”に欠かせない
グッズやフィギュアに関する事業を展開
― 御社の事業内容について教えてください。
橋本 IPのマーチャンダイジング事業を展開しています。オリジナルグッズの販売に加え、グッズ販売の新しい形ともいえる「オンラインくじ」などオンラインエンタテインメント事業も行っています。2020年には、フィギュアブランド「SHIBUYA SCRAMBLE FIGURE」を立ち上げ、2022年には、お店での支払いに使えるキーホルダータイプのキャッシュレスフィギュア「きゃらぺいっ!」の販売をスタートするなど、IPの魅力を最大化させる商品づくりに取り組んでいます。
― Jootoを活用されている部署と業務内容について教えてください。
本間 フィギュア事業部でJootoを利用しています。本事業部は、イラストの原案からCGイメージの作成、彩色原型及び製造版監修など、フィギュアの製造過程に関する全ての業務を担う部署です。各フィギュア担当のディレクターを中心に開発を行っています。
― フィギュアが完成するまでの工程を教えてください。
橋本 まず、制作したいフィギュアのイメージをイラストに起こします。次に、起こしたイラストを原型師に送ります。原型師とは、スケールフィギュアの原型を製作している方です。原型師にイラストを送るとCGイメージが上がってきます。CGを確認して完成イメージが固まると、色の付いていないグレーの状態の「原型」を作ります。原型の確認後は色の付いた状態の「彩色原型」で完成形を確認し、最終的に生産数を決めます。企画立ち上げから市場に流通するまでに長い時だと2年程度かかります。
煩雑な工程管理で「誰ボール」が不明瞭に
状況を打開すべくJootoを本格導入
― Jootoを導入する前は、どのようにして工程管理をしていましたか?
本間 スプレッドシートで管理していました。弊社では、複数キャラクターのフィギュア制作が並走しており、多い時には約100件を同時進行することもあります。100件近くのフィギュア制作の進捗を手作業で入力していました。
― 導入以前は、どのような課題を抱えていましたか?
本間 まず、スプレッドシートの入力に時間を費やしていました。例えば、スケジュールに変更があるとシートに入力しなければなりません。件数が多いうえ、日付を全て書き換える必要があるので手間がかかっていました。
次に、「誰のボールか」が不明瞭でした。誰がどの作業を行っているのかが分からず、ある作業が滞っていても自社と工場のどちらで止まっているのかを把握するのにも時間がかかっていました。
また、弊社では定期的に進捗報告のミーティングを行っています。しかし、Jooto導入前は工程管理が煩雑であったためすぐに状況を把握できず、ミーティングの時間が長くなりがちでした。
― Jootoを採用した決め手は何ですか?
本間 業務の進捗状況を「誰もが簡単に見られる」ツールを求めていたので、工程管理・タスク管理の専用ツールを探していたところ、Jootoを見つけました。無料プランで2週間ほど試用期間を設けたのですが、約100件のタスクを見やすく整理できました。定例ミーティングでも、皆がすぐに進捗状況を把握できていたことから、本格的に導入することを決めました。
チェックリストやラベル機能を活用して
誰もが見やすく分かりやすい
工程管理システムが完成
― 具体的にどのような形でJootoを利用していますか?
本間 プロジェクトに各工程のリストを作成し、タスクに案件を記入して完了したらリストを移動しています。チェックリストには各工程に必要なタスクを入力し、終わったらチェックを入れています。基本的に社内のみで利用しており、外部の方とはチャットツールでやり取りしています。
― Jootoで便利だと感じる機能は何ですか?
本間 ラベル機能です。納品予定年度や工場名をラベルに入力し、どの案件がいつ納品で、どこの工場に製造をお願いしているかをひと目で分かるようにしています。また、CGイメージや出力原型などのアップ日を知りたい時はタスクに「UP日確認」のラベルを設定。ラベルが設定された案件については、工場との定例ミーティングの際に期日確認をしています。タスクが未完了の場合はマークが付くのも、ひと目で進捗が遅れている案件を把握できて便利です。
― Jooto導入後の定例ミーティングの流れについてお聞かせください。
本間 定例ミーティングはオンラインで行っているので、Jootoの画面を皆で共有しながら進捗報告を進めています。例えば、工場に依頼している出力原型の制作状況が気になる場合、Jootoのリストとラベルを見て「いつまでに工場から出力原型をいただけるか、確認してください」と指示を出しています。
― Jootoを導入したことで何が変わりましたか?
本間 チェックリストにToDoを細かく設定してチェックできるので、作業の抜け漏れが少なくなりました。また、工程が進んだら「ドラッグ&ドロップ」でタスクを左から右へ動かすだけで済むのも助かっています。スプレッドシートで手入力していた時よりも、効率的に進捗状況の更新をできるようになりました。
橋本 定例ミーティングでは、誰もが簡単に案件の進捗を把握できるようになりました。Jooto導入前はミーティングに1時間半程度、時間をかけることもありましたが、いまは約30分、長くても1時間程度まで削減できました。
世界中の1人でも多くの人へ
日本発のキャラクターの魅力を届けたい
― Jooto導入の際、社員の皆さまはどのような反応でしたか?
本間 特に困ったことはなく、むしろ「導入前より作業がやりやすくなるなら問題ない」との声が多かったように思います。本格導入の際は、社内で説明会を開いて利用方法を説明しました。
橋本 フィギュア事業部のリーダーはJootoを試した時に「UIが良い」と気に入っていました。これもJootoの本格導入を決めた理由です。
― 会社として目指している目標は何ですか?
橋本 私たちの親会社であるサイバーエージェントが目指しているのは、「世界に通用するサービスを提供する」こと。当然、私たちも全世界に向けてフィギュアを販売しています。今後も日本で生まれた魅力的なキャラクターや、弊社が手がけるフィギュア・グッズを世界中の1人でも多くの人に届けるために邁進したいと思います。
また、現在「ものづくり」の業界が抱える課題に「価格の高騰」があります。しかし、弊社としてはお客さまが望む時に、“手に取りやすい価格”で良いものを購入できるように尽力したいと考えています。Jootoでしっかりと工程管理を行い、余計なコストをかけずに業務を進めることが、弊社の商品を購入してくれる方の負担削減に繋がれば幸いです。
社名 | 株式会社eStream |
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従業員数 | 43名(2023年8月現在) |
事業内容 | マーチャンダイジング事業、オンラインくじ販売等オンラインエンタテインメント事業、フィギュアブランド運営 |
URL | https://www.estream.co.jp/ |