訪問診療時に必要な個人情報書類をJootoに集約し、
セキュリティリスクを軽減。働き方改革も前進
抱えていた課題
訪問診療時にサブカルテとして紙の書類が必要だった。持ち歩きに不便で、個人情報保護の観点でもリスクがあった。
個人情報書類を自宅に持ち帰ることができず、働き方改革が進まなかった。
スタッフ間の連絡にプライベート用のツールを使っていたが、抵抗感を持つ方もいた。
解決したこと
紙の持ち歩きがなくなり、セキュリティリスクが軽減。資料を探す手間も省け、患者とのコミュニケーションがスムーズになった。
直帰が可能となり、在宅ワークの導入が進んだ。追記情報も在宅で更新でき、共有スピードが増した。
プライベートと仕事でツールを分けることができ、気兼ねなく連絡できるようになった。
赤坂歯科医院は、岐阜県大垣市にある歯科医院だ。「地域のかかりつけ医院」を目指して開業された同院は、通院困難な方のための訪問診療にも力を入れており、Jootoは主に、訪問診療時のサブカルテ管理のために導入されている。
Jooto導入前は「紙ベース」でサブカルテを管理していたが、持ち歩くには重く、セキュリティ面でも不安があったという。今回は、同院院長 山口 正義(やまぐち・まさよし)さんに、具体的なJootoの使い方や導入時の工夫、また導入の効果について詳しくお話を聞いた。
在宅でも医院でも、
シームレスで高水準のデンタルサービスを提供
― 貴院について教えてください。
当院は、岐阜県大垣市にある歯科医院です。外来の患者様だけでなく、半径16kmの範囲で通院が困難な方のための訪問診療にも力を入れています。訪問診療では虫歯、歯周病の治療のほか、誤嚥性肺炎の予防に効果的な「口腔ケア」も行なっています。
在宅でも医院でも、高水準のデンタルサービスを同様に提供することで、状況が変わってもシームレスに治療を受けてもらいたいと思っています。
ICTに詳しいスタッフを
「Jootoマスター」に任命した
― Jooto導入のきっかけについてお聞かせください。
もともと紙中心で業務を進めることに課題を感じていたのですが、当時はさらに新型コロナウイルスの感染拡大で予防対策などの業務に追われ、スタッフの負担が増していました。
負荷軽減のために患者様のサブカルテのデジタル化を考えていた際に、ICTアドバイザーの方からJootoを薦められました。トライアルで使ってみたら、とてもシンプルな操作で使うことができ、すぐに導入を決めました。
― 導入時に工夫された点があれば教えてください。
Jootoは歯科医院に特化したサービスではないので、最初はどのようなプロジェクトボードを作成するべきか悩みました。そこで、ICTに詳しい医院のスタッフを「Jootoマスター」に任命し、いくつかのパターンを試してもらいました。完成度6割ほどまで作り、フィードバックして、改善してまたフィードバックしてといった形でゆっくりと完成に近づけていきました。現在のプロジェクトボードは使いやすく、よくカスタマイズされているなと思います。
また、他スタッフにはITツールに慣れていない者もいて、当初は戸惑いの声があったのですが、「Jootoマスター」がレクチャーも担当することで、ツール浸透を進めていきました。
患者情報を集約したサブカルテ管理と
スタッフ間の連絡用掲示板としてJootoを活用
― 現在は、どのようにJootoを活用していますか?
主に訪問診療のための、サブカルテ管理に活用しています。法令に従って作成するカルテとは別に、当院では投薬情報、病歴、家族構成、診療履歴や予約情報などカルテに準ずる情報をまとめたサブカルテを患者様ごとに作成しています。患者様自身が思い違いをされていたり、どの薬を飲んでいるのかわからなかったりということもあるので、サブカルテで確認することは大事なことなのです。
Jooto上では、患者様のサブカルテをリストとして作成。さらに必要書類を情報の種類で分けたタスクカードの中に格納しています。情報集約が主な使い方なので、タスクカードを移動させることはなく、Jootoの使い方としては珍しいかとは思いますが。
また、スタッフ間の連絡用掲示板としても使っています。自身の体調不良の連絡はもちろん、「この患者様はこういう点に気をつけてください」といった情報共有をJooto上で行なっています。リアルタイムの更新があれば通知が来てスマートフォンですぐに見ることができるので便利ですね。
個人情報書類を持ち歩く必要がなくなり、
セキュリティリスクが軽減
― Jooto導入の効果について教えてください。
Jooto導入以前は、訪問診療のために紙のサブカルテを持ち歩くのが重く、何より個人情報保護の観点でリスクだと感じていました。
サブカルテの情報をJootoに集約するようになってからは、紛失や情報漏れのリスクがなくなり、セキュリティ面でとても安心です。そして、パソコンを開けば患者様の情報をすぐに探せるので診療時のコミュニケーションもスムーズになったと思います。また、以前は訪問前に保険証のコピーを患者様にお願いしていたのですが、今はその場で写真を撮ってJooto上にアップロードしているのでお手間をかけることもなくなりました。
Jootoを導入したことで、院内の働き方改革も進みました。訪問診療後に書類を医院に持ち帰る必要がなくなったので、直帰が可能になりました。情報追記の必要があれば、在宅ワークでJootoに書き込めばよいので、情報連携がスムーズに。運用の効率化と働き方改革を実現できています。
掲示板利用の面でもメリットがありました。これまで、スタッフ間の連絡はプライベートのツールを使うことも多かったのですが、抵抗感を感じる方もいました。Jootoを導入してからはプライベートと仕事を分けてコミュニケーションできるようになり、好評です。Jootoは全スタッフが使えるようにしています。幅広い世代、職種の方が使っているのですが、掲示板になったことで気兼ねせずに書き込みをしやすくなったようです。
― 今後の目標をお聞かせください。
ICTの力を借りながら効率化を進め、働き方改革をもっと進めたいですね。リソースに余裕が生まれれば、スキルアップや別の業務にあてることもできます。高齢化社会に向けて、歯科医院としてどのような貢献ができるのかを常に考え、後退せずに前に進めていければと思います。
社名 | 医療法人ユナイテッド 赤坂歯科医院 |
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従業員数 | 27名(令和5年6月13日現在) |
事業内容 | 歯科医院 |
URL | https://www.mtec-hp.com/united-akasaka/ |